ドローンを使った屋根の点検とは?メリット・デメリットや費用相場を解説

  • 作成日:2024/02/20
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
ドローンを使った屋根の点検とは?メリット・デメリットや費用相場を解説

屋根は普段から状態をチェックすることが難しい箇所であるものの、住宅を守る重要な役割を持ちます。
これまでは屋根の点検のために足場を組むなど多くの労力とコストがかかりました。
しかし現在は、屋根の点検をドローンを活用して空から実施するという手段があります。

この記事では、ドローンによる屋根の点検のメリットとデメリットや、注意点をまとめました。
屋根の状態に不安がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

屋根の点検をドローンで実施できるのか

太陽光パネル付きの屋根の上をドローンが撮影している様子

ドローンは無線で遠隔操作する小型の航空機を指しており、元は軍事用として使用されていました。
日本では2015年から企業や政府がドローンを使用した事業を展開し、さまざまなビジネスが生まれています。

空中からの屋根の点検も、ドローンを使用した新しいビジネスの一つです。
屋根を点検する際には、遠隔操作可能なカメラを含む撮影機器や温度感知機能がついた機器をドローンに装着し、専用のコントローラーでラジコンのように操作します。

ドローンを屋根の点検に使用するメリット6つ

ドローンを屋根の点検に活用すれば、非常に多くのメリットが得られます。

1.短い時間で点検が完了する

ドローンを使用した屋根の点検は、足場を建てる必要なくすぐに実施できます。
空中からのアプローチになるため、屋根の高さ・住宅の形状・周辺環境に左右されずに点検が進められるのです。

また、ドローンに赤外線カメラを搭載すれば、屋根の加熱度をチェックして屋根材の状態も調べられます。
通常の屋根の点検が足場を組む作業とは別に1時間程度必要であるのに対して、ドローンを使用した屋根の点検は20分程度で完了します。

2.屋根に接触する必要がなく屋根が痛むリスクがない

自宅の屋根に作業員が登って点検をする際には、点検作業により屋根材が割れてしまう可能性が考えられます。
特に劣化が進んでいる屋根材は、簡単に壊れてしまうリスクがあるのです。
ドローンは屋根に接触せずに屋根の点検を進められるため、点検が原因で屋根が痛んでしまう心配はいりません。

3.ドローンの映像を活用して細かな部分まで点検できる

ドローンの点検では細かな点検ができないと考える人もいるようですが、現在では非常に高性能なカメラをドローンに搭載可能です。
さらに赤外線カメラを活用すれば、屋根の加熱度も調べられます。
そのため、ドローンの活用により屋根の状態をより細かく、場合によっては人の目よりも多くのポイントを点検できます。

4.点検による事故を予防できる

屋根の点検には危険が伴います。特に老朽化が進んだ屋根は不安定であり、簡単に破損する可能性が考えられます。
ドローンによる作業であれば作業員が屋根の上に登る必要がないことから、点検による事故のリスクを最小限にできます。

5.作業の結果を業者と一緒に確認できる

作業員が実際に屋根に登っての点検では、家主は一緒に屋根の状態をリアルタイムで確認できません。
作業員の説明を受けながら今後の対応を判断しなければいけないのです。

しかし、ドローンによる屋根の点検ではタブレットを使用して、家主が映像を自ら確認しながら屋根の状態を調べられます。
映像の中に不明点や確認したい点があれば、すぐに業者に質問できます。
ドローンを使用した屋根の点検は、家主にとって一般的な屋根の点検よりも詳細な状況を把握できるのです。

6.足場が不要で調査費用を少なく抑えられる

足場の組み立て・解体や運搬に必要な費用は1㎡あたり600〜1,000円程度であり、30坪の住宅に足場をかけるためには15万円程度の費用が必要です。
それに対してドローンを導入した点検作業は、足場設置の費用がかからないことから屋根の点検にかかるコストを大幅に削減することができます。

ドローンを屋根の点検に使用するデメリット6つ

ドローンを使用して屋根の点検をする際には、メリットのみでなく次のようなデメリットも存在します。

1.作業員による屋根の触診が実施できない

ドローンによる屋根の点検では細かく屋根の状態を確認可能なものの、作業員の触診はできません。
例えば、屋根の表面ではなく下地が痛んでいる場合には、外からの映像のみで問題を見つけられないこともあるのです。
住宅を建築してから長期間屋根の点検やメンテナンスをしていないのなら、ドローンによる点検に加えて修繕を前提とした触診をおすすめします。

2.雨天や風が強い日はドローンによる点検作業ができない

ドローンは無人の航空機ですが、故障や発火の原因になるため雨の日や風が強い時には活用できません。
具体的に国土交通省航空局の「無人航空飛行マニュアル」では風速5m/sをボーダーラインとして、ドローンの飛行が許可されていないのです。

特に住宅地でのドローン飛行は、安全面を考慮して基準よりも厳しい判断をする必要があります。
ただし、悪天候時に点検が行えないというデメリットは作業員が実施する点検でも同様です。

3.点検のみを実施し修理ができない業者もある

ドローンを活用した屋根の点検が一般的になり、専門業者も増えてきました。
しかし、屋根の点検を専門とした業者では、何らかの問題が発覚した後も屋根の修繕は行えません。
そのため、屋根の修繕業者を別に探してリフォームを依頼する必要があります。

4.応急処置ができない

実際に作業員が屋根に登って点検をする場合は、簡単に直せる問題を点検と同時に修繕できます。
ドローンにはそのような機能は搭載されていないことから、問題を見つけた後に修繕のために作業員が屋根に登らなくてはいけません。
屋根の状態によっては、ドローンを使用するよりも作業員による点検の方が効率良く作業が進む可能性があります。

5.お住まいのエリア次第ではドローン飛行に許可が必要

ドローンは好きなように飛ばして良いものではなく、航空法・小型無人機等飛行禁止法などの法律を遵守して使用しなければいけません。
さらに日本には、ドローンの飛行自体が禁止されているエリアも存在します。人口集中地域にお住まいの場合には、ドローンの飛行自体が行えないのです。
特に東京都内の住宅は、ドローンの使用が許可されない可能性があります。

6.ドローンの騒音を不快と感じる方もいる

ドローンは4つのプロペラを高速で回転させて浮き上がります。この飛行音は近くで聞かなければさほど大きなものではありませんが、近隣住人が不快と感じる可能性もあります。
ただし、ドローンによる屋根の点検は短時間で完了します。気になる方は事前に点検の日時を近隣の方に知らせておくのがよいでしょう。

屋根の点検にドローンを使う時の点検費用相場

COSTと書かれた木のブロックと虫眼鏡

屋根の点検にドローンを使う際の費用相場は、5,000円から3万円程度です。
この費用には以下の項目が含まれます:

  • 人件費:ドローン操作の技術者や屋根の専門家の人件費
  • 技術料:ドローンを使用した高度な点検技術の費用
  • 移動費:技術者やドローン機材を現地に運ぶための費用
  • ドローン本体の維持費:ドローンのメンテナンスや修理にかかる費用

ドローン点検の具体的な費用は、点検の規模や現場の状況、業者の料金設定によって異なることがあります。
例えば、屋根の状態が複雑で点検に時間がかかる場合や、特殊な技術を要する場合は、費用が高くなる可能性があります。

ドローンを使った屋根点検は従来の方法に比べて迅速かつ安全に行えるため、近年多くの業者で採用されています。
具体的な費用については、複数の業者から見積もりを取って比較することをお勧めします。

ドローンを使った屋根の点検業者を選ぶ時のポイント

点検業者二人がドローンを飛ばしている様子

ドローンで屋根の点検を行う前に、次のポイントを把握した上で点検業者を選びましょう。

自宅が対応地域内にある

屋根の点検を行う業者は全国各地に存在します。
対応地域外への業者に点検を依頼すると追加費用が発生する可能性があることから、自宅が対応地域内になる業者を選択してください。

経営母体が安心できる会社

経営母体が大きな企業または大手企業の子会社なら、万が一のトラブル発生時にも適切な対応をとってもらえる可能性が高くなります。
例えば、ドローンが屋根や家屋にぶつかって破損してしまった場合、経営母体がしっかりしている業者なら、住宅を修繕するための損害賠償を求められるのです。

インターネットの口コミをチェックする

ドローンで屋根の点検をしている業者を選ぶ際には、実際に業者で点検を実施した方の口コミを確認しましょう。
支払った費用や作業員の対応を比較して、安心して点検を任せられる業者を選ぶと良いでしょう。
また、知人や友人からの紹介があるのであれば、どんな作業だったか、費用はいくらだったかなど話を聞いてみても良いです。

注意するべき屋根の点検詐欺とは?

屋根の状態は家主が確認しにくいという点を悪用した「点検商法」という詐欺が存在します。
点検商法では、悪徳業者が「近所で行う工事の挨拶に来た」などという理由で訪れ、「屋根に破損があるので無料で点検・補修してあげる」「このまま放置すると自宅が雨漏りする」「すぐに修繕しなければ瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などの言い回しで家主に近づきます。

最終的には、家主の不安を煽る手口で非常に高額な点検や屋根工事の契約を締結させてしまうのです。
特に年配の方のみが暮らす住宅がターゲットになりやすく、現在全国で被害が多発しています。
ドローンを活用した屋根の点検を実施すれば、このような点検商法に騙されるリスクを減らせます。

ドローンを使った屋根の点検は自分でできる?

自分でドローンが操縦できる方やドローンを持っている方は、ドローンを使用して屋根の状態を撮影可能です。
ただし、ドローン撮影の技術があっても屋根の状態を判断するためには屋根の修繕業者の力を借りる必要があります。
このような理由から、ドローンを活用した屋根の点検を自分で行うのは難しいので、まずは業者へ相談するようにしましょう。

まとめ

ドローンを活用すれば、足場を組まずに安全かつ少ないコストで屋根の状態をチェックできます。
屋根の点検をドローンで行うメリットは多いものの、作業員による触診や応急処置ができないというデメリットも把握しておくと良いでしょう。

ドローンを活用した屋根の点検を有効活用すれば、これまでよりもずっと屋根の点検のハードルが下がります。
屋根の点検を定期的に実施し、屋根の問題を早く解決して安全な暮らしを実現しましょう。

山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。

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※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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