土間を作るメリットとデメリットとは?導入ポイントや活用方法を紹介

  • 作成日:2024/01/12
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
土間を作るメリットとデメリットとは?導入ポイントや活用方法を紹介

土間は伝統的な日本の家屋に導入されていた設備であり、当時は勝手口と台所をつなぐ役割を持っていました。
住宅事情が変化した現在の住まいでは、玄関や作業場などいくつもの用途に土間が活用されています。

この記事では、土間を自宅に設けるメリット・デメリットのみでなく、導入事例をもととした土間の活用方法も紹介します。
これから建築予定のマイホームに土間を作りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも土間とは何か?

土間は室内でありながら靴を履いたままで移動できる空間を指しており、家の中と外の中間的な位置付けになります。
伝統的な工法の日本の住宅には土間が設置されることが多く、文字通り地面を土のまま使用していました。

当時の土間では炊事・風呂焚き・洗濯を含む家事全般が行われ、収穫済みの農作物を保管したり農機具の手入れをしたりする場所として重要な役割を担っていました。
現代の住宅に用いられる土間はコンクリートなどが床に施工され、より使い勝手が良い作業スペースに進化しました。

土間の用途は複数存在することから、何のために土間を設置するのかを検討することが大切です。
用途を明らかにしておけば、自宅の土間に必要な設備が分かります。

土間をマイホームに設置するメリット

土間①

自宅に土間を用意するメリットには次のようなものがあります。
土間の用途ごとに得られるメリットも異なります。

室内を汚さずに趣味や作業を楽しめ掃除がしやすい

土間の床には、コンクリート・タイル・モルタルなどの素材が施工されることから、付いてしまった汚れを水で洗い流せます。
そのため、アウトドア用品やスポーツ用品など室内を汚してしまう恐れがあるものを置いたり手入れしたりしても、簡単に掃除することができます。
そもそも土間は土足で歩くスペースであり、細かな汚れを気にせずに済みます。

土間はさまざまな用途に活用できる

土間にはいくつもの用途が存在します。用途に合わせて広さや設置場所を考えることで、最適な使い方を見つけることができます。
事例から見る土間の活用方法については、後ほど紹介します。
土間の用途を決めかねているという方は、ぜひ参考にしてください。

夏場の土間はひんやり涼しい

土間に使用されることが多いコンクリート・タイル・モルタルなどの素材は熱伝導率が高く、地面の温度を吸収して夏でもひんやりと涼しい状態を維持できます。
土間のある部屋は、暑い時季も涼しく快適に過ごすことができます。

いつでも好きな時に作業ができる

土間であれば天候に関係なく作業ができます。
デッキや軒先と異なり完全に雨風の侵入を防げるため、いつでもDIYやアウトドア用品の手入れを実施することができます。
さらに台風などの悪天候時は、鉢植えや自転車など室外に置いているものの避難場所としても使えます。

土間を自宅に設置するデメリットとは

土間をマイホームに設けると多くのメリットが得られますが、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、土間のデメリットとともに効果的な対応策をまとめました。

冬場は冷えやすい

夏場は地面の温度の影響を受けてひんやりと涼しい土間ですが、冬場になると冷えやすく底冷えの原因になります。
底冷えが気になる方は、断熱材を基礎に施工したり床暖房の導入を検討する必要があります。
特に、ダイニング・リビングや作業場に土間を設ける場合は、十分な寒さ対策を検討しましょう。

湿気が溜まりやすい

土間は室内と室外の空気が混ざり、温度差による結露が生じやすい空間でもあります。
さらに玄関に土間を設置する場合は、雨で濡れた靴や傘がより土間空間の湿度を高めてしまいます。
土間には吸水性が高い壁材を用いる・換気扇を設置するなどの手段で、湿気対策を施しましょう。

住宅に段差が増える

土間と居住空間は段差で分けることになるため、床の設置により住宅の段差が増えてしまいます。
土間ではお年寄りや小さな子どもが怪我をする可能性があります。

段差を小さくする・スロープを設置するなどの方法で、段差リスクを最小限に抑えましょう。
将来的にバリアフリー化を考えている場合は、住宅建築段階で施工会社に希望を伝えましょう。

使いにくさを感じる方もいる

用途を決めずに土間を設置すると、活用方法が見出せず土間が家族に使用されなくなる恐れがあります。
特に、居住スペースの中に土間が位置する住宅では、移動のたびに靴を脱ぎ履きする手間が増えてしまいます。
土間を設置する際には、土間を作る理由や用途について事前に検討しましょう。

事例から学ぶ土間の活用方法

土間②

土間にはさまざまな活用方法が考えられます。
土間の活用事例をもとにして、家族に最適な土間のスタイルはどのようなものか考えてみましょう。
土間の設置によって、より暮らしやすい環境が作れるようにしてください。

土間玄関

土間玄関は最も多い土間の導入事例です。具体的な玄関土間の活用方法は次の通りです。

  • 玄関と土間をつなげて広いシューズクローゼットを設置する
  • 玄関の延長に自転車やアウトドア用品のお手入れスペースを設ける
  • 靴のみでなく、コートなどのアウターやスポーツ用品・ベビーカー置き場にする

土間玄関は家の中と外の中間に位置する場所として扱いやすく、玄関の用途を広げることができます。

土間キッチン

伝統的な土間キッチンは、素材を変えることで現代の住宅にも導入が可能です。
土間の床に使用されるコンクリートなどの床材は水だけでなく火にも強く、万が一の火災発生時も炎が広がりにくいのが特徴です。
また、汚れを簡単に洗い流せるため、綺麗な状態を長く維持できます。

土間ダイニング・リビング

ダイニングやリビングに土間を取り入れるという方法もあります。
土間と庭を窓でつなげれば、庭も住宅の一部のように使うことができます。

土間は掃除がしやすいため、食べこぼしや油汚れを簡単に落とせます。
特にバーベキューやホームパーティーをすることが多いご家族におすすめです。

土間作業場

掃除がしやすく汚れが簡単に落とせるという土間のメリットは、作業場にピッタリの特徴です。
自転車やバイクのお手入れ・日曜大工・陶芸など、さまざまな作業に適しています。
機械を使用するような作業の音や振動も、最小限に抑えられます。

土間を作る時に知っておくべきポイント

土間③

建築予定のマイホームに土間を作ろうと考えている時には、次のようなポイントを意識しましょう。
住宅完成後に、土間が使いこなせないような状態を防ぐようにしましょう。

土間の活用用途を考える

土間は活用用途に合わせた形状・デザイン・場所に設置しなければいけません。
何となく土間を設置してみるのではなく、土間の用途を先に決めておく必要があります。
具体的には、土間は次のような用途に適しています。

  • 収納スペース
  • 趣味のスペース
  • コミュニケーション空間
  • 部屋と部屋または玄関をつなぐスペース

用途が明らかになれば、土間の適切な広さや設置するべき場所も絞り込めます。土間の用途によって必要な設備も異なります。
例えば、コミュニケーションスペースとして用意するリビングやダイニングに設ける土間には十分な防寒対策が求められるものの、収納を目的として設置する玄関土間は底冷えを気にする必要はありません。

土間の素材を選択する

土間と言えば、無機質で飾り気がない印象がありますが、最近では非常に多くの素材が土間に用いられるようになりました。
例えば、土間のタイルに大理石や御影石を活用すると、高級感がありおしゃれな土間を実現できます。
土間単体ではなく、住宅全体の雰囲気に適した土間の素材を検討しましょう。

湿気・寒さ対策を施しておく

特に家族が長時間過ごす場所に土間を設ける場合には、十分な寒さ対策が必要です。
冬も土間で快適に過ごすために、土間に断熱材を入れるか床暖房を設置すると良いでしょう。

また、土間に篭りやすい湿気の問題を解決する目的で、壁に調湿効果を持つ珪藻土を用いたり換気扇を含む風通しを考えたりすることも重要です。
冬に寒く湿気が多いような土間は、次第に活用されなくなってしまいます。
夏に限らず、快適に過ごせる土間を作りましょう。

まとめ

土間は昔の日本の住宅に多く用いられた設備であるものの、その利便性が人気を集め、現代の住宅にも用いられるようになりました。
土間をマイホームに設けたい方は、最初に用途を決めて必要な土間の広さや設置場所を家族で検討しましょう。また、同時に土間の湿気・寒さ対策も施しましょう。
家族が快適に過ごせる土間があれば、より便利かつ家族に適した暮らしができるようになります。

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