近年、機能性の高い住宅として注目を集めている平屋。
その中でも特に人気を集めているのが、20坪の平屋です。
限られたスペースに必要な機能を備えた住まいは無駄がなく、「ランニングコストを抑えたい」「最低限の広さでシンプルかつ快適な生活を送りたい」と考える人にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。
特に子育て世代の若い夫婦や、老後を見据えたシニア層におすすめの住まいです。
この記事では、コストを抑えながら快適な暮らしを実現するため、平屋20坪のメリットや設計する際の注意点、間取りのアイデアなどを紹介します。
平屋20坪の魅力を存分に引き出し、理想の住まいを手に入れるための参考にしてください。
平屋20坪の間取りが人気の理由とは?
平屋20坪の間取りには数多くの魅力が詰まっています。
人気を集める理由として、平屋20坪の間取りで暮らすことにどのようなメリットがあるのかを掘り下げてみましょう。
コンパクトでコストパフォーマンスが高いから
平屋20坪の間取りは、コンパクトさがもたらすコストパフォーマンスの高さが魅力です。
まず、建築コストの面では、20坪という比較的小さな面積が大きな利点となります。
使用する建材の量や工事費が少なくて済み、全体的な建築コストを大幅に抑えられるためです。
手頃な価格でマイホームを持ちたいと考える人にとって、20坪の平屋は非常に魅力的な選択肢になるでしょう。
次に、ランニングコストの面でも優れたメリットがあります。
面積が小さいため、光熱費やメンテナンス費用も抑えられ、長期的に見ると経済的負担の軽減につながります。
特に、省エネ住宅やミニマリストを目指す人が理想とする、低コストの暮らしが実現できるはずです。
老後を見据えた住まいとして理想的だから
20坪の平屋は、老後を見据えた住まいとしても理想的です。
まず、平屋の最大の魅力として、バリアフリー設計がしやすいことが挙げられます。
そもそも平屋には階段がなく、必要なスペースがすべてワンフロアにまとまっているため、高齢になって足腰が弱ったとしても家の中の移動に困ることがありません。
さらに段差のないバリアフリー住宅にすれば、車いすでも安心です。
生活動線がシンプルで快適だから
階段がない平屋では、シンプルな家事動線・生活動線を作れます。
例えば、廊下を減らして水回りとリビングを直接つなぐ回遊動線は、効率的に家事を行えて時間の節約につながります。
洗濯物を干したり掃除をしたりするために、2階と1階を往復する手間もかかりません。
階段移動がないということは、転落事故のリスクも少ないということです。
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、特に生活しやすく安全な住まいといえるでしょう。
シンプルでミニマルな暮らしに最適だから
平屋20坪の間取りは、シンプルでミニマルな暮らしを求める人々にとって最適な選択肢です。
限られたスペースを最大限に活用するには、無駄のない設計が求められます。
壁面やちょっとしたデッドスペースに収納を設ければ、部屋に収納家具を置かずにすむため、狭さを感じることはないでしょう。
必要なものだけに囲まれたコンパクトな空間が、快適な暮らしを可能にします。
デザインの自由度が高いから
20坪程度の平屋はシンプルな形状の建物が多く、間取りの設計が容易です。
自分のライフスタイルに合わせた空間設計が可能で、オープンプランや仕切りの少ない設計などにより、空間を広く見せることができます。
また、平屋は土地全体を有効活用できるため、外構や庭のデザインとの相性も抜群です。
広めの庭や家庭菜園を設けたい人にとって、20坪の平屋はちょうど良いサイズ感といえるでしょう。
メンテナンスがしやすいから
20坪程度のコンパクトな平屋は、日常的な清掃の負担が少ないこともメリットの一つです。
バリアフリー設計ならロボット掃除機で家じゅうを掃除できるので、忙しい毎日でも清潔な室内を保てます。
また、平屋は2階建てや3階建てのような高さがないため、外壁や屋根のメンテナンスが容易です。
作業の手間やコストが少なく済むため、メンテナンス費用の負担を抑えられることも魅力といえるでしょう。
狭小地でも建てられるから
平屋と聞くと「広い土地が必要」と考える人が多いでしょう。
とはいえ、買い物や通勤・通学に便利な場所ほど土地の値段が高額になる傾向にあり、予算の都合で広い土地を購入するのは難しいかもしれません。
その点、土地を有効活用できる20坪平屋は、都市部の狭小地でも建てやすい住宅です。
前述のとおり、2階建てや3階建てに比べて建築コストも抑えられ、土地代も比較的安く済むので、予算内で憧れの注文住宅を実現できる可能性が高まります。
平屋20坪の部屋数の目安とレイアウト例
住生活基本計画(全国計画)では、世帯人数に応じた住宅の面積について、次のような水準を設けています。
水準 | 内容 |
誘導居住面積水準 | 豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準 |
最低居住面積水準 | 健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準 |
都市部以外の戸建て住宅を想定した「一般型誘導居住面積水準」は、以下のとおりです。
誘導居住面積水準 | 最低居住面積水準 | |
単身者 | 55㎡ | 40㎡ |
2人以上の世帯 | 25㎡×世帯人数+25㎡ | 20㎡×世帯人数+15㎡ |
【備考】 ・3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は 0.75人として算定 ・世帯人数が4人を超える場合は、計算した面積から5%を控除 |
平屋20坪は約66㎡。夫婦のみの世帯や、小さな子どものいる子育て世帯にぴったりのサイズといえるでしょう。
そこでここからは、平屋20坪におすすめの部屋数とレイアウトについて解説します。
平屋20坪の部屋数の目安
20坪の平屋における部屋数の目安は、家族のニーズやライフスタイルに応じて異なりますが、2LDKまたは3LDKで考えるのが一般的です。
【2LDK(2部屋+LDK)】
LDKをオープンな空間でまとめ、1部屋は主寝室、もう1部屋は子ども部屋にするプランです。
子どものいない世帯では、書斎や趣味の部屋としても活用できます。
部屋数を少なくした分、リビングを広く確保できるので、家族のコミュニケーションがより活発になるでしょう。
【3LDK(3部屋+LDK)】
独立した部屋が3つあると、家族構成やライフスタイルによって、次のようにさまざまな使い分けが可能です。
- 主寝室+子ども部屋2つ
- 主寝室+子ども部屋+書斎
- 主寝室+子ども部屋+ゲストルーム
- 主寝室+書斎+収納スペース
- 家族それぞれのプライベートルーム など
このように、自由に部屋割りができることが3LDKのメリットですが、1部屋あたりの広さはややコンパクトになるため、設計時にバランスを考えることが大切です。
3LDKの平屋で暮らす間取りアイデアについては、こちらをご覧ください。
平屋20坪のおすすめレイアウト例
限られたスペースを最大限に活用しつつ快適な居住空間を実現するため、平屋20坪のおすすめレイアウトを3つ紹介します。
【例1:2LDKオープンレイアウト】
LDKを12〜14畳くらいのオープンスペースにし、家族が集まっても圧迫感のない環境を作ります。
LDKを中心に2部屋を振り分け、適度なプライベート感を確保。水回り(トイレ、浴室、洗面所)は1箇所に集約し、家事の効率を高めます。
居室を狭めることのないよう、収納はデッドスペースを活用して機能的な空間を実現します。
【例2:3LDKシンプルレイアウト】
約10〜12畳のLDKは、壁や仕切りを少なくして開放感を演出。
さらにカウンター型キッチンでダイニングとの一体感を出すと同時に、スペースを有効活用します。
生活動線を考慮して、水回りはリビングからアクセスしやすい位置にまとめ、各居室は廊下に面した配置に。
子ども部屋や書斎などは約4〜5畳とコンパクトでも、収納を工夫して機能性を高めることで快適に過ごせる空間になります。
【例3:2LDK+多目的スペース】
約14畳のLDKに大きな窓を設け、明るく開放的な空間を確保します。
リビングに隣接した場所に書斎や趣味の部屋を配置し、必要に応じて間仕切りができるようスライドドアを設置。
ドアを開けるとリビングと一体化し、閉めればプライベートなスペースとして利用できます。
寝室はリビングの隣に設け、広めの窓で開放感を持たせます。
玄関近くに水回りを配置し、スムーズな家事動線を作るプランです。
これらはあくまで一例です。
自分たちのライフスタイルに合った間取りを考えることで、理想的な住空間を手に入れることができるでしょう。
平屋20坪の間取り設計のポイント
平屋20坪の間取りには、限られたスペースを最大限に活用するための工夫が求められます。
部屋数を増やすとそれぞれの空間が狭くなるリスクがあるため、オープンプランを採用し、効率的な収納や採光の工夫で開放感を出すことが大切です。
ここからは、平屋20坪の間取り設計で注意したい5つのポイントについて解説します。
LDKを中心に動線をシンプルにする
平屋20坪では、無駄のない動線を考えることが重要です。
キッチンは独立型ではなく、ダイニングやリビングと一体化して、家の中心に配置しましょう。
各部屋からのアクセスがスムーズになり、家族が集まりやすい環境が整います。
また、家事動線も短くなるため、キッチンからダイニングへの移動がスムーズです。
料理をしながら家族と会話できるなど、コミュニケーションの面でもメリットがあります。
収納スペースを効率的に配置する
平屋20坪の間取りでは、収納スペースを効率的に配置することが住みやすさにつながります。
寝室には大きめのクローゼットを設けて衣類をまとめて収納し、リビング近くにパントリーを設けて食料品や日用品を整頓するとよいでしょう。
デッドスペースを利用して収納を設けるのもおすすめです。
広さに制約があるため壁面を活用するなどして、使い勝手の良い場所に収納を設けると、部屋がスッキリと片付いて快適な生活空間が実現します。
収納の多い家のメリット・デメリットについては、こちらをご覧ください。
採光と通風を重視する
コンパクトな空間でも、しっかりとした採光を確保することで部屋に開放感が生まれ、実際の面積よりも広さを感じられます。
外の光をたっぷりと取り入れるには、大きめの窓を設けるのが効果的。外からの視線が気になる場合は、屋根に天窓を設けて自然光を取り入れるのもおすすめです。
加えて、空気の循環を促進するため、通風も意識しましょう。
対角線上に窓を設けることで風が通りやすくなり、暑い夏場でも涼しさを感じられます。
このように採光と通風の工夫を取り入れることで、平屋の魅力を最大限に引き出す住まいが完成します。
採光のよい住宅の窓の工夫については、こちらをご覧ください。
水回りを集約して効率化
レイアウト例でも紹介したとおり、水回り(トイレ、浴室、洗面所)はなるべく1ヶ所にまとめるようにしましょう。
配管工事のコストを抑えられるうえ、生活動線が短くなってスムーズです。
また、掃除やメンテナンスの効率も向上します。
水回りが集中していると移動しやすいため、日常の清掃が短時間で終わるでしょう。
水漏れなどトラブル発生時の修理も、配管が集中していると効率よく進められるため、メンテナンスコスト軽減につながります。
家族構成に応じた柔軟な設計
長く住み続ける家だからこそ、家族構成に応じた柔軟な設計を意識する必要があります。
例えば、初めは2LDKとしてスタートしても、子どもが成長したときに備え、間仕切りを追加すれば3LDKに変更できるようにしておくと便利です。
さらに、小さなスペースでも書斎や趣味部屋を確保することは、家の機能性を高めます。
多目的に使える小部屋は、仕事や趣味に集中できる環境であり、必要に応じて使い道を変更することも可能です。
平屋20坪の間取りの価格相場
建築コストが抑えられ、コストパフォーマンスが高いことが平屋20坪の特徴です。
とはいえ、立地条件や施工会社、建材・設備のグレードなどによって、実際にかかる費用は大きく異なります。
ここでは、20坪の平屋を建てる際にかかる本体工事費や付帯工事費、諸費用などの相場について解説します。
本体工事費の相場
平屋20坪の本体工事費の相場は、選択する住宅の仕様によって大きく異なりますが、以下が一般的な目安となります。
【ローコスト住宅】
坪単価:40万~60万円程度
総額:800万〜1,200万円程度
低コストでシンプルな設計が特徴で、標準的な建材や設備を使用します。
コストを抑えながらも快適に生活できる空間を実現できるローコスト住宅は、シンプルな機能を求める方に最適です。
【標準グレード住宅】
坪単価:60万~80万円程度
総額:1,200万〜1,600万円程度
一般的な仕様を基本にしつつ、少し余裕のある建材や設備を選びたい方に向いています。
デザイン性や耐久性、快適性を向上させるための選択肢が増え、個性的な住まいを実現することが可能です。
【ハイグレード住宅】
坪単価:80万~100万円以上
総額:1,600万〜2,000万円以上
高級な建材を使用し、デザイン性や断熱性・耐震性にこだわることができます。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)や長期優良住宅などの基準を満たす住宅を建てる場合、この価格帯になることがほとんどです。
ただし、長期優良住宅にするには75㎡(約22坪)以上の延床面積が必要で、都市部では55㎡(約17坪)以上が求められます。
付帯工事費・諸費用などの相場
付帯工事費や諸費用の目安は、一般的に200万〜400万円程度とされていますが、土地の条件や工事内容によって異なります。
項目 | 費用目安 | 内容 |
地盤改良工事費 | 50万〜150万円程度 | 盤補強など |
外構工事費 | 50万〜200万円程度 | 駐車場、庭の整備など |
インフラ整備費 | 30万〜80万円程度 | 上下水道、ガスなど |
諸費用 | 100万〜200万円程度 | 設計費、登記費用、ローン手数料、火災保険、税金など |
これらを前述の本体工事費に含めると、平屋20坪の価格相場は以下が目安となります。
- ローコスト住宅:1,000万〜1,600万円程度
- 標準グレード住宅:1,400万〜2,000万円程度
- ハイグレード住宅:1,800万〜2,400万円以上
最終的な価格は、地域や設計、選択する建材・設備、土地の条件によって大きく変わるため、これらの要素を考慮して予算内で理想の家づくりを進めることが大切です。
限られたスペースを最大限に活用し、生活スタイルや将来的なニーズに合った快適な間取りを計画しよう
平屋20坪の住まいのポイントは、限られたスペースを効率よく活用し、快適で機能的な間取りを実現することです。
生活動線をシンプルにし、収納を効率的に配置することで、日常生活がスムーズに進むように設計できます。
また、採光と通風の工夫で居心地の良さを向上させることや、将来的なニーズに対応できる柔軟性を持たせること、コスト管理も考慮すべきポイントです。
これらを踏まえ、コンパクトながらも快適で満足度の高い住まいを実現するには、施工実績の豊富な住宅会社に相談することが重要です。
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