外壁断熱リフォームのメリットとは?費用や補助金についても解説

  • 作成日:2025/03/06
  • 更新日:2025/03/06
  • 編集者:山根木材メディア編集部
外壁断熱リフォームのメリットとは?費用や補助金についても解説

外壁の断熱リフォームをすると、建物全体の断熱性が高まり、冷暖房が効きやすくなります。
快適に過ごせるだけでなく、電気代やエネルギー消費の削減にもつながるメリットがあります。

今回は、外壁断熱リフォームのメリット・デメリットや費用を解説します。
外壁断熱リフォームで受けられる補助金についても解説するのでご確認ください。

外壁断熱リフォームとは

外戚断熱リフォーム中の家

外壁断熱リフォームとは、家を囲むように断熱材を施工して、建物の外と中の熱伝導を遮断するリフォームを指します。
断熱リフォームでは床や天井に断熱材を施工することも多いですが、外壁断熱リフォームをすれば家全体の断熱性が高まります。
これにより、部屋だけでなくトイレや浴室、廊下などにも断熱効果が現れる点が特徴です。

リフォームによって家の断熱性が高まると、外の暑さや寒さの影響を受けにくく、同時に室内の暖かさや涼しさが外に逃げにくい家になります。
これにより室温が保たれやすく、冷暖房が効きやすくなるため、電気代の節約やエネルギー消費の削減に効果的です。
さらに、冬の結露やカビ対策にもなり、快適かつ清潔で、エコな住まいが実現します。

外壁断熱リフォームのメリット

断熱材が壁に充填されている様子

外壁断熱リフォームには、以下のメリットがあります。

  • より快適でエコな住まいにできる
  • 結露やカビを防げる
  • 住みながらリフォームが可能

いずれも快適かつ安全・衛生的に暮らすために重要なメリットです。
それぞれについて詳しく確認していきましょう。

より快適でエコな住まいにできる

外壁断熱リフォームのメリットは、冷暖房の効きが良くなり、快適でエコな住まいが実現することです。
外壁断熱リフォームをすると、冷暖房の冷気・暖気が外に逃げにくくなります。
それに加えて外気が室内に入りにくくなるため、冷暖房が早く効き、快適な室温をキープしやすくなるのです。

これにより電気代やエネルギー消費は節約しつつ、より快適な暮らしが可能になります。
また、外壁断熱リフォームで家全体の断熱性を高めれば、家の中の温度差が小さくなり、ヒートショックのリスク軽減というメリットも期待できます。

ヒートショックは冬に発生しやすく、部屋や廊下、脱衣所、浴室などの温度差によって引き起こされがちです。
発症リスクの高い65歳以上の高齢者や持病がある人がいる場合は特に、外壁断熱リフォームによる対策をご検討ください。

結露やカビを防げる

外壁断熱リフォームは、結露やカビの防止にもつながります。
結露は、室内の暖かい空気が外の冷たい空気によって冷やされることで発生します。
その点、外壁断熱リフォームをすれば外気が室内に伝わりづらくなるため、結露防止になるのです。

結露が生じなければ窓のサッシなどが濡れずに済み、カビもできにくくなります。
結露やカビは健康に良くないだけでなく、家の寿命も縮めてしまいます。
健康に長く住める家にするためにも、外壁断熱リフォームでの対策は重要です。

住みながらリフォームが可能

外壁断熱のリフォームは、住みながらの施工が可能です。
例えば室内に大掛かりな断熱リフォームを施す場合は、壁や床をはがすためホテルや親戚の家などに移る必要があります。
しかし、「外張り断熱工法」で外壁断熱リフォームをするなら、室内には影響はありません。

外張り断熱工法とは建物の外側に断熱材を取り付ける工法で、主に木造住宅や鉄骨住宅での施工で採用されます。
工事中も家にいられるため、ホテルに移るなどの費用は不要です。
いつもと違う生活で不便を感じたり、落ち着かなかったりすることもありません。

小さなお子さんや介護中の家族、ペットなどがいる場合や、家族の人数が多い場合は特に嬉しいメリットといえるでしょう。

外壁断熱リフォームのデメリット

外壁断熱リフォームにはメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。

  • 壁が厚くなる
  • 壁が劣化しているとそのままリフォームできない

リフォームで後悔しないために、これらの点についてもよく確認しておきましょう。

壁が厚くなる

外壁断熱リフォームをすると、外壁に厚みが出て、家が全体的に大きくなります。
施工の際、建物の外側に断熱材を取り付けていくためです。
したがって、敷地にゆとりがない場合は施工が難しい場合があります。

狭小地や住宅密集地の場合は特に要注意です。
敷地の都合で外壁断熱リフォームが難しい場合は、外壁ではなく屋根や室内の床・壁に断熱材を取り入れるなどの施工も検討してみてください。

壁が劣化しているとそのままリフォームできない

外壁断熱リフォームは、壁が劣化しているとそのままでは施工できないことがあります。
例えば結露がひどく、壁内部の断熱材にもカビが発生している場合、外壁断熱リフォームの前に劣化した断熱材を撤去する作業が必要です。
その分施工費用は高くなり、施工期間も延びることが考えられます。

壁内部の状態は、家に住んでいるだけではわからないことも多々あります。
見えないところでカビが繁殖していることもあるので、雨漏りなど目に見える問題が発生していなくても、こうしたリスクの可能性はあると考えておきましょう。

外壁断熱リフォームの種類ごとの費用と工期

スケジュールの上に白い粘土で作られた家と人の人形が置かれている

一口に外壁断熱リフォームといっても、以下のようにさまざまな種類があります。

  • 外張り断熱
  • 外壁充填断熱
  • 付加断熱
  • 断熱塗装
  • 外断熱

それぞれの種類の概要と費用や工期を解説します。

外張り断熱

外張り断熱工法は、家の柱などの外側から、家を覆うように断熱材を取り入れる工法です。
リフォームのしやすさが特徴で、主に木造工事での施工で採用されます。

外張り工法のメリットは、家全体が断熱材で覆われるため、隙間が少なく気密性が高くなることです。
これにより高い断熱効果が期待でき、冷暖房費の節約にもつながります。
また、家の外側の工事となるため室内の工事は不要で、家に住みながら施工ができる点もメリットです。

一方、デメリットとしては、家の外側に断熱材を施工することから外壁が厚くなり、家が大きくなることが挙げられます。
敷地に十分な余裕があるかを事前に確認するようにしましょう。

外張り断熱工法の費用や工期の目安は、木造建築を想定すると次の通りです。

外張り断熱工法の費用・工期(木造建築)

  • 費用:50万〜150万円
  • 工期:2〜3週間

外壁充填断熱

外壁充填断熱とは、壁の中の柱や梁に断熱材を詰め込む工法です。
内断熱工法と呼ばれることもあります。
詰め込む断熱材はボード状のものもあればシート状のもの、粒状のものもありさまざまです。

外壁充填断熱のメリットは、壁の内部に構造上生じる空間に断熱材を詰め込むため、厚みのある断熱材を入れられる点です。
比較的予算を抑えられる点もメリットといえます。

一方、外壁充填断熱では外張り断熱のように、家に住みながらの施工ができません。
内側の壁や天井を剥がすなど、家内部にも影響する工事が含まれるためです。

そのため、工事費用の他にホテルの宿泊費が必要になったり、通勤・通学費が余分にかかったりすることが考えられます。
こうした点から、外壁充填断熱は新築住宅の建設時に用いられることが多い工法です。

外壁充填横断の費用や工期の目安は次の通りです。

外壁充填断熱の費用・工期(30坪)

  • 費用:50万〜150万円
  • 工期:2週間〜1ヶ月

付加断熱

付加断熱リフォームとは、外壁充填断熱をして、さらに外張り断熱で断熱性を高める工法のことです。
付加断熱リフォームでは、壁の外側・内側両方の断熱工事を同時に実施します。
したがって、工事中に家に住むことはできません。

費用は外壁充填断熱と外張り断熱の費用を合わせた程度で、30坪前後の家を想定すると700万〜800万円程度です。
なお、旧耐震基準の住宅の場合は、同時に耐震改修を行ったり、断熱性を高めるために壁と床の隙間などを塞ぐ「気流止め」をしたりする必要があります。
その分費用はさらにかかってきます。

付加断熱の費用・工期(30坪)

  • 費用:700万〜800万円

断熱塗装

断熱塗装とは、外壁に断熱塗料を塗って断熱性を高める工法です。
断熱塗料を外壁や内壁、屋根などに塗ると、熱の伝導が抑えられます。
例えば夏には断熱塗料が太陽光を吸収して熱を溜め込むため、日が照り付けても室内が熱くなりにくいのです。

また、冬には冷気の侵入を防ぐ効果があります。
こうした効果により、断熱塗料を塗ると表面温度が約20度変わるといわれています。
断熱塗料と混同されやすいものとして遮熱塗料がありますが、遮熱塗料は光を反射することで熱の伝導を軽減するものです。

また、断熱塗料には室内の熱が外に逃げることを防ぐ効果もありますが、遮熱塗料にはこうした効果は期待できません。
断熱塗料の施工費用は1㎡あたり3,000〜6,000円程度とされており、30坪の住宅を想定した場合の費用・工期の目安は次の通りです。

断熱塗装の費用・工期(30坪)

  • 費用:120万〜200万円
  • 工期:2週間程度

外断熱

外断熱とは、建物の外側に断熱材を導入することで、外側から断熱して室内の熱が外に逃げないようにする工法です。
外張り断熱との大まかな違いは、外張り断熱は主に木造住宅に適用される工法であるのに対して、外断熱はコンクリート構造の建物に採用される工法である点です。

外断熱には次の2つの工法があります。

  • 湿式工法
    柱や梁、床、壁などの建物を支えるコンクリートの躯体に、直接断熱材を接着させる施工方法。断熱材は軽量のものが使われ、断熱材と外壁材が密着するためどちらにも透湿性が必要。
  • 乾式工法
    コンクリートの躯体から張り出した支柱で外壁を支える施工方法。断熱材と外壁は密着せず、間に通気層ができる。煉瓦タイルや石板など重い材料を使えるが、コストが高くなりがち。

外断熱の工事費用と工期の目安は、戸建て住宅を想定すると次の通りです。

外断熱の費用・工期(戸建て住宅)

  • 費用:100万〜200万円
  • 工期:2~4週間程度

外壁断熱リフォームに使える補助金

コルクの家型パネルの横に補助金と書かれたメモが置かれている

外壁断熱リフォームでは、国や自治体の補助金が使える場合があります。
ここでは、2025年度に利用できる補助金制度の一例として以下を紹介します。

  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
  • 子育てグリーン住宅支援事業制度
  • 次世代省エネ建材の実証支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」は、省エネ効果が見込まれる建材を使ったリフォームに適用される補助金制度です。
建材の省エネ効果は15%以上とされ、断熱材の他にガラスや窓、玄関ドアなどが対象となります。
補助金を受けるための条件の一例を挙げると、次の通りです。

  • 家全体に断熱改修をする「トータル断熱」であること(断熱材を使ったリフォームの場合)
  • 令和7(2025)年12月31日までに工事が完了すること

補助金額の上限は、一戸建てで120万円、集合住宅で15万円または20万円です。
公募が締め切られても、数ヶ月後に再び公募が始まることがあるので定期的にチェックしてみましょう。

参照:既存住宅における断熱リフォーム支援事業

子育てグリーン住宅支援事業制度

子育てグリーン住宅支援制度は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象とした補助金制度です。
この制度で補助金を受けるには、2024年11月22日以降に工事に着手しており、以下の必須工事のうち2つ以上を行っている必要があります。

  • 開口部の断熱改修
  • 躯体の断熱改修
  • エコ住宅設備の設置

上記のうち2つ以上の工事をしていれば、以下の附帯工事も制度の対象となります。

  • 子育て対応改修
  • 防災性向上改修
  • バリアフリー改修
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • リフォーム瑕疵保険等への加入

補助金額は、必須工事を全て実施していれば最大60万円、2つ実施していれば40万円です。

参照:子育てグリーン住宅支援制度

次世代省エネ建材の実証支援事業

「次世代省エネ建材の実証支援事業」は、次世代省エネ建材の活用を促進し、その効果を実証するための補助金制度です。
2024年の実施内容を見ると、外張り断熱の他、室内から断熱材を張る内断熱や、窓や玄関ドアに断熱改修をする窓断熱が対象となっています。
例えば外張り断熱の場合、補助金額は最大で400万円を上限として、補助対象経費の2分の1です。

この補助金制度を受けるには外壁の断熱材の導入は必須で、他には天井や床の断熱材、窓、玄関ドア、断熱パネルなど7つの建材が補助の対象となります。
なお、壁断熱リフォームで使える補助金制度は、各自治体でも用意されていることがあります。
お住まいの地域の補助金制度も確認してみましょう。

参照:次世代省エネ建材の実証支援事業

外壁断熱リフォームで住まいをより快適に

外壁断熱リフォームは、家の断熱性や冷暖房の効率を高め、より快適かつエコな暮らしを実現するものです。
家に住んだまま工事ができるため、リフォーム中もいつもと変わらない生活ができ、家族に負担がかかりません。

山根リフォームでは、外壁断熱リフォームも行っています。
広島で家の寒さや暑さに悩んでいる方、冷暖房費を節約したいと考えている方はぜひご相談ください。

※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

山根木材リモデリングウェブサイト

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