二重窓(内窓)リフォームで断熱効果UP!費用相場とメリットを解説

  • 作成日:2024/07/01
  • 更新日:2024/07/01
  • 編集者:山根木材メディア編集部
二重窓(内窓)リフォームで断熱効果UP!費用相場とメリットを解説

自宅の暑さ・寒さが気になっている人は、家の断熱性を上げられる「二重窓(内窓)リフォーム」がおすすめです。

比較的手軽に工事ができ、断熱性・気密性がアップするため、光熱費の節約にもつながります。
この記事では、二重窓(内窓)とは何か、メリット・デメリットを解説します。
費用感についても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてリフォームにお役立てください。

二重窓(内窓)リフォームとは

二重窓(内窓)リフォームとは、既存の窓の内側に、もうひとつ別の窓を取り付けることを指します。
二重窓でなく「内窓」「二重サッシ」と呼ばれることもあります。
二重窓リフォームは、主に断熱性を高めることを目的として行われることが多い方法です。

二重窓リフォームは戸建てはもちろん、マンションでも多く取り入れられています。
マンションでは窓が共用部分になるため窓自体を替えることができないのが一般的ですが、内窓を取り付けて二重窓にするリフォームであれば可能なことが多いためです。

複層ガラスとの違い

二重窓(内窓)と混同されやすいのが「複層ガラス(ペアガラス)」です。
近年人気の複層ガラス(ペアガラス)は、2枚のガラスを一体化した窓ガラスのことを指します。
現在、戸建てを新築する際にはこの複層ガラスがよく使われています。

一方で、二重窓はサッシ自体を2つ設けることが特徴です。
つまり二重窓は窓のタイプのことをいい、複層ガラス(ペアガラス)はガラスそのものを指す言葉です。

二重窓(内窓)リフォームのメリット

二重窓のメリットというと断熱性能の向上が代表的ですが、それだけではありません。
二重窓(内窓)リフォームの代表的なメリットを整理しておきましょう。

  • 断熱性が向上し夏涼しく冬暖かい住まいに
  • エアコンの効きが良くなり省エネになる
  • 結露やカビ防止になる
  • 防音効果が期待できる
  • 防犯対策になる
  • 工事期間が短い

以下に詳しく解説します。

断熱性が向上し夏涼しく冬暖かい住まいに

二重窓リフォームの最も大きなメリットが、断熱性の向上です。
窓は熱の出入りが多く、外気温の影響を受ける大きな原因となります。

二重窓にすることによって既存の窓と新設された内窓の間の空気層が断熱性能を作り出し、夏は涼しく冬は暖かい住まいが実現します。
既存の窓枠の内側にサイズぴったりに施工することによって、気密性を高め、断熱性向上の役目を果たすことも期待できます。

さらに、最近ではサッシの機能向上も見逃せないところです。
内窓のサッシ枠のほとんどが熱伝導率の低い樹脂製となっているため、熱を伝えやすい金属製のサッシ枠と比較して高い断熱効果が実感できるでしょう。

エアコンの効きが良くなり省エネになる

すでにご紹介したとおり、二重窓リフォームは家の断熱性能をアップさせます。
その結果として外気温の変化の影響を受けにくくなり、クーラーや暖房機器の効きがよくなります。
暮らしやすさや快適さを感じられるほか、省エネ対策につながり電気代・光熱費が下がるなどの嬉しい効果があります。
また、環境にも優しいことから、時流にも合ったリフォームと言えるでしょう。

結露やカビ防止になる

二重窓のリフォームで断熱性を高めることで、窓周辺の温度差を緩和し、結露の発生を抑制することも可能です。
結露の発生は、毎朝の窓ふきの手間がかかる以外にも、カビやダニの原因につながり、住宅の劣化や健康被害にもつながってしまいます。
二重窓にすることによって結露が完全になくなるわけではありませんが、断熱性が高まることによって発生しにくくなることは確かです。

防音効果が期待できる

窓は壁や屋根の部分と比較すると防音性が低く、部屋内外の音を伝えやすい部分です。
二重窓によって室内の気密性を上げることで、音の伝わりを減らすことも可能となります。
周辺の生活音が気になる方や、逆に音を外に伝えたくない方にとっても、メリットのあるリフォームと言えるでしょう。

防犯対策になる

防犯対策をメインの目的として、二重窓の設置を検討するケースもあります。
防犯対策では「侵入にかかる手間を増やす」ことがセオリーとされています。
二重窓を設置することによって侵入者は2回ガラスを割る必要があることから、有効な対策と考えられます。
なお、二重窓にするだけではなく、防犯対策向けのガラスを選ぶとさらに効果が期待できるでしょう。

工事期間が短い

二重窓のリフォームは、工事期間が短いことも魅力です。
工事時間の目安は、窓1カ所あたり30分~1時間程度です。複数の箇所を同時施工する場合でも、半日~1日で完了します。

なお、二重窓の工事をするなら、家全体の窓をリフォームするか、少なくとも1階全体、2階全体などワンフロア全体を同時に施工するのがおすすめです。
窓を全体的にリフォームすることで、断熱性や気密性向上の効果をより実感することができます。

二重窓(内窓)のデメリット

ただし、二重窓(内窓)を設置するリフォームには、以下のとおりデメリットもあります。

  • 窓の開け閉めが面倒
  • 空間がやや狭く感じる
  • 掃除の手間がかかる
  • すべての窓に設置できるわけではない

リフォームを検討する際には、これらの点をあらかじめ理解しておくことが大切です。
以下に詳しく説明しましょう。

窓の開け閉めが面倒

まず、二重窓は窓が2つあり、サッシも2つある状態となるため、窓の開閉の手間が2倍になります。
普段、あまり開閉をしない窓であれば手間も気になりませんが、洗濯物を干す際に出入りする窓、換気する際に開け閉めする窓など、開閉する機会はその窓によって異なります。
もし開閉する機会が多い窓をリフォームする場合は、デメリットについてもご家庭で話し合っておく必要があるでしょう。

空間がやや狭く感じる

二重窓リフォームを行うと、内窓を追加することになるため、室内に数cm程度の出っ張り部分が生じます。
広い部屋の場合はそれほど気にならないかもしれませんが、元々狭い部屋に設置する場合や、長く住んだ家に設置するときには、以前より狭く感じてしまう可能性があります。
狭さや圧迫感はサッシの色やデザインで解消できる部分もあるため、不安な方は事前にリフォーム会社に相談し、空間が狭く見えない色や形を選びましょう。

掃除の手間がかかる

二重窓は窓ふきやサッシの掃除の手間も単純に2倍となります。
特に、窓と窓の間のガラスの掃除や、外側の窓の室内側に発生した結露の掃除は面倒に感じやすいポイントです。
ストレスなくやっていけるか、窓の数や掃除のしやすさも考えて判断しましょう。

すべての窓に設置できるわけではない

二重窓は、すべての窓に設置できるわけではありません。
具体的には、上げ下げ窓や内倒し窓、天窓などへの設置はできません。

設置可能な窓でも、二重窓を設置するには窓枠の奥行きが必要になります。
窓枠の奥行きが足りない場合には、もともとの窓枠に「ふかし枠」と呼ばれる部材を追加して設置する必要があり、見た目の印象も変わってきますので注意しましょう。

二重窓(内窓)の費用相場

二重窓(内窓)のリフォームを考えるとき、費用相場についても気になるところではないでしょうか。
リフォームにかかる費用は、基本的に工事費+商品代となり、相場は以下が目安です。

・内窓の設置 :8~15万円/1ヶ所あたり
・小さいサイズの内窓設置(腰高窓やキッチンの小窓など):4~6万円/ 1ヶ所あたり

上記はあくまで相場となり、高性能なサッシや窓ガラスを採用する場合には30万円近くかかることもあります。
選ぶ商品やデザインによって費用は大きく変わってきますので、予算に合わせて適した窓ガラスやデザインを選ぶことが大切です。

実際にいくらかかるのか気になる場合は、まずはリフォーム会社に見積もりを依頼してみるとよいでしょう。

二重窓(内窓)の設置に使える補助金

二重窓(内窓)のリフォームは省エネにつながるため、国や多くの自治体で補助金が用意されています。
2024年5月現在の主な補助金で、全国共通のものは以下のとおりです。

  • 先進的窓リノベ2024事業
  • 子育てエコホーム支援事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
  • 次世代省エネ建材実証支援事業

このほか、自治体でも独自の補助金制度が用意されているケースがあります。
補助金を受けるためには決められた要件をクリアする必要があります。
どのような制度があり、必要な条件は何か、詳しくはお住まいの自治体や、施工を依頼するリフォーム業者に確認してみましょう。

二重窓(内窓)に使われる窓の種類

二重窓(内窓)のリフォームでは、窓の種類によって費用や効果が変わってきます。
どのようなリフォームがしたいのか、予算はどの程度か、事前に整理しておくとスムーズに進めることができます。

単板ガラス(一枚ガラス)

単板ガラス(一枚ガラス)とは、特に機能を持たない一枚のガラスを指し、いわゆる通常の板ガラスのことをいいます。
以前はこの単板ガラスが基本のガラスでしたが、複層ガラスが登場したことによって区別して呼ばれるようになりました。

断熱性能や防犯性能、結露抑制効果を目的として二重窓のリフォームを行う場合には効果があまり期待できないため、使用する場合には注意が必要です。

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラス(ペアガラス)とは、複数のガラスによって構成され、ガラスとガラスの間に空気層があるタイプのガラスを指します。
ガラス間に空気層があることにより断熱効果を発揮するため、断熱性能、結露抑制効果を目的としたリフォームでは効果が期待できるでしょう。
一方で、防音効果は騒音の種類により限定的で、あまり期待できないケースがある点も押さえておく必要があります。

高断熱複層ガラス(Low-Eガラス)

高断熱複層ガラス(Low-Eガラス)は、複数枚のガラスで構成されている点は複層ガラスと同じです。
異なる点は、室内側のガラスに、特殊金属膜(Low-E金属膜)がコーティングされていることです。
この金属膜によって魔法瓶と似た構造となるため、一般的な複層ガラスより大きな断熱性能が期待できます。

合わせガラス

合わせガラスとは、ガラスとガラスの間に「中間膜」を挟み込んで圧着したガラスのことをいいます。
この中間膜の種類によって防犯、防音性能を有するため、用途に合わせて選ぶことで効果が得られます。

例えば、防音を目的とした場合は防音効果が高い特殊な中間膜を使用し、防犯を目的とした場合は割れにくく貫通しにくい中間膜を使用することによりガラスを割れにくくするなど、用途に合わせて選びます。
一方で、複層ガラスに期待されるような断熱性能、結露抑制効果を目的とする場合には効果が得られません。

二重窓(内窓)の設置はDIYでも可能?

住宅におけるDIYが人気の近年、二重窓(内窓)についてもDIYをお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
二重窓のリフォームには、DIYで作ることができる内窓のキットも販売されています。
ただし、断熱性を向上させるためには窓枠ぴったりに設置して気密性を高めることが重要です。
細かな採寸や作業が必要になるので、誰でも簡単にDIYできるわけではないことは押さえておきたいところです。

また、場合によってカーテンレールやカーテンボックスを外したり、窓枠のスペースを追加する作業も必要になります。
そのため、二重窓をDIYするなら寝室など人目につかないところにとどめるのがおすすめです。リビングなど目立つ部分はリフォーム会社に依頼しましょう。

二重窓(内窓)リフォームで快適な住まいを手に入れよう

今回ご紹介したように、二重窓(内窓)リフォームには、断熱性の向上や結露の防止などさまざまなメリットがあります。
デメリットも理解したうえで、正しく商品を選び、賢くリフォームすることで快適な住まいを手に入れましょう。

山根木材では二重窓(内窓)リフォームを数多く手掛けているため、商品選びや施工方法などを含め、ご家庭にあわせたご提案が可能です。気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

今なら「リフォームまるわかり大辞典」を無料進呈中です。お問い合わせ・資料請求は、下記お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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