天井高の平均は何センチ?間取り別の最適な天井高やアイデアを紹介

  • 作成日:2024/11/28
  • 更新日:2024/11/28
  • 編集者:山根木材メディア編集部
天井高の平均は何センチ?間取り別の最適な天井高やアイデアを紹介

住まいの新築やリフォームを検討する際、天井の高さは慎重に検討すべき重要なポイントの一つといえます。
なぜなら天井の高さが少し変わるだけで、住まいの快適さや開放感、住み心地に影響するためです。
また、天井の高さは部屋の印象を大きく変える要素にもなります。
インテリアにこだわりたい方にとっては、おざなりにできるものではありません。

この記事では、天井高の平均のサイズや、天井の高さを利用した間取りの工夫について解説します。
天井の高さを上げることで得られるメリットと注意すべきデメリットや、理想的な天井高の選び方なども紹介するので、理想の家づくりの参考として役立ててください。

天井の高さの平均と基準

木目の勾配天井と無垢のフローリングが特徴的なリビング

天井の高さは、住宅の居住性やデザインに大きな影響を与える重要な要素です。
建築基準法で最低限の高さが定められている一方で、実際の住宅では快適さを追求してさまざまな工夫がされています。
ここでは、建築基準法に基づく天井高さの規定や、日本の住宅における平均的な天井高さについて詳しく解説します。

建築基準法に基づく天井高さの規定

天井高とは、床面から天井までの垂直距離を表す建築用語です。
居室の天井高は、建築基準法施行令第21条により「2.1メートル以上」と規定されています。
ここでいう居室とは、寝室やリビング、キッチンなど、居住空間として使う部屋を指します。
トイレや廊下、収納などの非居住空間については、天井の高さに関する基準はありません。

なお、傾斜がある天井の場合、居室全体の平均高さが基準を満たしていれば建築基準法に準じた設計と見なされます。
部分的に2.1メートルを下回るところがあっても、平均で2.1メートル以上であれば法的に問題ありません。
出典:建築基準法施行令

戸建て住宅における平均的な天井高さ

日本の住宅における天井の高さは、2.4~2.6メートルが一般的です。
建築基準法上では最低2.1メートルの高さがあれば許可されますが、近年は全室フローリングの住宅が増えています。
畳ではなく椅子に座る生活が中心となり、目線も高くなるので、天井の高さが2.1メートルではやや窮屈な印象です。
そのため、居住性や快適性、コスト面のバランスを考慮して、多くのハウスメーカーでは天井高2.4~2.6メートルを標準仕様としています。

ちなみに、法的には天井の高さについての上限はなく、2.7メートル以上に設定することも可能です。
天井が高くなるほど空間にゆとりが生まれ、室内の印象がより広々としたものになるため、モダンでスタイリッシュなデザインの住宅では、高い天井が好まれる傾向にあります。

【間取り別】最適な天井高とは?

最適な天井高は、間取りや各空間の使用目的、求める雰囲気に応じて異なります。
家族が集まるリビングやダイニングなどの広い空間は高めの天井、寝室や書斎などプライベート感の強い場所は低めの天井が理想的です。
最適な天井高を選ぶことは、居住空間の快適性を高め、生活の質を向上させるための重要なポイントです。
ここでは、間取り別に最適な天井の高さについて解説します。

和室

木目の天井が特徴的なおしゃれな和室

【最適な天井高】2.2メートル〜2.4メートル

伝統的な和室の設計では、落ち着いた雰囲気を重視して天井を低めに設定するのが一般的です。
低めの天井は空間の落ち着きや静けさを強調し、精神的な安定感をもたらします。

また、畳に座る生活スタイルに適しており、過ごしやすい高さといえます。

リビング

ミッフィーのぬいぐるみが並んであるナチュラルテイストの吹き抜けリビング

【最適な天井高】2.7メートル〜3.0メートル

日常的に家族が集まり、ときにはゲストをもてなすリビングは、開放感や広がりを演出することが重要です。
天井を2.7メートル以上に設定すると、空間が広く感じられ、ゆったりとした雰囲気を生み出すことができます。
インテリアによっては高級感も加わり、居心地の良い空間が実現できるでしょう。

また、吹き抜けを取り入れると天井の高さが強調され、さらなる開放感を演出します。

こちらの記事ではリビングの間取りの種類について紹介していますので、ぜひご覧ください。

ダイニング

無垢のフローリングと吹き抜けが特徴的な和モダンなリビング

【最適な天井高】2.4メートル〜2.7メートル

ダイニングは家族やゲストと食事を楽しむ空間であり、適度な開放感が求められます。
天井の高さは標準的な2.4メートル以上がおすすめです。
この高さは圧迫感がなく、落ち着いた雰囲気を保ちながらも、食事を囲んだ会話が楽しめる空間になるでしょう。

ただし、リビングと一体型のダイニングの場合は、空間全体に統一感を持たせるため、リビングの天井高に合わせるのが一般的です。

キッチン

黒い柱と気の収納棚が特徴的なおしゃれなキッチン

【最適な天井高】2.4メートル〜2.7メートル

キッチンでは機能性が最優先されるため、適度な開放感を確保しつつ、作業がしやすい高さが求められます。
一般的には2.4メートルから2.5メートル程度が最適で、圧迫感がなく作業効率を高められるバランスの良い高さといえます。

ただし、リビングやダイニングと一体型のオープンキッチンでは、天井の高さを合わせたほうが違和感がありません。
また、収納棚やレンジフードなどの設備とのバランスも重要で、これらの要素を考慮することが快適なキッチンの実現につながります。

こちらの記事では注文住宅のキッチンの選び方について解説しておりますので、ぜひご覧ください。

寝室

すっきりと片付いた寝室

【最適な天井高】2.4メートル〜2.6メートル

寝室はリラックスのための空間であり、高すぎる天井は逆効果となります。
空間が広がりすぎて、逆に落ち着かない印象を受けることがあるためです。
また、天井が高すぎると冷暖房効率が下がるため、暑さや寒さで熟睡できないことがあるかもしれません。

寝室で重視すべきは、快適な睡眠環境であるかどうかということです。
落ち着いた空間で心地よい睡眠を得るには、天井の高さは2.4〜2.6メートル程度が適しています。

子ども部屋

広い子ども部屋で3姉妹が集まって遊んでいる様子

【最適な天井高】2.4メートル〜2.6メートル

子ども部屋では遊びや勉強、睡眠などさまざまな活動が行われるため、明るく快適な空間にするのが理想的です。
天井の高さを2.4メートル以上に設定すると、圧迫感がなく、子どもが伸び伸びと過ごせる広々とした空間になるでしょう。

特に床面積が小さい場合、天井を高くすることで空間に広がりを感じさせる効果があります。
子ども用の二段ベッドやロフトベッドを置く場合も、十分な高さがあれば圧迫感が抑えられるはずです。
このように縦の空間を利用することにより、狭いスペースでも使い勝手の良い子ども部屋がつくれます。

こちらの記事では子ども部屋の間取りごとのメリット・デメリットについて紹介していますので、ぜひご覧ください。

水まわり(浴室・トイレ)

ナチュラルテイストのおしゃれなお風呂

【最適な天井高】2.2メートル〜2.4メートル

浴室やトイレなどの水まわりは閉鎖的な空間であることが多いため、天井を低めに設定するのが一般的です。
それにより空間がより落ち着いた雰囲気を保ち、プライベート空間としての機能が向上します。
特にトイレは、圧迫感がない程度の天井高で十分です。

また、低めの天井は温度管理がしやすいというメリットがあります。
高齢者がいる家庭では、浴室や脱衣所の天井をあえて低めにして、冬場は入浴前に暖房器具で温めておきましょう。
家の中の温度差を抑えることが、ヒートショックによる事故の予防につながります。

書斎

ゲーミングチェアが特徴的な小さな書斎

【最適な天井高】2.2メートル〜2.4メートル

書斎は集中力が求められる場所であり、高すぎる天井では開放感がありすぎて、落ち着いて作業できません。
程よい閉塞感があると、仕事や勉強に集中しやすい環境が整うため、天井の高さは標準より低めの2.2〜2.4メートルがおすすめです。

書斎の天井高は、作業の効率や快適さに大きく影響します。
書斎で行う作業の内容によっても適当な高さが異なるため、最適と思われる高さを選ぶことが大切です。

こちらの記事では1畳から始めるおしゃれなミニ書斎作りについて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

天井高アップと組み合わせたい間取りアイデア7選

天井の高さをアップすると、家全体の開放感やデザイン性が向上し、空間を広く利用できます。
さらに相性の良い間取りアイデアと組み合わせることで、その効果を最大限に引き出し、より快適に過ごせる空間になるはずです。
ここでは、天井高アップと組み合わせたい7つの間取りアイデアを紹介します。

吹き抜け

木の梁と吹き抜けが特徴的なナチュラルテイストのリビング

天井の高さを1階から最上階まで劇的に引き上げる「吹き抜け」は、そのスペースを非常に開放的な空間に変えることができます。
縦方向を利用して視覚的に空間を広げるのに効果的で、玄関ホールやリビングで採用されることの多い間取りです。
吹き抜け部分に窓を設けると、家の中に自然の光がたっぷりと届き、明るく洗練された空間を演出します。

吹き抜けについての詳細は、以下の記事で解説していますので、ぜひご一読ください。

勾配天井

黒い木の梁が勾配天井が特徴的なリビング

傾斜を持つ「勾配天井」は、平らでシンプルな天井よりもダイナミックな空間の広がりを感じさせます。
斜めのラインが加わることで視覚的な変化が生まれ、立体的かつ個性的な空間を演出できるため、リビングで採用されるケースが多く見られます。

また、天井の高さを強調しつつ、部屋全体に温かみを感じさせるデザインでもあるため、寝室に用いられることも少なくありません。
勾配天井の部屋をさらにセンスアップするポイントの一つが、照明の選び方です。以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

スキップフロア

木の梁と勾配天井が特徴的なスキップフロア

「スキップフロア」とは、高さが異なるフロアを階段やステップでつなげる設計手法です。
この配置は、天井の高さを生かし、各部屋に異なる空間の広がりを持たせることを可能にします。
例えば、リビングとダイニングを一段高く配置することで、視覚的な変化を生み、開放感をアップさせるのに効果的です。

また、階段でフロアを分けることにより、空間にメリハリがつき、より個性的で立体感のある住空間を実現します。
スキップフロアについてさらに具体的に知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

ロフト

無垢材の屋根と本棚が特徴的なロフト

天井の高さを活かして「ロフト」を作ることで、空間を余すところなく有効活用できます。
建築基準法では「小屋裏物置等」と定義されるスペースですが、一定の基準を満たせば収納以外の目的で使用することも可能です。
特に天井高が十分にある住まいでは、開放感を損なわずにロフトを設けることができるため、居住空間全体の使い勝手がぐっと向上するでしょう。

ロフト部分は天井の高さに制限があり、通常の部屋として使用するのは難しいですが、活用方法はアイデア次第です。
詳しくは以下の記事にてご確認ください。

リビング階段

リビング階段による明るい空間

廊下の一角ではなく、リビング内に設置した階段を「リビング階段」といいます。
階段部分は上下階が抜ける形になるため、上階へと続く動線が視覚的な広がりを生み出す一方で、家全体に一体感を持たせることが可能です。
天井高をアップした空間と組み合わせることで、さらに開放的でダイナミックな印象を与え、デザイン性にも優れた空間を演出できます。

リビング階段について具体的に知りたい方は、下記の記事も併せてお読みください。

大型窓・サッシ

ダウンライトと大きな窓が特徴のリビング

天井が高い空間に大型の窓を設けると、外の景色との一体感が生まれ、開放的を存分に味わえる空間が実現します。
さらに、光と風を室内にたっぷり取り込めるため、快適な住環境が整います。

とはいえ、窓サッシのサイズやデザインは豊富にあるので、大きさにこだわらず、配置や組み合わせでデザイン性の高い外観・内観を設計するとよいでしょう。
窓の選び方については、以下の記事が参考になるはずです。

照明

中心のペンダントライトが特徴的な木の温かみのあるナチュラルテイストなリビング

天井に高さがある部屋では、間接照明やペンダントライトなどを使って、空間に立体感を演出することができます。
シャンデリアやペンダントライトのような吊るすタイプの照明は、天井が低めの部屋では避けたほうがよいでしょう。
何かの弾みで手や頭にぶつかって割れる可能性があり、大変危険です。
その点、天井に高さのある部屋では、吊るすタイプの照明も邪魔になりません。
好みに合うデザイン性の高い照明器具を取り入れられるため、魅力的な空間演出が可能です。

天井を高くするメリット

天井の高さは、その部屋の印象や過ごしやすさに影響します。
近年の戸建て住宅では2.4~2.6メートルが標準とされていますが、それ以上の高さにした場合、どのような違いが生まれるでしょうか。
まずは、天井を高くすることで得られるメリットについて解説します。

開放感と広がりを感じられる

天井を高くすることで、開放感や広がりを感じられる空間になります。
例えば2.7メートルの天井は、一般的な2.4メートルの天井よりも30cm高いだけですが、視覚的な印象が大きく異なります。
高身長の人は、思いきり背伸びをできるような開放感を得られるでしょう。

天井が高くなるほど部屋全体の印象が広々としたものになり、圧迫感のない快適な居住空間の演出が可能です。
特に狭い空間ほど効果を実感しやすいため、「リビングにもう少しゆとりが欲しい」といったようなときは、天井を高くしてみることをおすすめします。

自然光を効果的に取り込める

天井の高さに応じて窓も大きなサイズのものを選べるため、室内にたっぷりの自然光を取り込むことができます。
大きな窓から差し込む自然光が部屋全体を明るく照らし、健康的で居心地の良い空間になるでしょう。
日中は照明を使わずに済むことが多いため、電気代の節約にもつながります。

外部からの視線が気になり「大きな窓の設置には抵抗がある」という場合でも、壁の高い位置に採光用の窓を設置すれば、自然光を効果的に取り込むことが可能です。

空気の循環が良くなる

天井が高いと空気が上下に広がりやすくなり、室内の空気循環が良くなります。
特に夏は暖かい空気が天井近くにたまり、床近くは比較的涼しさが保たれるため、快適に過ごせるでしょう。
天井近くに換気用の小窓を設けると、暖かい空気を外に逃がしやすくなり、換気効率がより高まります。

さらにシーリングファンを活用すると、室内の空気を循環させて気温を一定に保てるため、冷暖房効率の向上が期待できます。

インテリアデザインの自由度が高まる

天井高が2.7メートル以上あると、インテリアデザインの自由度が大きく広がります。
例えば大きなシャンデリアやペンダントライトなどの吊り下げ型の照明は、部屋に圧迫感を与えがちですが、天井に高さがあれば問題ありません。
むしろ視覚的にインパクトを与え、豪華で個性的な空間を演出できます。

また、大きなアート作品や家具もバランスよく配置できるため、部屋全体のコーディネートに幅が出て、洗練された空間づくりが楽しめるでしょう。

高級感やゆとりを感じられる

ホテルのロビーなどで目にする天井が高い空間は、豪華さやゆとりを感じさせ、特別な雰囲気を味わえます。
一般住宅でも天井の高さを変えるだけで、居住空間の質感が向上し、豊かで贅沢な感覚を覚えるでしょう。
この効果はリビングなど広い床面積の部屋で特に顕著で、視覚的な広がりを与えるだけでなく、生活空間に優雅で洗練された雰囲気をもたらします。

将来的な資産価値の向上につながる

天井が高い住まいは、不動産市場での評価が高い傾向にあり、売却の際、有利に働く可能性があります。
特にリビングやダイニングなどの共用空間で天井の高さが2.7メートル以上あると、開放感や上質さをアピールできるため、空間の質やデザインを重視する購入希望者の目に魅力的に映るでしょう。
その結果、不動産市場での競争力が増し、売却時の価格にプラスの影響を与える可能性が高まります。

天井を高くするデメリット

高い天井にはメリットが多い一方で、天井を高くしたがために生じるデメリットもあります。
実際に建ててから後悔しないよう、どのようなデメリットがあるのかを把握したうえで検討することが大切です。
そこでここからは、天井を高くするデメリットについて解説します。

冷暖房効率が低下する

天井が高いと空間の体積が増えるため、冷暖房の効率が悪くなることがあります。
特に冬は暖かい空気が上部にたまりやすく、足元が冷えやすくなるため、暖房の効きが悪いと感じるかもしれません。
空間が広がる分、冷房・暖房ともに過ごしやすい室温になるまで時間がかかり、エネルギー消費が増えるので、結果的に光熱費が高くなる可能性があります。

こちらの記事では吹き抜けの冷暖房効率をあげるための対策を紹介したおりますので、ぜひ参考にしてください。

建築コストが上がる

天井の高さを2.7メートル以上にすることで、建築コストが上がる可能性があります。
天井が高くなる分、壁の高さや内装材の面積が増え、それに伴い材料費や施工費が増加するためです。

また、大きな窓やカーテンも必要となり、これらのコストも考慮する必要があります。
特に大規模な住宅の場合、天井の高さによるコスト上昇が顕著となり、全体の建築費用が予算を超える可能性もあるので、天井高を決定する際には予算とのバランスをしっかりと考えることが重要です。

メンテナンスの手間がかかる

高い天井のある部屋では、天井や壁の高い部分にほこりがたまりやすく、日常的な掃除に手間がかかります。

また、高い場所に設置した電球の交換やエアコンのフィルター掃除などは、はしごや脚立を使わないと届かないため、メンテナンスが手軽にできません。
足場が不安定な場所は危険を伴うため、専門業者に依頼するのが安心です。
当然ながら費用が発生するので、メンテナンスの頻度と費用をランニングコストとして考えておく必要があります。

音が響きやすい

天井が高い空間では、音が反響しやすくなるという特徴があります。
特に、家具やカーテンなどの吸音材が少ない場合、音がエコーのように響き、不快に感じるかもしれません。

また、リビングやダイニングなど家族が集まる空間で会話をする際には、音がこもったり、反響して聞き取りにくくなることもあります。
このような音の響きについては、カーテンやカーペットがある程度の対策になりますが、状況によっては天井・壁に吸音材を取り付ける必要があり、建築費に影響する可能性があることに留意しましょう。

人によっては落ち着かないと感じることもある

人によっては、天井が高すぎる空間を「落ち着かない」と感じるかもしれません。
高い天井には空間を広々と感じさせ、圧迫感を軽減する効果がありますが、反面、心理的に寂しさや空虚感を感じる場合もあります。
特に、アットホームで温かみのある雰囲気を好む人は、天井が低めの方が居心地よく、安心感が得られることが多いようです。

このように、天井の高さが生活空間に与える心理的影響も考慮し、個々の好みに合わせた空間について検討することが重要です。

天井高を上げるときの注意点

天井の高い家を建てる際は、建物自体の高さと断熱性能に留意することが大切です。
それぞれどのような点に注意すべきか、以下にて詳しく解説します。

構造的な制約

前述のとおり、建築基準法では天井の高さについての下限が定められている一方で、上限についての規定はありません。
とはいえ、無制限に高くできるわけではなく、建物の構造的な制約を考慮する必要があります。

まず、天井を高くすると建物全体の高さが増すため、建築基準法に抵触しないかを意識しなくてはなりません。
建物の高さについては、「絶対高さ制限」「斜線制限」「日影規制」といった規制が設けられています。
用途地域や都市計画などによって土地ごとに高さの上限値が異なるため、事前の確認が必要です。

また、建物の高さは耐震性や構造強度にも影響します。
特に木造建築では、補強材の設置や設計計画が必要になる場合もあります。
安全性と法的要件を満たすために、設計士など家づくりの専門家と相談しながら適切な天井の高さを決めるようにしましょう。

断熱性能への影響

天井が高くなると空間の体積が増加するため、建物の断熱性に影響する可能性があります。
特に天井部分の断熱性能が不十分だと、夏は外気の熱が、冬は冷気が入りやすくなり、快適な室温を保ちにくくなります。
熱が上部に滞留しやすくなるため、エアコンの効率を改善する工夫、例えばシーリングファンの設置なども検討しましょう。

さらに、このような問題を避けるためには、断熱材の種類や厚み、配置を適切に選び、天井や屋根の断熱性を強化することも大切です。
外気の影響を最小限に抑えるため、屋根断熱(外断熱)や窓の断熱性を高めるのも効果的といえます。

ただし、断熱性能の高い建材を使用しても、建物の気密性が保たれていなければ十分な効果は得られません。
天井の高い家をつくる際は、高気密・高断熱住宅の実績が豊富なハウスメーカーに相談することをおすすめします。

住まいの天井を高くするなら全体的なバランスと快適性を確保しよう!

天井の高さを決めるのに重要なのは、ライフスタイルに合う空間づくりを意識することです。
そのうえで、全体のバランスと機能性を確保することが求められます。
天井の高い空間は開放感やデザイン性が増す一方で、断熱性の低下やメンテナンスの難しさといった課題も生じます。

これらの課題を解決しつつ、快適で美しい居住空間を実現するには、ハウスメーカー選びが重要なカギとなります。
特に注文住宅の施工実績が豊富な会社に相談することで、理想の住まいを実現することができるでしょう。

山根木材ホームでは、長く住み続けられる家を提供するため、住宅性能の高さに厳しい基準を設けています。
まず、長期にわたり良好な状態で使用するための構造や設備が施された「長期優良住宅」を標準化しました。
さらに、住宅にかかるエネルギーをゼロ以下にする「ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)」と、最高等級の耐震性を示す「耐震等級3」を標準仕様としています。

開放感あふれる高天井の注文住宅も、数多く設計・施工に携わってきた実績があります。
まずは資料のご請求から、山根木材ホームまでお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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