バルコニーは住宅の中と外をつなぐ役割があり、洗濯物干し場やガーデニングスペースとしても活用できます。ただし、常に紫外線や雨風にさらされているため、経年劣化しやすい部分です。
今回の記事では、バルコニーやサンルームのリフォームに必要な費用とリフォームの種類についてまとめました。バルコニーのリフォームに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
バルコニーとは?
バルコニーのリフォームについて話を進める前に、まずはバルコニーの定義について説明します。
バルコニーは住宅の外に張り出した2階以上かつ屋根のないスペースを指しており、室内に光を取り込む・洗濯物を干す・植物を育てるなどさまざまな用途があります。バルコニーの面積に指定はありませんが、エアコンの室外機用のコンパクトなバルコニーは「サービスバルコニー」と呼ばれます。
ベランダとバルコニーの違い
バルコニーと区別が難しい存在にベランダがありますが、両者は屋根の有無で分類されます。バルコニーには屋根がなく、ベランダには屋根が設置されるという違いがあります。さらに、1階にある屋根付きの張り出しはベランダまたはテラスと呼ばれます。
ベランダは窓に直接雨が当たりにくくなる・洗濯物を急な雨から守れるなどのメリットがあるものの、バルコニーよりも広い面積を用意しにくいというデメリットも存在します。
バルコニーの活用方法
バルコニーの活用手段と言えば、洗濯物干し場を思い浮かぶ方が多いと思いますが、バルコニーの面積が広いほどさまざまな用途が想定できます。
- ティータイムやランチなど家族の憩いのスペースにする
- ヨガなどの軽い運動をするスペースにする
- バルコニー下の1階にウッドデッキを設置してバルコニーを屋根代わりにする
- バルコニー下の1階を駐車スペースにしてガレージのように使用する
さらに、バルコニーで部屋と部屋をつなげば、廊下とは別の動線を設けることもできます。
バルコニーのリフォームに必要な費用目安
バルコニーのリフォームにかかる費用の目安を表にしました。
各工事の詳細は、次の章以降を参考にしてください。
また、工事費用の目安は選択する商品のグレードや、リフォーム予定のバルコニーの大きさで異なります。
工事内容 | 費用相場 |
バルコニーの防水工事 | 2,500円〜8,000円/㎡ |
バルコニーに屋根を設置する | 10〜80万円 |
バルコニーの交換・設置 | 50〜100万円 |
バルコニーにサンルームを設置する | 100万円〜 |
インナーバルコニーを作る | 100万円〜 |
50万円未満の小規模バルコニーリフォーム
50万円未満でできる小規模バルコニーリフォームには、防水工事や屋根の後付け工事があります。
簡易な工事であるため、工事は1日または数日で完了します。
バルコニーの防水工事
バルコニーは雨風や紫外線にさらされる部位であるため、定期的なリフォームにより防水加工をする必要があります。
防水加工の方法と、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
防水加工の種類 | メリット・デメリット |
ウレタン防水 | 【メリット】 ・コストを抑えられる ・複雑な形状のバルコニーでも使用可能 ・継ぎ目ができにくい 【デメリット】 ・定期的な施工が必要 ・工期が長め |
FRP防水 | 【メリット】 ・強度・耐水性・耐熱性・耐久性が優れている ・速乾性で工期が短い ・均一な厚みの施工が可能 【デメリット】 ・コストが高い ・臭いが強い ・外気温に仕上がりが左右される |
バルコニーに屋根を後付けする
バルコニーを作った後に屋根をつけたいと感じる方は多いです。
屋根の後付けにより、バルコニーの用途が広がる・日射を和らげられるなどの効果が期待できます。
バルコニーへの屋根の後付け費用は、バルコニーのサイズや選択する屋根のグレードによって大きく異なります。
標準的なサイズのバルコニーに低価格帯の屋根をつける場合は、15万円未満で屋根の後付けが完了します。
また、経年劣化により屋根のみが劣化した時には、屋根の張り替え工事で長く屋根付きのバルコニーを維持できます。
50万円〜100万円の中規模バルコニーリフォーム
バルコニー自体を交換したり、現段階でバルコニーのない場所にバルコニーを設置したりするリフォームには、150万円〜100万円程度の費用がかかります。
必要な期間は3日程度であるものの、既存のバルコニーの解体に時間がかかる可能性もあります。
バルコニーの交換・増築
老朽化したバルコニーをそのまま活用することは非常に危険です。
危険性のあるバルコニーは補修ではなく交換した方が安全です。
バルコニーには屋根置き式と柱建て式があり、工事費用はバルコニーのタイプ・サイズ・グレードで大きく異なります。
また、既存のバルコニーを増築して広くするリフォームも存在します。
バルコニーの後付け設置
現在バルコニーがない窓にバルコニーを追加で設置するリフォームを、バルコニーの後付けといいます。
バルコニーの追加工事では、バルコニーを設置する目的を明らかにして、住宅全体や近隣住宅とのバランスも見る必要があります。
設置したバルコニーのせいで、近隣住宅の日差しを遮らないように注意してください。
100万円〜の大規模バルコニーリフォーム
100万円以上の大規模バルコニーリフォームでは、サンルームやインナーバルコニーも設置できます。
また、グレードの高い素材を活用したバルコニーの取り替えも可能です。
バルコニーにサンルームを設置する
サンルームとは壁や天井から太陽光を取り込める設計で作られたスペースのことで、多くの場合は全面ガラス張りで作られます。
バルコニーが個室に変わるため、雨の時でも洗濯物をサンルームに干せるようになり、花粉やPM2.5が洗濯物につく問題を防ぎます。
サンルームは洗濯物干し場としての利用の他にも、セカンドリビング・子どもの遊び場・趣味のリラックススペースにもなります。
選択する商品の種類やサイズによって必要な費用は異なるものの、サンルームを活用すればバルコニーの用途が大きく広がります。
インナーバルコニーを作る
インナーバルコニーは2階以上に位置し、バルコニーが外に張り出しているのではなく室内に引っ込んでいる状態の構造を指しています。
屋根がついたまま住まいの延長にバルコニーがある状態になるため、広さも確保しやすくセカンドリビングや趣味のスペースとして幅広く使えます。
特に2階にリビングがある住宅は、インナーバルコニーの設置で開放的なリビングルームを実現できます。
また、2階リビング+インナーバルコニーの組み合わせは人の目が気になりにくいことから、プライバシーを確保しながら周囲の景観を楽しめます。
バーベキューやホームパーティースペースにも使えます。
バルコニーをリフォームする時の注意点
バルコニーをリフォームする際には、必ず知っておくべき注意点があります。
バルコニーリフォームに必要な手続きが分からない場合は、リフォーム業者に相談してください。
建ぺい率・容積率の変更による申請が必要になる場合がある
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指しています。
例えば、100平米の土地に50平米の住宅を建築した場合の建ぺい率は50%です。
土地にはそれぞれ建ぺい率に制限があり、防災や風通しの観点から、100平米の土地に100平米の住宅は建てられないようになっています。
そのため、バルコニーの増築や後付けにより住まいの延べ床面積が変わる時には、自治体に届け出る必要があります。
また、同様に敷地面積に対する3次元空間の割合を算出した容積率も、土地ごとに別の基準が定められています。
建ぺい率と容積率の基準や届け出の必要性は、お住まいの地域とリフォームの内容で異なります。
固定資産税の課税対象になる
家屋の一部として認められるものの増築は、固定資産税の対象になります。
バルコニーやウッドデッキは屋根と壁がないことから家屋の対象ではないものの、サンルームは家屋の一部に該当します。
そのため、サンルーム設置時には「延べ床面積の変更登記」を法務局に提出する・自治体の建築指導課に「建築確認申請書」を提出するなどの手続きが必要であり、毎年の固定資産税の税額も変わります。
大半の場合、固定資産税の手続きはリフォーム業者に任せられます。
まとめ
バルコニーのリフォームにはさまざまな種類があり、家族が希望する用途に合わせた改修が加えられます。
バルコニーの用途やリフォーム予算を考え、バルコニーを活用した生活を考えてみましょう。
サンルームやインナーバルコニーのリフォームをすれば、洗濯物干し場としてのみでなく、家族の憩いの場としてバルコニーが活躍できるようになります。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
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