トイレは窓ありと窓なしどっちが良い?メリット・デメリットや費用を解説

  • 作成日:2024/10/31
  • 更新日:2024/10/31
  • 編集者:山根木材メディア編集部
トイレは窓ありと窓なしどっちが良い?メリット・デメリットや費用を解説

新築やリフォームでトイレのデザインを考える際、窓をつけない選択をする方が多くなっています。
窓のないトイレには防犯性やコスト、デザイン性の面でメリットがありますが、窓のあるトイレにもメリットはあるので事前にしっかり比較・検討することが重要です。

そこで今回は、窓あり・窓なしトイレのメリット・デメリットや、リフォームで窓をつけたりなくしたりする場合の費用を詳しく解説します。

窓ありのトイレのメリット

白を基調としたナチュラルテイストの窓ありトイレ

まずは、トイレに窓をつけるメリットとして以下の3点を解説します。

  • 開放感が生まれる
  • 明るい空間になる
  • 換気ができる

数としては多くありませんが、いずれも窓がなければ得られない重要なメリットばかりです。
詳しく確認していきましょう。

開放感が生まれる

トイレに窓をつけると、開放感が生まれます。
トイレはその他の部屋とは違い、狭く四方を壁やドアに囲まれています。
使用時はドアを締め切るため、圧迫感や閉塞感を感じる方も多いでしょう。

しかし、トイレに窓があれば外の景色が見えるため、狭さは同じでも視覚的に開放感が生まれ、空間が広く感じられるのです。
窮屈な印象が改善され、リラックスしやすい空間になることも期待できます。

明るい空間になる

トイレに窓がついていると、外の光が入ってくるため明るい空間になります。
窓の大きさや位置にもよりますが、光が入ることで日中は電気をつけなくても十分な明るさになることもあり、電気代の節約にも効果的です。
家族が多く頻繁にトイレの電気をつけるご家庭や、ついトイレの電気を消し忘れてしまう人などには特に嬉しい効果といえます。

また、万が一停電になった場合でも、窓があれば昼の間は問題なくトイレを使えます。

換気ができる

トイレに窓があると、換気しやすくなり外の新鮮な空気を取り込めるようになります。
トイレには換気機能がついていることも多いですが、それでも何となく空気のこもった感じがしたり、匂いが気になったりする場合も多いです。

しかし、トイレの窓を開けておけばそうした不快感を和らげられます。
また、トイレ掃除の時に窓を開けておくと、空気が入れ替わり気持ちよく掃除ができるようにもなります。

窓ありのトイレのデメリット

窓ありのトイレには、以下のようなデメリットもあります。

  • 防犯面の不安がある
  • 窓だけで換気できるわけではない
  • 設置費用がかかる
  • 断熱性が低くなる
  • 掃除の手間が増える

それぞれについて見ていきましょう。

防犯面の不安がある

トイレに窓をつけると、外出前や寝る前に戸締りしなければならない部分が多くなります。
トイレの窓を開けていたことを忘れて外出したり寝たりしてしまうと、不審者の侵入につながる可能性があります。

小さい窓でも、開けていると隙間からののぞきが不安という方もいるでしょう。
こうした防犯面が気にかかる場合は、格子をつけたりルーバー目隠しをつけたりといった対策がおすすめです。

窓だけで換気できるわけではない

トイレに窓をつければ換気しやすくなりますが、単に窓を開けるだけでは十分な換気はできません。
しっかり換気をしてトイレの空気を入れ替えるには、空気の通り道が必要です。
トイレに加え、トイレ付近の廊下などにも窓をつけたり、換気時には別の部屋の窓やドアも開けたりといった工夫もしてみましょう。
さらに、サーキュレーターや扇風機で空気が流れやすくなるようにすると効果的です。

設置費用がかかる

新築でトイレの窓をつけたい場合、その分設置費用がかかります。
窓の大きさやデザイン、面格子の有無などによっても費用は変動しますが、最低でも数万円はプラスでかかってしまいます。

ただし、明るく風通しの良いトイレは生活の満足度にも影響します。
そうした点も踏まえて、トイレに窓をつけるメリットと費用とを比べ窓の必要性を検討したり、なるべく費用を抑えられるように施工会社と相談したりすることがおすすめです。

断熱性が低くなる

トイレに窓をつけると、断熱性が低くなり、夏は暑く冬は寒くなる可能性があります。
窓は熱の出入りが最も多い場所です。
夏や冬に窓を開けていると、生暖かい空気や冷たい空気が入ってきやすくなります。

窓を閉めていても、日の光でトイレ内が暑くなったり、窓が冷えてトイレ内も寒くなったりしがちです。
トイレを適温に保つという意味では、窓がないほうが快適に過ごしやすいといえます。

窓掃除の手間が増える

トイレに窓があると、掃除の手間が増えます。
通常のトイレ掃除に加えて、窓枠やガラス、サッシのレールも掃除しなければならないからです。

また、冬にはガラスやサッシに結露が発生しがちです。
水を拭き取る作業をせずにいると窓周りにカビが生え、カビ取りが必要になることもあります。
窓の位置によっては手が届きにくく、より掃除が大変だと感じることもあるでしょう。

窓なしのトイレのメリット

窓なしのトイレルーム

続いて、近年人気が高まりつつある窓なしのトイレのメリットとして、以下を解説していきます。

  • デザインにこだわりやすい
  • トイレの暑い・寒いが軽減する
  • 防犯性が高く安心できる
  • コストを抑えられる

デザインにこだわりやすい

窓なしのトイレには、デザインにこだわりやすいというメリットがあります。
例えば壁紙などにこだわっても、窓のデザインによっては雰囲気がちぐはぐになることがあります。
しかし、理想の雰囲気に合わせて窓を選ぼうと思うと費用がかかるケースも珍しくありません。

その点、窓がなければ壁紙だけでもトイレの雰囲気を簡単に変えられます。
また、例えば間接照明でリラックスした雰囲気を出したい場合、明るさは必要ないためそもそも窓は必要ありません。

トイレの暑い・寒いが軽減する

窓がないトイレは四方が壁やドアに囲まれるため、機密性と断熱性が高くなります。
家の外の気温に影響されにくくなるため、夏に日差しでトイレが暑くなる、冬にトイレが寒いと言った問題を回避しやすくなるのです。

窓がないトイレなら、日差しで壁紙の一部が劣化したり、冬に結露やカビが生じるといった心配もありません。

防犯性が高く安心できる

窓にトイレがなければ、そこから侵入者が入ることものぞきに遭うこともないため、防犯性の面でも安心です。
外出時に「トイレの窓を閉め忘れたかも」と不安になることもありません。

トイレの防犯対策としては格子やルーバー目隠しなどがありますが、そうした対策をしても、窓があると何となく人目が気になって落ち着かないという方もいます。
しかし、そもそも窓がなければ完全に人目をシャットアウトできるので、安心してリラックスできます。

コストを抑えられる

新築でトイレに窓をつける場合や、もともと窓のないトイレに新たに窓をつける場合は費用がかかりますが、窓をつけなければそうしたコストはかかりません。
窓の必要性をそれほど感じないのであれば、無理に窓をつけないほうがコスト削減になって良いという考え方もあります。
ただし、もともと窓があるトイレから窓のないトイレにリフォームするためにはコストがかかるのでご注意ください。

窓なしのトイレのデメリット

窓なしのトイレのデメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 自然光が入らない
  • 換気システムが必要
  • 空間が狭く感じられる

こうしたデメリットについても、しっかり確認していきましょう。

自然光が入らない

窓のないトイレでは、外からの自然光が入りません。
昼でも暗くなるので、使用時は電気をつける必要があり電気代がかかります。

トイレに窓がある場合よりも電気をよく使うため、電気が切れやすく買い替え費用や付け替えの手間がかかる点もデメリットです。
また、台風や地震などで停電になった場合はトイレ内が真っ暗なので、懐中電灯などを用意しておく必要があります。

換気システムが必要

窓のないトイレは空気や匂いが滞りやすくなります。
特に換気システムがない古い家では換気システムを導入する必要があり、窓を作らないことでコストを削減したとしても、結果的に費用がかかります。

一方、最近の家は24時間換気システムが義務化されています。
一般住宅では3種換気というものが多く、この換気システムでは窓を開けると外気とともに埃や花粉が侵入しがちです。
換気することが目的なら、窓を作るよりも換気システムを活用したほうが良いでしょう。

空間が狭く感じられる

トイレに窓がないと、狭い空間で四方を壁やドアに囲まれるため、圧迫感や閉塞感が生じがちです。
おしゃれなデザインにしたとしても、閉塞感が気になりリラックスできない可能性もあります。

ただし、間接照明を取り付けたり、壁のカラーを工夫したりすることで、閉塞感を和らげることも可能です。
施工会社やリフォーム会社と相談して、窓がなくても狭さを感じないデザインを検討してみましょう。

リフォームでトイレの窓を塞ぐ費用

豚の貯金箱の手前にリフォーム工具が置かれている

リフォームで窓ありのトイレから窓なしのトイレにするための費用は、約10万〜30万円程度です。
基本的には窓なしのトイレに窓を作る場合と同じくらいの金額です。
工事にかかる期間は2〜5日程度ですが、費用も工期も使用されている外壁や室内仕上げ、窓の大きさによって変わります。

リフォーム会社によって異なる場合もあるので、複数社に問い合わせてみることがおすすめです。
なお、窓を撤去した部分をどう仕上げるかもリフォーム会社により違うことがあります。
この点も合わせて確認してみましょう。

リフォームでトイレに窓をつける費用

窓なしのトイレにリフォームで窓をつける場合は、約10万〜20万円の費用がかかります。
工期は2〜5日程度です。
ただし、窓の種類や大きさによっても費用は変わりますし、防犯のために格子をつけたり断熱性能のある窓を取り付けたりする場合は特に、費用が増加しがちです。

また、壁内に筋交いなどの構造体があると、窓を作れないことがあります。
筋交いは建物の耐震性を保つために必要なもので、撤去できません。

おすすめのトイレの窓のタイプ

一口に窓といっても、さまざまなタイプがあります。
トイレの窓としておすすめのタイプは次のとおりです。

  • 縦すべり出し窓
  • 横すべり出し窓
  • ルーバー窓
  • FIX窓

それぞれの特徴を解説します。

縦すべり出し窓

縦すべり出し窓が特徴的なトイレルーム

縦すべり出し窓とは、窓の縦の辺を回転軸にして、室外側に窓がすべり出すようにして開くタイプです。
家の外にガラスが飛び出すので外壁と並行に吹く風を捉えやすく、風の向きに関係なく効率よく風を取り込めます。

また、開口部が狭いため外からの目線や不審者の侵入のリスクも少なく、安心です。
ただし、強風の日に窓を開けっぱなしにしていると、ガラスが風に煽られることがあるので注意しましょう。

横すべり出し窓

横すべり出し窓

横すべり出し窓は、窓の上の辺を回転軸にして、室外側に窓がすべり出すように開くタイプです。
縦すべり出し窓と同様トイレにもよく採用されるタイプで、窓を開くとガラス面が屋根のようになるため、雨が入ってきにくい点がメリットです。
また、下から覗き込むようにしないと外から中が見えないためのぞきのリスクが低いこと、ルーバー窓より機密性が高く寒くなりにくいこともメリットとして挙げられます。

ルーバー窓

ルーバー窓

ルーバー窓は複数枚のガラスの羽で構成された窓で、ブラインドのように羽の角度を変えることで開閉するタイプです。
半透明のデザインが多く、外からの視線を遮りながらも光を入れられる点や、少し窓を開ける程度なら雨の日でもトイレに雨水が入りにくい点がポイントです。
また、複数ある羽のうち1枚だけの交換も可能なので、窓の一部に傷やヒビが入ったとしても窓全体を交換する必要がなく、費用を抑えられます。

FIX窓

グラスが2つ置かれているFIX窓

FIX窓は「はめ殺し窓」ともいわれる窓で、壁に窓をはめ込んだタイプです。
開閉できないため防犯性に優れています。
FIX窓は四角だけでなく丸や細長いスリット型など比較的柔軟なデザインが可能です。

「インテリア性を高めたい」「外光を取り入れてトイレを明るくしたい」といった希望があり、窓を使っての換気は重視しないという場合に採用されることが多いです。

窓のあるトイレの実例

最後に、実際に山根木材が施工した窓ありのトイレの実例を紹介します。
窓以外にもお客様のご要望やライフスタイルに合わせた工夫をしているので、ぜひ参考にしてみてください。

明るく清潔感が漂う白いトイレ

木目調の収納棚が特徴的なナチュラルテイストのトイレルーム

トイレの扉を開けると正面に窓があり、明るさを存分に感じられるトイレです。
窓があることで開放的な雰囲気になり、閉塞感が和らげられています。

自然光がしっかり入るうえ、窓枠やトイレットペーパーホルダーなどに木材を使うことで、ナチュラルで清潔感漂う空間となりました。
また、抗菌効果や脱臭効果のある「マーモリウム」を用い、トイレの快適さをさらにアップさせています。

防犯面に配慮した採光に適したトイレ窓

高い位置に設置された窓が特徴的なトイレルーム

こちらは、防犯性を高めつつもしっかり外の光が入るように施工したトイレの実例です。
採用したのは横滑り出し窓です。高い位置に配置することで外光がしっかり入るようになっているうえ、不審者の侵入やのぞきを防いでいます。
全体的にシンプルで清潔感のあるトイレですが、窓がアクセントにもなっており、おしゃれな雰囲気も演出されています。

ホテルライクな雰囲気を演出するスリット窓

細長いスリット窓が特徴的なホテルライクなトイレルーム

こちらの実例では、縦に細長いスリット窓を採用することで、効果的に外光を取り込みながらデザイン性も高めています。
スリット窓に加えて木目の天井や間接照明、デザイン性のある手洗い器を採用し、アクセントとして黒色を取り入れることで、おしゃれで落ち着いたホテルライクな雰囲気になっています。

窓のないトイレの実例

続いて、山根木材が手がけた窓のないトイレの実例も紹介します。
窓のないトイレでは、外から光が入らない分、どう明るさを補うかが重要です。
こうした照明計画も参考にしてみてください。

間接照明でリラックスした雰囲気に

間接照明がおしゃれなトイレルーム

こちらは、間接照明でおしゃれに明るさを補い、リラックスした雰囲気を演出した実例です。
間接照明の部分や便座後方の棚の部分で壁に凹凸を作り、間接照明により陰影が生まれるようにすることで、窓がなくても奥行きが感じられ、閉塞感が緩和されています。
窓がないことでプライベート感が増し、一層落ち着ける空間になっています。

質感の違いで変化をもたせたシンプルトイレ

質感が異なる白い壁が特徴的な清潔感のあるトイレルーム

こちらの実例では、トイレをほとんど白で統一しています。
これにより、窓がなくても明るく清潔感のある空間に仕上がりました。

さらに、同じ白でも床や壁で質感を変え、シンプルながらもデザイン性が感じられるようにもなっています。
なお、窓がないトイレの場合は、換気扇を新設することも可能です。換気が気になる方はお気軽にご相談ください。

機能やデザインからトイレの窓のあるなしを決めよう

以前は窓があることが当たり前だったトイレですが、最近は窓のないトイレも増えています。
しかし、窓のあるトイレにもないトイレにも、それぞれメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルやご自宅の雰囲気などに合った選択をしましょう。
山根木材では、トイレのリフォームも承っております。トイレのリフォームに興味がある場合は、お気軽にご相談ください。

※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

山根木材リモデリングウェブサイト

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