お風呂(ユニットバス)の設置やリフォームを検討する際、どのサイズを選べばいいのか悩むところではないでしょうか。
お風呂(ユニットバス)のサイズは、大きければいいというわけでもなく、設置する間取りやライフスタイルによって最適なサイズは変わってきます。
この記事では、一般的なサイズやライフスタイル別のおすすめのサイズ、浴室のサイズの選び方などを詳しくご紹介します。
お風呂(ユニットバス)のサイズについての基本知識
まずは、お風呂(ユニットバス)のサイズ表記についてご紹介しましょう。
一般的には、浴室の広さは坪数、ユニットバスのサイズは4桁の数字で表されます。
それぞれのサイズの見方について、以下に詳しく説明します。
浴室のサイズを表す坪数は4パターン
ユニットバスは既製品のため、一定の規格があります。
そのサイズにはマンション用と戸建て用があり、種類は約20種ほど。
マンション用は縦長のサイズが多いなどの違いがあります。
ユニットバスの浴室の広さは坪数で表されることが一般的で、0.75坪、1坪、1.25坪、1.5坪の4タイプが標準。
1坪の広さは約2畳分で3.3㎡平米となるため、1.5坪は約4.95平米となります。
ユニットバスのサイズは4桁で表記
ユニットバスの寸法は、基本的に「1216」「1616」「1620」など4桁の数字で表されることが一般的です。
これは浴室の内径の幅×奥行を4桁で表したもので、例えば「1216」の場合は内径の幅120cm×奥行160cmのサイズ。
全メーカーで統一された表記となります。
ユニットバスの壁には厚さがあるため、実際にサイズを合わせる際はギリギリにならないよう要注意。
例えば浴室サイズが1坪(182cm×182cm)であれば、そこに合うユニットバスは一回り小さい「1616」や「1717」サイズとなります。
主なユニットバスのサイズと戸建て向け・マンション向けの区分は以下のようになります。
ユニットバスのサイズ | 坪数 | 戸建て・マンション |
1216 | 0.75坪 | 戸建て・マンション |
1317 | ||
1418 | マンション | |
1616 | 1坪 | 戸建て・マンション |
1717 | ||
1618 | 1.25坪 | |
1620 | ||
1624 | 1.5坪 | 戸建て |
1818 |
お風呂(ユニットバス)のサイズの測り方
お風呂(ユニットバス)を検討する段階で、いま使っているユニットバスのサイズやショールームの商品のサイズを測ってみたいと思うこともあるかもしれません。
基本的には内径の寸法を計測するだけでサイズがわかりますので、初めてでも難しくない作業です。
サイズは、浴槽や洗い場を含めた浴室内の内径寸法を測ることで算出できます。
浴室内の向かい合わせの壁から壁までを縦横ともに計測すればOK。
サイズを知りたくなったときには参考にしてみてください。
リフォームでお風呂のサイズを変更できる?
リフォームで浴室のサイズを変更したいという方は多いのではないでしょうか。
少し広く快適に、というリフォームプランを立てることは数多くあります。
まず、築年数が経過した自宅をリフォームする場合、新しいユニットバスに交換するだけでサイズアップにつながる場合があります。
以前はユニットバスのサイズが限られていましたが、現在は一昔前と比較してサイズが充実しているため、ちょうどよいサイズが見つかればそれだけでサイズアップが可能です。
また、パーツの組み方や配管の工夫によって、浴室のサイズを上げられるようになっているユニットバスもあります。
もう少し大がかりにできるなら、壁をなくしたり、間取りを変更したりすることでサイズアップすることは可能となるため、まずはリフォーム会社へ相談してみるとよいでしょう。
お風呂(ユニットバス)のサイズの選び方
お風呂のリフォームで「少し広くしたい」という希望はあっても、具体的にどのようなサイズを選ぶべきかは迷いやすいポイントです。
ここでは、お風呂(ユニットバス)のサイズの選び方のポイントをご紹介します。
浴槽のサイズで決める
まずは、浴槽のサイズで決める方法です。
浴槽の奥行きは大きな違いが少ないため、大きさは横幅で決まります。目安としては以下のとおりです。
- 100cm以下:ほとんどの人が足を伸ばすことは難しい広さ
- 100~130cm:身長160cm以下の人がゆっくり入れる広さ
- 140cm:身長180cm程度の人が少し膝を曲げて入れる広さ
- 160cm以上:親子でも快適に入ることができ、一人なら誰でも膝を伸ばして入ることができる広さ
なお、奥行きが広い場合もあり、10~20cmほど長いワイドタイプもあります。ワイドタイプの浴槽は広々と使うことができ、親子で入浴するのにも最適です。
洗い場のサイズで決める
すでにご紹介したとおりユニットバスの浴槽の奥行きは大きな違いがないため、坪数によって変わってくるのは洗い場の広さです。
以下に目安をご紹介しましょう。
- 1坪:1人での入浴には十分な広さ
- 1.25坪:親子での入浴や介護にも便利な広さ
なお、洗い場が広いとゆったり使うことができ、家族での入浴や介護を考えると安心ですが、その一方で掃除の手間がかかり、外気温の影響を受けやすくなることにも注意が必要です。
また、お風呂を広くとると、そのぶん周辺の間取りに影響が出る場合もあります。
戸建て・マンションで一般的なお風呂(ユニットバス)のサイズ
サイズ選びに迷った場合は「一般的なサイズを選んでおく」というのも一つの方法です。
ここでは、戸建て、マンションそれぞれの一般的なお風呂(ユニットバス)のサイズをご紹介しましょう。
戸建て住宅の標準的なお風呂(ユニットバス)のサイズ
戸建ての標準的なお風呂(ユニットバス)のサイズは「1216サイズ(0.75坪)」や「1616サイズ(1.0坪)」となります。
特に多いのは「1616サイズ(1.0坪)」のサイズ。
狭すぎずゆったり使うことができ、広すぎて周辺の間取りに影響を与えることのない「ちょうどよさ」が人気の理由です。
浴槽のサイズはいずれも十分足を伸ばせるサイズで、ゆったりと使うことができるでしょう。
マンションの標準的なお風呂(ユニットバス)のサイズ
マンションの標準的なお風呂(ユニットバス)のサイズとして、特に人気が高いのは「1418サイズ(0.75坪)」。
適度な広さの洗い場に身長160cm程度の人が足を伸ばせる浴槽と、使いやすいサイズ感が特徴的です。
少し広いマンションの場合、「1620サイズ(1.25坪)」などもよく使われる標準的なサイズとなります。
ライフスタイル別のおすすめのお風呂(ユニットバス)のサイズ
続いて、ライフスタイルにマッチした、おすすめのお風呂(ユニットバス)のサイズをご紹介します。
大人がひとりで入るのに適したサイズ
大人がひとりで入るのに適したサイズは、身長によっても異なります。
使うのがひとりであれば、身長にあわせて選ぶのも一つの方法でしょう。
どの身長の方でも足を伸ばしてゆったり入浴するには、浴槽の長さは150cm以上欲しいところです。
洗い場もゆったり使うことを考えると、1坪にあたる、1616サイズ以上のユニットバスを設置できるのが理想的といえます。
子どもや孫と入るのに適したサイズ
子どもや孫など、家族と一緒に入浴するなら洗い場が広いと使いやすく快適。
一般的に、複数人で使いたいときには1.25坪以上の広さが人気です。
サイズは1618・1620・1624・1818サイズなどがそれに対応しています。
浴槽の幅は、180cmあれば複数人でもゆったり入浴可能。
奥行きが10~20cmほど長いワイドタイプであれば、大人2人や親子で一緒に入浴するのにもちょうどよいでしょう。
また、子どもや孫と入ることを考えるなら、オプションで止水ボタン付きシャワーや出っ張りのない水栓金具、チャイルドロック付きのドアなどを検討するのも良いアイデアです。
介護を想定したサイズ
介護を想定してサイズ選びをするなら、親子や孫との入浴と同様に1.25坪以上の広さを確保しておくことが必要です。
この広さであれば車いすで入ることもでき、介護する人が一緒にいても身動きが取りやすくなります。
なお、1.25坪に対応するユニットバスは、1620・1621・1623・1624サイズなど。
そして、子どもと入るときと同様に以下のようなオプションについても考えておくことをおすすめします。
- 浴室ドアを引き戸にして出入りをしやすく
- 手すりを設置して安全性を確保
- 前後の動線の段差をなくして移動しやすく
- 浴槽の高さを低くしてまたぎやすく
- 冷えにくい床材で快適性アップ
必要なオプションを取り入れておくと、いざ介護が始まっても安心です。
お風呂(ユニットバス)のサイズを決める際の注意点
お風呂(ユニットバス)のサイズを決める際に気を付けるべき注意点についてもご紹介します。
気になる点は、ショールームやリフォームを依頼する会社に相談しておくと安心です。
ショールームで実物の大きさを確認する
まずは、実物の大きさを確認すること。
ユニットバスの大きさは、サイズの数値だけを見てもイメージしにくいかもしれません。
そのため、ショールームまで足を運んで実際に確認しておくと安心です。
ショールームでは実際に洗い場に立ったり浴槽に入ったりと、使い心地を確認できます。
また、ショールームにはお風呂(ユニットバス)に詳しいプロが常駐しており、相談しながら選ぶことができます。
商品の特徴や違いについても直接質問できるのがいいですね。
通路の間口の幅を測っておく
次に、通路の間口を測っておくことも忘れてはいけない重要なポイント。
搬入経路となる間口のサイズによっては、ユニットバスを安全に設置できなくなるからです。
ユニットバスは、部材や浴槽などを分解した状態で搬入して設置するのが一般的です。
特に浴槽は大きなサイズで分解が難しいため、設置場所まで傷つけずに搬入する必要があります。
サイズの目安は、玄関からお風呂までの通路の間口が65cm、廊下などの曲がり角が75cm以上あることが目安。
事前に一度測ってからサイズを選ぶと、安心してリフォームに臨めます。
希望のサイズが入らないことがある
浴室リフォームでは、希望のサイズが入らないこともある、ということを押さえておく必要があります。
例えば、タイル張りのお風呂などで浴室内に柱や梁の出っ張りがあったり、浴室の天井に傾斜があったりなど、整った形でない場合に希望のサイズが入らないことが多くあります。
このように、なんとなく感じる広さと実際に入るサイズには隔たりがある場合があります。
ユニットバスは規格でサイズが決まっているため、現在の浴室サイズに一番近いユニットバスが設置できない場合、小さいサイズのユニットバスを選択するしかありません。
サイズを柔軟に選べる人気のユニットバス3選
ここでは、サイズに課題がある場合も柔軟に対応できるおすすめのユニットバスをご紹介します。
タカラスタンダード:ぴったりサイズシステムバス
「ぴったりサイズシステムバス」は、幅・奥行きのサイズを2.5cm刻みでオーダーできることが特徴で、サイズのバリエーションは約1,500通りに及びます。
狭くて規格サイズの機種が入らないタイプの浴室でも、ユニットバスにリフォームすることが可能。
間口幅145cm × 奥行き96.8cm以上に対応しています。
LIXIL(リクシル):「リノビオ」シリーズ
LIXILの「リノビオ」は、戸建て・マンションともに浴室のリフォームによく使われているシリーズです。
「リノビオFit」は、狭い浴室にも対応できることが魅力で、1014・1115といったサイズを展開しています。
「リノビオV」は、浴室壁裏の配管形状の工夫により、浴槽や洗い場のサイズアップを実現しやすいのが人気のポイントです。
TOTO:マンションリモデルバスルーム
マンションの浴室用シリーズでよく使われるのが、TOTOのユニットバス「マンションリモデルバスルーム」です。
断熱性の高い「魔法びん浴槽」や、清掃しやすい鏡・床材など、オプションの選択肢が多いのが魅力。
浴室のスペースが限られるマンションでも、1014・1115・1116サイズなどを選ぶことができ、コンパクトに収められます。
サイズ別!お風呂(ユニットバス)のリフォーム実例
最後に、山根木材が手掛けたお風呂(ユニットバス)のリフォーム実例をサイズ別にご紹介します。
【1616】木目が心地良い標準サイズのユニットバス
まずは、木目が特徴のモダンなユニットバスの実例です。
お子様たちが巣立ち、夫婦二人暮らしになり、「キッチンや浴室を新しくして、快適に暮らしたい」とリフォームしたT様邸。
広さは、大人ひとりがゆったりと入れる1616サイズ。
木目と石調の壁のリラックスできる空間は、リビングともリンクしたもの。
最新のユニットバスで毎日のお手入れもしやすくなり“家事ラク”も実現しています。
【1620】仕事の後の癒しをもたらす大きめお風呂
築100年以上の母屋を住みやすいように間取りも変更してリフォームした、M様ご夫婦。
広い空間を活かしてお風呂も場所を変えるとともにサイズアップしています。
1620の1.25坪タイプは幅が1.6m・奥行きが2mと広々としたサイズ感。
1616サイズの場合と浴槽の大きさはそれほど変わりませんが、洗い場が広く取られていることが特徴です。
農作業を終えて広々としたお風呂で汗を流すことができるのがポイントです。
【1317】明るい色合いで開放感を演出したコンパクトなお風呂
最後に、コンパクトでありながら、明るい色合いで広々とした雰囲気のお風呂を実現したA様邸。
1317サイズは1616よりはややコンパクトといえますが、明るい配色で狭さを感じさせないユニットバス。
広くない分、掃除はラクになっています。
また、浴室よりも洗面脱衣室を広く取り、洗面台での身支度や洗濯時の利便性を上げているのも暮らしやすさにつながっています。
家族に合ったお風呂(ユニットバス)のサイズを選ぼう
暮らしにぴったりくるお風呂(ユニットバス)のサイズは、ライフスタイルや好みによって異なってきます。
広ければよいということでもないため、まずは一般的なサイズの目安を参考に、ショールームで実際に体感し、納得のいくサイズを見つけるのがおすすめです。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。