リフォームをする際、どうしたら和室をおしゃれにできるのか悩む人は少なくありません。
いっそのこと和室をなくしてしまうか検討している人もいるでしょう。
そこで、和室のメリットとデメリットを押さえつつ、和室をおしゃれにリフォームするためのポイントを実例とともに紹介します。
和室リフォームの費用相場や注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
和室は残すべき?決める前に和室があるメリットを整理
リフォームをする際、和室を残すか洋室に変えるかは多くの人が悩むポイントです。
しかし、和室には洋室にはない良さもあります。リフォームをする前に、まずは和室のメリットを確認してみましょう。
いつでも気楽にごろ寝ができる
和室には、いつでも気軽にごろ寝ができるというメリットがあります。
疲れた時に横になりたくても、フローリングやラグだと抵抗感があるという人もいるでしょう。
ソファがあったとしても、家族がいると1人でソファを占領するわけにもいきません。
しかし、和室なら抵抗感なく気軽に横になれます。小さなお子さんのいるご家庭なら、おむつ交換スペースやお昼寝場所としても役立つでしょう。
ちょっとした家事をしやすい
和室の畳は適度に柔らかいため、座ってちょっとした家事をするのにも適しています。
座って洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりしても足が痛くなりにくく、畳んだりアイロンがけしたりした衣類を畳の上に置くのにも抵抗感がありません。
また、一般的に和室にはあまり家具を置かないため、スペースをとりがちな荷物の整理などにも使えます。旅行前後の荷造りや荷解き、衣替えの時などは特に便利でしょう。
来客時に布団を敷ける
家具が少なくさまざまな用途で使える和室は、来客用の部屋にもなります。
来客用のベッドがなくても和室なら布団を敷いて対応できるため、親戚や友人、子供の友人などが突然泊まることになっても安心です。
来客のないときは家族で使うなど臨機応変に使い方を変えられるので、「客室を用意したけれど来客が少なく持て余してしまう」ということも防げます。
将来的に親世代と同居することになった場合は親用の部屋にもなりますし、こたつを置けば居間としても使えるので、和室は洋室に比べて汎用性が高いといえます。
畳の癒し効果が得られる
畳に使われるい草は、脳をリラックスさせてくれます。
疲れた時や悩み事があるとき、和室にいれば癒されますし、家族でリラックスする時間を持つのにも役立ちます。
また、い草には湿気を吸収したり、水分を放出したりする効果もあるため、湿気の多い時期でも乾燥しやすい時期でも快適に過ごすことが可能です。
さらに、畳にはホコリやダイオキシン、ホルムアルデヒドなどを吸収する空気清浄効果もあります。
このように和室は、心身ともに安心して快適に過ごせる空間なのです。
畳の断熱効果が得られる
畳に使われるい草には断熱効果もあります。
冬でも足元が冷たくなりにくく、床に直接座っても体に冷たさが伝わりにくいため、寒い季節でも楽な姿勢で過ごせます。
洋室だと椅子やソファに座るなど安静時の体勢が限定されがちなので、どんな姿勢でも快適に過ごせる和室はほっと一息つける空間になるでしょう。
また、い草には断熱効果があるのに加え防音性もあるため、足音の騒音や冬のしもやけに関する心配も軽減されます。
こうした点から、小さなお子さんの遊び場にも最適です。
畳リフォームの種類や費用相場については、こちらをご覧ください。
今のままでは使いづらい……和室のデメリットとは
和室には汎用性の高さやリラックス効果、断熱効果や防音効果といったメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
リフォームの際にはメリットとデメリットを比較して、和室を残すか否か考えることがポイントです。
和室のデメリットにはどのようなものがあるのか、具体的に3点解説します。
畳や襖のメンテナンスが必要
和室の場合、定期的に畳や襖、障子、塗り壁のメンテナンスが必要になります。
たとえば畳の張り替えには、1枚につき約8,000〜20,000円程度かかります。
1枚の張り替えだけで済むことは少ないため、合計ではさらに費用がかかってしまいます。
洋室のフローリングであれば、素材にもよりますが長期間張り替えの必要がありません。
汚れを落としてワックスをかければ新品同様にもできるため、メンテナンスの手間・費用という面では和室のほうがデメリットが大きいといえます。
大きな家具を置きづらい
フローリングに比べて床が柔らかい和室には、大きな家具を置きにくいというデメリットもあります。
机やタンスなど重い家具を置くと、畳が凹んで跡が残ってしまうのです。
また、家具を移動させる際に畳が傷つくこともあるため、模様替えも慎重にしなければなりません。
ただし、大きな家具を置くことが少ないからこそ、スペースの汎用性が高いともいえます。
洋風のインテリアに合わない
和室のデメリットとして、洋風のインテリアに合わない点も挙げられます。
フローリングの洋室ならどんなインテリアも馴染みやすいため、自分好みの部屋に仕上げやすくなります。
しかし、和室の場合は和のイメージが強くなるため、家全体のイメージに合わせにくいことが考えられます。
ただし、このあと紹介するリフォーム方法なら、洋風のインテリアにも合うモダンな和室を作ることが可能です。
実例で紹介!和室をおしゃれにリフォームする方法6選
続いて、和室を現代的でおしゃれな空間にリフォームするアイディアを実例とともに紹介します。
一口に和室といっても工夫次第で印象はがらりと変わります。
どのような和室なら自分の好みや家全体の印象と合うのかイメージしながら見てみてください。
①アクセントクロスで華やかに
土壁や砂壁を使うことが多い和室ですが、リフォームを機にクロスや塗り壁に変えることもできます。そのとき、部分的に色や柄の入ったアクセントクロスを使用することで、空間がぐっとモダンな雰囲気になり、洋風のインテリアにも馴染みやすくなります。
こちらの実例では、紅葉柄のアクセントクロスを取り入れることで、和室がモダンで華やかな印象に。鮮やかでありながら、大人っぽくシックな柄が和の雰囲気に合っています。
最近ではおしゃれな襖も多く用意されているので、好みに合う色や柄を選んでみると良いでしょう。
②縁なし畳と板張り天井で清潔感漂う和空間へ
和室はできるだけシンプルな空間にしたいという場合、畳の種類にこだわることで、さりげなくおしゃれな印象を演出できます。
こちらの実例では、縁なしの正方形の畳を使うことで爽やかな和室に。白のクロスを使うことで、さらに清涼感のある空間に仕上がっています。
全体的にモダンな印象になるため、ちゃぶ台のようなローテーブルを置いても古い印象になりません。ポップな色合いの子供のおもちゃとも馴染みやすいので、小さな子供の遊び部屋としても使いやすくなります。
和室特有の古っぽさ、堅さを解消したい場合は、このように畳の種類にもこだわることがおすすめです。
③引き戸で仕切ったリビングと一体感のある和室
リビングと和室を隣同士に配置し、洋風にも和風にも合う引き戸で仕切るスタイルもおすすめです。
引き戸を開けばリビングと和室が一体になるため空間を広々と使えますし、来客時には引き戸を閉めることで、和室を個室として独立させることが可能です。
実例のようにクロスや畳にこだわり、モダンな和室にすると、引き戸を開いて洋風のリビングと一体になっても違和感がありません。
リビングのソファでくつろぎながら、滑りにくく座っても冷たくない和室で遊ぶ子どもを見守りたいときにも便利です。
④板張り×畳で和洋折衷の居心地の良い和室に
畳のスペースは欲しいけれど和室まではいらないという場合は、フローリングの一部を畳にするという方法もあります。フローリング部分に家具を置きやすいため和室の良さと洋室の良さをどちらも得られます。
こちらの二世帯住宅の実例では、お父様の「座卓でくつろぎたい」というご要望から、リビングの床に昔ながらの板目を活かした浮造り加工の床材を採用。子世帯によるモダンなインテリアにも馴染む、家族皆がくつろげるリビングとなっています。
⑤腰掛けとしても使える小上がりを導入
フローリングのリビングに、小上がりの畳コーナーを設けるリフォームもおすすめです。
こちらの実例では、ビルのワンフロア空間をこだわりの住居に一新。広いLDKの一角に、くつろぎの空間として小上がりの畳コーナーを導入しています。
小上がりにすることで扉をつけなくても空間を緩やかに区切ることができ、段差部分をリビング収納として利用できます。ソファのように小上がりに腰掛けることができるのも便利です。
⑥純和風から和モダンの明るい空間に
純和風な雰囲気は好きなものの、古くなって劣化した部分はリフォームしたいということもあるでしょう。その場合、和の雰囲気を残しつつ、部屋全体の色合いや間接照明をアレンジすることがおすすめです。
実例では、築46年の純和風の和室をリフォーム。畳や障子、壁を一新するとともに、柱の塗り替えを行うことで、リラックスできる和モダンの空間に仕上げています。
和室のリフォームにかかる費用
和室のリフォームにかかる費用は、6〜8畳を想定すると次の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
畳からフローリングへの変更 | 10~35万円 |
壁・天井のクロスの張り替え | 10~20万円 |
押し入れからクローゼットへの変更 | 10~50万円 |
襖や障子をドアや窓に変更 | 5~20万円 |
たとえば6〜8畳の和室を洋室にリノベーションする場合、費用は50万〜100万円程度です。
和室の一部を活かして和モダンな空間にリフォームするなら、洋室へのリノベーションに比べて工事の規模が小さくなるため、30万〜70万円程度に収まることもあります。
ただし、フローリングの素材やクロスの種類、断熱材や防音材の有無によっても費用は大きく変わるため、リフォーム会社に相談してみましょう。
和室を洋室にするリフォームについては、こちらをご覧ください。
和室をリフォームする際の注意点
和室を洋室にリフォームする場合、フローリングと畳の断熱性などの違いを意識する必要があります。
また、和室は洋室に比べてメンテナンスに手間や費用がかかりやすいのが特徴ですが、いくつかの注意点を押さえてリフォームすることで長く快適に使うことができます。
畳をフローリングにするときは断熱材や防音材の必要性を検討する
畳をフローリングにする場合は、断熱材や防音材の導入も検討しましょう。
畳には断熱効果や防音効果がありますが、フローリングにはそうした効果がありません。
何も対策せずフローリングに張り替えると、「思っていたより寒い」「下の階に響く音が気になるようになった」ということが発生する可能性があります。
気づいていなかっただけで実は和室の恩恵を受けていたというケースは珍しくないため、畳からフローリングに変える場合は、断熱や防音対策の必要がないか、リフォーム会社に相談しておくと安心です。
耐久性が高い畳を選ぶ
和室を残してリフォームする場合は、耐久性の高い畳を選びましょう。
特に小さなお子さんやペットがいる場合、畳の上を走るなどして畳の劣化が早まりやすくなります。
予想以上にメンテナンスに手間や費用がかかることがあるため、丈夫な畳をご検討ください。
たとえば、い草を使わない和紙畳は耐久性が高くお手入れが楽にできます。
調湿効果や香りなどい草ならではのメリットは得られませんが、劣化の心配が軽減される点やデザイン性の高い畳が多い点はメリットです。
また、和室は障子のメンテナンスが大変というイメージがありますが、最近は和の雰囲気は保ちながら、プラスチック製で簡単には破れないものも販売されています。
床の高さを揃える
洋室に畳を入れる場合は、床の高さにも注意しましょう。
一般的に畳には厚みがあるため、フローリングにそのまま畳を入れると廊下など他の部分の床と段差が生じてしまいます。
段差があると小さい子供や高齢者がつまずいてしまい、怪我の原因となるリスクがあるだけでなく、お掃除ロボットも使いにくくなります。
なるべく薄い畳を選び、他の部分との段差が小さくなるよう工夫してみてください。
和洋の良いところを取り入れておしゃれな和室にリフォームしよう
和室リフォームには、純和風な雰囲気をそのまま残す方法もありますが、和室と洋室の良いところを融合させる方法もあります。
和モダンな和室や畳コーナーであれば、洋風のインテリアとも馴染みやすくなります。
山根木材では、将来のメンテナンスのことも考慮しながら利便性・汎用性の高い和室リフォームをご提案しています。おしゃれな和室にリフォームしたいという方は、ぜひご相談ください。
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