日本は、世界的に見て有数の地震大国と言われています。地震はプレート同士の摩擦によって引き起こされます。
そして、日本列島は世界でも珍しい4つのプレートが集まる地点にあるため、地震の発生回数が必然的に多くなる立地なのです。
日本の住宅には高い耐震性が求められると考えるべきでしょう。
今回の記事では、地震に強い家の特徴や建築時のポイントについてまとめました。
震災発生時も家族の命を守れる住宅を建築したいと考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。
地震に強い家を建築することの大切さ
地震の多い日本に暮らす私たちは地震に強い家を建てなければいけません。
地震に対して十分な対策を施している住まいであれば、震災発生時も住宅は大きな損傷を受けずに家族の命を守ることができます。
これまで数え切れないほどの地震に見舞われてきた国だからこそ、日本は地震に対する土木技術・建築技術が発達しています。
また、建築物に最低限の耐震性を求める法律も整備されているのです。
地震への強さは耐震等級を目安にできる
住宅の地震への強さは、耐震等級を目安に考えられます。
耐震等級とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の中で、評価や表示の方法について全国共通基準で定められた地震への強さを示す等級です。
耐震等級には以下の3つの区分があります。
耐震等級 | 説明 |
耐震等級1 | 建築基準法で定められている耐震性 震度6強から7に相当する数百年に一度起こる大震災に耐えられる |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の耐震強度 災害時の避難場所である病院・学校などの公共施設と同等の耐震性 |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の耐震強度 災害時の復興拠点である消防署・警察署などの公共施設と同等の耐震性 |
耐震等級については、こちらの記事でより詳しく説明しています。
地震対策の種類は免震・制振・耐震
地震対策の方法は耐震等級の他に、免震や制振という方法もあります。
ここではそれぞれの違いについて説明します。
免震
「免震」は地震により地面から伝わる揺れを「受け流す」仕組みです。
地面と建物を切り離して間に免震装置を挟むことにより、建物そのものが揺れて地震による影響を最小限に抑えます。
具体的なメリットとしては、地震エネルギーによる建物内部の損傷を防げるという点や、建物内部に設置している家具などの転倒による二次被害を防げるという点があります。
一方で、他の建物との物理的な距離が必要・免震装置を設置する分だけ建築コストが高くなる・免震装置の定期的なメンテナンスが必要などの点がデメリットです。
制振
「制振」は地震により地面から伝わる揺れを「抑制する」仕組みです。
建物内部に設置する制振装置が働き、地面から建物に伝わる揺れを吸収します。
制振は耐震よりも建物内部の損傷を抑えられる・免震と比較すると導入コストが少ない・制振装置そのものはメンテナンスが不要であるというメリットが存在します。
一方で、地盤が弱い場合は導入できない・耐震と比較するとコストが高い・免震と比較すると揺れがある分、家具の固定は必要などのデメリットがあります。
耐震
「耐震」は建物の強度を上げて「揺れても壊れない」ことを目指すものです。
一般的には、壁面に筋交いを入れたり耐震壁を設置したりします。
メリットとしては、免震や制振と比較して最も導入コストが低い・耐震等級1の耐震強度であれば追加コストが不要・地下室の設置が可能になるなどの特徴があります。
耐震のデメリットには、地面からの距離があるほど揺れが大きい・建物内部に設置した家具の損傷が大きくなる・大震災でダメージがあった場合は修繕コストが高くなるなどが該当します。
地震に強い家の特徴と建築時のポイント
ここでは地震に強い家の特徴や、マイホーム建築時に気をつけておくべきポイントについて紹介します。
シンプルな形かつ平屋を建てる
施主の中には、凝った造りや複雑な造形の建物を好む方もいるでしょう。
しかし、地震に強い家を建てたいのであれば、建物の形状はシンプルであるほど良いです。
L字やコの字の住宅は地震発生時に角に力が集中しやすく、倒壊リスクが上がってしまいます。
さらに、建物の高さがあるほど上層階の揺れが強くなります。
これから住宅を建築する場合は、正方形や長方形のようなシンプルな形かつ二階建て・三階建てより平屋の方が、地震に強い家となります。
強い地盤の土地を選ぶ
地震への強さという観点では、建物そのものの強さのみでなく、建物を建築する土地の地盤の強さも大きく影響します。
地盤調査をして地盤が脆弱と判明した場合は、地盤改良工事を実施しましょう。
地盤改良工事の代表的なものとしては、「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」の3つがあります。
家の質量が軽い
建物の重さ(質量)も住宅への地震の強さに影響します。
住宅そのものの質量が重ければ重いほど、地震発生時の揺れも大きくなるのです。
そのため、地震の揺れは軽量である木造住宅よりも重量である鉄筋コンクリート造の方が大きくなります。
定期的に適切なメンテナンスをしている
免震・制振・耐震のいずれの場合も、経年劣化によりそれぞれの仕組みが本来通りの働きをしないケースがあります。
地震に強い家を保つためには定期的な検査や、必要に応じたメンテナンスが欠かせません。
地震は大きなものばかりではなく、私たち人間が感知できない微小なレベルのものも含めると、年に何千回も発生しています。
そして、建物は全ての地震のエネルギーを受け止めたり受け流したりしているのです。
地震に強い家を建築する際の注意点
地震に強い家を建築するのであれば、注意しておくべきポイントがいくつかあります。ここでは代表的な注意点を3つまとめました。
地震に強い住宅を建築し、家族が安心して過ごせるようにしましょう。
一階が不安定な構造を避ける
建物の一階部分にビルトインガレージや大きすぎる吹き抜けを設けると、建物の足元が安定しない不安定な状態になる可能性があります。
特にビルトインガレージの場合、一階部分に大きな空間を設けることになる分、壁の数が減ってしまうのです。
地面から伝わった地震エネルギーは柱や壁面を通じて外に逃されていきます。柱や壁が少ない造りでは、エネルギーを外に逃しにくくなります。
ビルトインガレージや大きな吹き抜けを設置したい場合は、地震の揺れに負けない構造について建築会社に相談しましょう。
地盤が強い土地を選ぶ
地震に強い住宅を建築するためには、土地選びの段階から強い地盤の土地を選ぶ必要があります。
すでに決められた土地に住宅を建築する場合は、必要な地盤改良を実施しましょう
地震に強い住宅を建築しても、地盤が弱い状態では意味がありません。
地盤調査の結果を見ながら、プロの意見を聞いた上で地盤改良の実施を検討しましょう。
増改築を繰り返さない
一度建築済みの住宅に増改築を繰り返さないことも大切です。
耐震性という面では、最初に設計し建築した状態をキープするのが最も揺れに対して強くなります。
増築や改築により「住宅に一部分を追加した」「住宅の一部分だけ新しくした」場合には、地震で発生したエネルギーが、元々の部分と増改築部分のつなぎ目に集中しやすくなります。
また、新築時は揺れへの耐性も含めて住宅の設計が進められますが、増改築では住宅全体の耐震性が考慮されない可能性もあります。
まとめ
地震に強い住宅を建築したいと考えているのなら、耐震等級の他にも耐震・免震・制振などの取り組みに力を入れる必要があります。
地震に強い住宅があれば、家族は震災発生時も安心して過ごせるでしょう。
この記事を参考に、地震に強い住まいの建築について考えてみてください。
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