勾配天井とは?後悔しない照明の選び方やメリット・デメリットを解説

  • 作成日:2023/11/06
  • 更新日:2024/09/10
  • 編集者:山根木材メディア編集部
勾配天井とは?後悔しない照明の選び方やメリット・デメリットを解説

勾配天井とは、屋根の傾斜に合わせて斜めになった天井を指しています。勾配天井はデザイン性が高く、室内全体のイメージを変えられます。
また、一般的な天井と比較して空気の流れや空間の広さそのものも変化するため、これまでにないインテリアが楽しめます。

ただし、天井が特殊な形状になることから、照明選びが難しいと感じる方もいるようです。
今回の記事では、勾配天井の特徴や照明選びのポイント、メリットデメリットについてまとめました。

勾配天井の住まいを建てたいと考えている方や開放感のあるリビングを用意したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

勾配天井とは

無垢材の勾配天井が特徴に広いリビング

勾配天井とは、名前通り天井が屋根の勾配に合わせて斜めになっているデザインを指します。
本来屋根の傾斜部分は屋根裏のデットスペースになりますが、勾配天井は屋根の形状をそのまま天井に反映させることから、デットスペースを部屋の空間に取り入れることができます。

住まいのデザイン次第では、梁と呼ばれる構造材をアクセントとして使えます。
また、勾配天井と普通の天井では部屋の雰囲気が大きく変わります。勾配天井の空間は高さが生まれるため、部屋が広く明るく感じることができます。

勾配天井による開放感は他の間取りでは再現しにくく、住宅の建築を考えている方の中には、初めから勾配天井を譲れない条件の一つに提示する方もいます。

勾配天井に適した照明

勾配天井の照明選びは住まい全体の雰囲気を変える重要なポイントです。
ここでは、勾配天井に適した照明についてまとめました。
可能であれば実物を確認し、自宅に最適な照明を選びましょう。

ペンダントライト

たくさん本が並んでいる書斎に設置しているペンダントライト

ペンダントライトとは、文字通りペンダントのように天井からぶら下がった形状の照明であり、さまざまなデザインのものが存在します。
個性的なデザインのライトを選べば、部屋のアクセントになります。

勾配天井は天井付近の空間が広いため、ペンダントライトのデザインが引き立ちやすいという特徴があります。
また、ペンダントライトはより天井から床に近づくことから、手元を明るく照らしやすい特徴があります。

ダウンライト

ダウンライトと大きな窓が特徴のリビング

ダウンライトは天井に埋め込まれたようなデザインであり、複数のライトを組み合わせて部屋全体を柔らかく照らします。

さまざまなサイズがあるため、必要なサイズと数を調整する必要があります。
また、ダウンライトのみでなく通常の照明と組み合わせて部屋を照らすという手段もあります。

シーリングライト

シーリングライトは多くの住宅に取り入れられている照明であり、部屋全体を一定の明るさで均一に照らします。

シーリングライトというと天井に張り付くような形状のものが一般的ですが、勾配天井に適したシーリングライトはパイプ部分が長く、天井からパイプを伸ばして部屋全体を明るくします。

シーリングファン付きのデザインも存在し、機能別・デザイン別で選びやすい照明です。

後悔しない!勾配天井に設置する照明の選び方

多くの方は、天井が特殊な形状になることから、照明選びが難しいと感じています。
ここでは、勾配天井に設置する照明を選ぶ際のポイントをまとめました。

照明の設置場所で選ぶ

勾配天井に照明を設置する際は、まず照明の設置場所を考慮しましょう。
天井の高さや角度により、光が当たる範囲が大きく変わるため、部屋の中心や壁際など、どこを重点的に照らしたいのかを考えて照明を選ぶことが大切です。
リビングやダイニングでは、ペンダントライトやシャンデリアなど、デザイン性の高い照明を中央に配置することで、空間全体の雰囲気を作り出すことができます。

部屋の使用用途で選ぶ

部屋の使用用途に合わせて、最適な照明を選ぶことも重要です。
例えば、リビングは家族が集まりくつろぐ場所であるため、柔らかな光を提供する間接照明を組み合わせると、リラックスした空間を演出できます。
一方、キッチンやダイニングでは、明るさが求められるため、手元をしっかりと照らすペンダントライトやダウンライトがおすすめです。
寝室では、眠りに入る前にリラックスできるよう、調光機能がある照明を取り入れると便利です。

部屋の大きさで選ぶ

部屋の大きさも照明選びの重要なポイントです。
広い空間を照らすには、複数の照明を組み合わせて使用するのが効果的です。
小さな部屋では、シンプルなシーリングライトやダウンライトが部屋全体を効率よく照らしてくれます。
天井が高く、空間が広がっている勾配天井の部屋では、光が十分に行き渡るよう、適切な照明器具を選ぶことが求められます。

照明に求める機能で選ぶ

照明を選ぶ際には、その機能性も重要です。
例えば、調光機能が付いた照明を選べば、シーンに応じて明るさを調節できるため、夜間はリラックスした雰囲気を演出し、日中は明るく活気のある空間を作り出すことができます。
また、シーリングファン付きの照明は、部屋の空気を循環させ、冷暖房の効率を高めることができます。

さらに、最近ではLED照明が主流となっており、勾配天井の照明選びにも適しています。
LEDは消費電力が低く、長寿命であるため、ランニングコストを抑えつつ、エコな生活を実現できます。
また、LED照明は光の色を自由に調整できるタイプも多く、部屋の雰囲気に合わせて柔らかい光や明るい光を選ぶことができます。
勾配天井の高さを活かしたダイナミックな照明演出にも適しており、さまざまなデザインや機能を選択できるのが魅力です。

デザインで選ぶ

勾配天井の魅力を引き立てるためには、照明のデザイン選びも欠かせません。
ペンダントライトやシャンデリアのような存在感のある照明を選ぶことで、天井の高さを活かしたダイナミックなインテリアが実現できます。
また、モダンなデザインの照明や、ナチュラルな雰囲気を演出する木製の照明など、部屋のテイストに合わせて選ぶことで、統一感のある空間を作り出すことができます。

勾配天井に照明を設置する際には、設置場所、部屋の使用用途、部屋の大きさ、照明に求める機能、そしてデザインといったポイントをしっかりと考慮することが重要です。
これらの要素をバランスよく組み合わせることで、後悔しない照明選びができるでしょう。

勾配天井に設置する照明で後悔するポイント

勾配天井の設計にはいくつかの注意点があり、その中でも特に照明選びは慎重に行う必要があります。
照明の配置や選び方次第で、後悔することも少なくありません。
ここでは、勾配天井に照明を設置する際に注意すべきポイントについて詳しく解説します。

光の偏りによる部屋の暗さ

勾配天井では、天井の角度によって光の当たり方が大きく変わるため、部屋全体に均等な明るさを確保するのが難しいことがあります。
特に、照明が天井の高い部分に設置される場合、その位置や角度が不適切だと、光が特定の場所に集中してしまい、他の場所が暗くなってしまうことがあります。
例えば、リビングの一部が明るくても、隣接するダイニングスペースが暗いままでは、快適に過ごせません。

このような光の偏りを防ぐためには、照明の位置や角度を慎重に考慮する必要があります。
シャンデリアやペンダントライトなど、光を一方向に放つ照明器具の場合、部屋全体を均等に照らすには複数の照明を適切に配置することが大切です。
ダウンライトを併用して光を分散させる、または壁や床に光を反射させるような工夫を取り入れることで、部屋全体にバランスの取れた明るさをもたらすことができます。

照明器具の設置と交換の難しさ

勾配天井では、天井の高低差や角度のために、照明器具の設置や交換が難しくなることがあります。
特に、高い位置に設置される照明器具の場合、通常の天井に比べて作業が大変で、専門業者に依頼することが必要になる場合も少なくありません。
脚立や梯子を使っても、照明器具に手が届かないこともあり、日常的なメンテナンスや電球交換が面倒に感じるかもしれません。

また、照明器具の選定においても、勾配天井に適したものを選ぶ必要があります。
天井の傾斜により、設置場所が限られるため、設置する照明器具のサイズやデザインが制約されることがあります。
例えば、シャンデリアやペンダントライトを設置する場合、照明器具自体の重量や大きさが天井の構造に負担をかける可能性があるため、設置前にしっかりと確認しておくことが重要です。
交換時に手間がかかることを考慮し、長寿命でメンテナンスが容易な照明器具を選ぶことも賢明です。

光が反射しにくい問題

勾配天井のもう一つの特徴は、天井の形状によって光が効果的に反射されにくく、結果的に部屋全体が暗く感じることがある点です。
通常の平らな天井であれば、光が均等に広がりやすいのですが、勾配天井では光が特定の方向に向かってしまい、光が十分に拡散されないことがあります。
このため、照明を適切に配置しないと、部屋の一部が暗く感じられることがあるのです。

光の反射問題を解決するためには、勾配天井の傾斜に合わせた照明設計が必要です。
例えば、壁面に光を反射させるようなウォールウォッシャー型の照明や、天井から吊るすタイプのペンダントライトを使うことで、光を効果的に分散させることが可能です。
また、天井の色や素材も光の反射に影響を与えるため、照明とインテリアのバランスを考慮して設計することが求められます。
特に、光の強さや角度を調整できる調光機能付きの照明を取り入れることで、時間帯や使用目的に応じた最適な明るさを確保することができるでしょう。

デザインと実用性のバランスの難しさ

勾配天井に設置する照明を選ぶ際、デザイン性と実用性のバランスを取ることが難しい場合があります。
勾配天井は空間に高さを与え、開放感を生み出す一方で、そのデザインにマッチする照明器具を選ぶのは簡単ではありません。
デザイン性を重視するあまり、照明の機能性が犠牲になることがあるため、照明選びには慎重さが求められます。

例えば、インテリアに合ったおしゃれなペンダントライトを選んだものの、その照明が十分な光量を提供できない場合、部屋全体が暗くなり、実用的な明るさを確保することが難しくなります。
反対に、実用性を重視して選んだ照明器具が、勾配天井のデザインにマッチしない場合、空間全体のバランスが崩れ、せっかくのデザインが活かせないこともあります。

このようなバランスを取るためには、照明器具のデザインと機能の両方を満たす製品を選ぶことが重要です。
最近では、調光機能やリモコン操作が可能な照明器具も増えており、デザイン性を保ちながら、実用的な明るさを確保できる照明器具も多くなっています。
また、照明プランをプロのデザイナーに相談することで、勾配天井の特性を活かしつつ、デザインと機能を両立させた照明計画を立てることが可能です。

配線の複雑さ

勾配天井に照明を設置する場合、配線が複雑になることがしばしばあります。
通常の天井とは異なり、勾配天井では傾斜の角度や天井の高さによって、照明の位置や配線ルートが変わるため、設計段階から配線計画を慎重に立てる必要があります。
特に、複数の照明器具を組み合わせて使用する場合、配線が絡み合ったり、配線の長さが不適切であったりすると、設置後にトラブルが発生することもあります。

配線の複雑さを解消するためには、まず照明器具の位置を明確にし、それに応じた配線計画を立てることが重要です。
天井裏のスペースを活用したり、梁を避けて配線を通す必要がある場合もあるため、事前に建築設計士や電気工事業者としっかり打ち合わせを行うことが必要です。
また、後から配線を変更するのは非常に手間がかかるため、初めから十分な長さの配線を確保し、配線経路を整理しておくことが望ましいです。

勾配天井に照明を設置する際には、これらのポイントを十分に考慮し、後悔しない選び方を心がけましょう。
勾配天井の空間を最大限に活かすためにも、照明の配置や選び方に工夫を凝らし、快適な住空間を実現してください。

勾配天井を設けるメリット

木でできたテレビ台が特徴の勾配天井のリビング

勾配天井は多くの場合、住宅の最も広い空間であるリビングやダイニングに活用され、住まいの中心を彩ります。
ここでは、勾配天井を設けるメリットについてまとめました。

自分と家族が、リビングやダイニングに求める空間について考えてみてください。

開放感のある空間が演出できる

同じ面積・窓の配置である勾配天井の部屋と通常の天井の部屋を並べて比較すると、勾配天井がある部屋の方が部屋の高さが出る分、開放感が出て部屋自体が広く見えます。
さらに天井が高くなったスペースを活用して、窓のサイズを大きくしたり追加の窓を設けたりすることもできます。

限られた面積に住まいを建築する方には、部屋を広く見せる工夫として勾配天井の導入をおすすめします。

平屋でも部屋が明るくなる

勾配天井を導入して高い位置に窓を設ければ、取り込める光の量が増えて部屋全体が明るく見えるようになります。
住宅地の平屋のような暗くなりがちな住宅でも、高い位置の窓があれば室内を十分な量の光で照らせることができます。

さらに、高い位置の窓は外まで視線が抜けやすく建物が景観を邪魔しにくいため、窓から空を眺める楽しみも増やせます。

通気が良くなる

勾配天井で天井自体が高くなれば、部屋自体の通気が良くなります。
通常、暖かい空気は上に・冷たい空気は下に流れることから、高い位置の窓からの換気によって、家中の空気が入れ替わりやすくなります。

また、高い窓の位置からの換気は、低い位置にある窓よりも砂埃などが吹き込みにくく、人目が気になる心配もありません。

梁を見せるデザインも実現できる

梁は住まいの構造体の一つであり、木造住宅の梁には独特のおしゃれな雰囲気があります。
梁と壁のコントラストは住まいのデザイン性をより高いものにすることができます。

また、梁自体に照明を設置することも可能です。

勾配天井を設けるデメリット

勾配天井には多くのメリットがあるものの、いくつかのデメリットの存在も知っておくべきです。
メリットとデメリットを比較して、自分が優先したいと感じることは何か考えてみてください。

建築費用が高くなる可能性がある

勾配天井の住まいは通常の天井の住まいよりも、建築費用が高くなる傾向があります。
屋根裏になるはずの場所が居住スペースになれば、その分壁の面積が広くなり材料費・施工の手間が増える可能性があります。

勾配天井の導入を考えているのなら、初めから追加の費用を用意しておくべきです。

メンテナンス・掃除の手間が増える

勾配天井は天井が高くなる分、簡単に手が届かない部分の掃除や照明のメンテナンスに手間がかかります。
特に梁が見えるデザインの場合には、梁の上に溜まる埃を定期的に掃除する必要があります。

設計段階で、掃除の方法をどうするかについて考えておけば、勾配天井の住まいでもメンテナンスに時間をかけずに済みます。

照明選びが難しくなる

勾配天井に適した照明と一般的な天井用の照明は別だと考えるべきです。
勾配天井では天井が高いために、より多くの空間を明るくできる照明を用意しなければいけません。

また、天井の角度に合わせて光が当たる位置を計算する必要があります。
勾配天井に適切な照明については、建築後ではなく家づくりの段階で検討していくべきです。

冷暖房効率が下がり電気代が高くなる可能性がある

勾配天井は天井の高さにより部屋が広くなるため、冷暖房効率が下がり電気代が割高になる可能性があります。
特に空気は暖かい空気が上・冷たい空気が下に動くことから、暖房使用時は部屋が完全に温まるまでに多くの時間がかかると感じる方もいるようです。

勾配天井にはシーリングファンをつけると冷暖房効率を高められる

勾配天井のデメリットである冷暖房効率が下がりやすいという問題は、シーリングファンの活用で対応できます。
シーリングファンにより空気が循環しやすい環境を整えれば、エアコン効率をあげることができます。

シーリングファン単体を設置しても良いですが、シーリングファンと照明がセットになった商品も存在します。
自宅の雰囲気に適したシーリングファンを選びましょう。

まとめ

勾配天井とは、屋根の勾配を室内にも反映した天井が高い構造のデザインを指しています。
勾配天井の部屋は高い位置に窓が設けられることから、部屋を広く明るく見せられるでしょう。

梁を見せるデザインやシーリングファンの設置など、勾配天井ならではのインテリアも楽しめます。

開放感がある空間を住まいの中心に用意したいと考えているのなら、勾配天井の導入を検討することをおすすめします。
また、勾配天井の照明選びをする際には、設置場所・求める機能を事前に考えておくことが大切です。

広島・東広島・福山で理想の注文住宅を建てたいなら、広島を中心に累積1万棟を超える注文住宅を手がけてきた山根木材にご相談ください。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったプランをご提案します。

お問い合わせ・資料請求は、下記お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

山根木材ホームウェブサイト

人気の記事

  • 乾太くんを設置しているランドリールーム

    2023/11/06

    乾太くんのメリットとデメリットは?ガス代や電気代、設置費用も解説

  • 福岡県の県民性は?福岡県民の魅力や男性・女性の特徴について解説

    2024/01/24

    福岡県の県民性は?福岡県民の魅力や男性・女性の特徴について解説

  • 広島県の県民性は?広島県民の魅力や男性・女性の特徴について解説

    2024/01/24

    広島県の県民性は?広島県民の魅力や男性・女性の特徴について解説

  • 子ども部屋は4畳が無駄なく使いやすい!メリット・デメリットを解説

    2024/06/20

    子ども部屋は4畳が無駄なく使いやすい!メリット・デメリットを解説

  • 福岡県は子育てしやすい移住先|子育て支援制度とおすすめエリアを紹介

    2024/02/15

    福岡県は子育てしやすい移住先|子育て支援制度とおすすめエリアを紹介