注文住宅建築の流れは?土地購入から住宅ローンの手続きも解説

  • 作成日:2023/12/22
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
注文住宅建築の流れは?土地購入から住宅ローンの手続きも解説

注文住宅は建売住宅と違い、一から住まいを考え作り上げていくために、多くの手間がかかります。
しかし、時間をかけた分だけ、自分の理想の住宅を形にすることができます。

今回の記事では、資金計画を含めた注文住宅建築の具体的な流れと注意点をまとめました。
注文住宅建築に興味がある方は、完成までの流れを参考にしてください。

注文住宅とは?建売住宅との違い

夫婦と営業スタッフが会話をする風景

注文住宅について理解を深める前に、注文住宅と建売住宅の違いについて解説します。
建売住宅とは、土地と建物がセットで販売されている住宅を指しており、大半の場合はすでに建物が建築済みの状態で購入することになります。
マイホームを手に入れるまでにかかる費用が把握しやすく、気に入った物件があれば比較的すぐに新しい生活を始められます。

それに対して注文住宅は、施主様が土地を準備または購入して建物の建築をハウスメーカーや建築事務所に依頼します。
住宅を一から作り上げるスタイルであるため時間がかかるものの、設計の自由度が高く、自分の理想通りの住まいが手に入ります。

ただし、注文住宅には建築コストが見えにくく、予算オーバーになりやすいというデメリットがあります。
希望する住宅のスタイルが明確であり、オリジナルな住まいを作り上げたいと考えている方は、注文住宅を選びましょう。

注文住宅完成までの流れと注意点を徹底解説【土地なしの場合】

おしゃれな戸建ての前で遊ぶ家族

早速、注文住宅完成までの流れと注意点を説明します。
今回は土地の用意がなく、注文住宅の建設と土地の購入を実施するパターンで話を進めます。
すでに土地を入手している方は、土地購入のステップを飛ばしてください。

1.理想の住宅について家族で考える

まずは、注文住宅を建てるにあたって、「どのような住宅に住みたいか」という意見を家族と一緒に考えることから始めましょう。
家族の希望をまとめるのみでなく、希望に対して優先順位をつけていきます。

家族一人ひとりの意見に相違点がある場合は、全員が納得できる方向性を考えましょう。
近隣の住宅展示場を訪れれば、理想の住まいをイメージしやすくなります。

2.予算を検討する

次に、注文住宅建築に向けて用意できる予算を検討していきます。
一般的には、注文住宅の建築に必要な予算は、自己資金と住宅ローンの両方が用いられます。
住宅ローンの返済計画はもちろん、マイホーム建築後の人生プランも考えた予算を立てる必要があります。

【自己資金(頭金)】

家族の預貯金もしくは親族からの援助金などが自己資金で、頭金と呼ばれます。
最近では、自己資金がない状態でも住宅の建築を進められる住宅ローンが増えてきました。
しかし、一定の自己資金があった方が無理のない返済計画が立てられます。

【住宅ローン】

銀行や信用金庫などの金融機関が取り扱う住宅建築のための融資であり、さまざまな種類が存在します。
融資額に対して利息が発生するため、しっかりした返済計画を立てましょう。

また、注文住宅建築中には想定外の追加支出が出る可能性も考え、余裕のある予算を組む必要があります。
特に何らかのトラブルが起こった場合は、数百万円の追加費用が発生することもあります。

3.土地探し・購入

土地探しと購入のタイミングは状況によって異なります。
今回は注文住宅の計画スタート時に土地探しと購入を済ませるパターンを説明します。
「土地探し」の一般的な方法は、以下の2種類です。

  • 不動産情報サイトで気になる場所と相場を確認して、不動産会社に相談する。
  • ハウスメーカーや建築設計事務所に相談して、土地を紹介または手配してもらう。

注文住宅建築の場合、土地によっては市区町村の条例などにより建築に一定の制限がつく場合があります。
実際に建物を建築するハウスメーカーや建築事務所を介して土地を購入する時には、土地購入後の問題も相談しやすいです。

4.ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所を探す

土地探しと並行して、住宅の建築の依頼先を探します。
依頼先の選定は、理想的な注文住宅を建築するための重要なポイントです。
注文住宅を建築する際の代表的な依頼先は、ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所の3種類です。

【ハウスメーカー】

CMなどのマスメディア媒体で大々的にプロモーションを行っていることが多く、設計・建築・アフターメンテナンスまで一括して対応しています。
万全のアフターサポートが期待できます。

【工務店】

ハウスメーカーと比べると資本力や規模は劣るものの、地域密着型で長年に渡り営業展開している場合が多く、施工エリアに対して豊富な知識を所持しています。
ハウスメーカーと同様に、設計からアフターメンテナンスまで一括対応している場合と、建築請負のみを担当する会社があります。
工務店選定時には、予め対応範囲を確認しておく必要があります。

【建築設計事務所】

主に注文住宅の設計のみを担当しており、建築やアフターメンテナンスについては、提携先または付き合いのある工務店などと連携して注文住宅を形にします。
建築設計のエキスパートであるため、買主の意向を最大限に尊重してくれるというメリットがある一方で、建築後のアフターメンテナンスは工務店に一任されることも珍しくありません。

5.依頼先と打ち合わせをして仮見積もり受け取る

気になるハウスメーカーや工務店、建築設計事務所がある程度絞り込まれたら、依頼先に間取りなどの希望を伝えて仮見積もりを作ってもらいます。
この際は一社に絞らず、複数の相見積もりを比較します。
さらに各業者が「買主に寄り添ってくれる姿勢があるかどうか」もよく見極める必要があります。
住宅は建築して終わりというものではないため、アフターサポートの内容を確認し、安心して長く生活できる選択ができると良いでしょう。

6.住宅ローンの仮審査

自分が選択可能なローンを絞り込んでおくためにも、注文住宅建築をすることを決めたら、最初に金融機関の住宅ローンの仮審査を受けましょう。
審査結果が、希望の借入額に満たない可能性も考えられます。

また、注文住宅の建築では、引き渡しまでに費用の支払いタイミングが分割されて複数回訪れます。
支払い金額により、自己資金または住宅ローンでの支払いのどちらかにするか考える必要があります。

7.注文住宅の建築の依頼先を選定して工事請負契約を結ぶ

注文住宅建築を依頼するハウスメーカー、工務店または建築設計事務所が決まったら、詳細な打ち合わせを経た後に、工事請負契約を締結します。
工事請負契約書を受け取った後には、これまで打ち合わせで伝えてきた希望内容が正しく織り込まれているか、慎重に確認しましょう。

8.建築プランの詳細な打ち合わせを進めプランの決定

工事請負契約の締結が完了した後に、建築プランの詳細な打ち合わせをさらに進めていきます。
話し合いで決定する主な内容は以下のとおりです。

  • 地盤調査(場合によっては地盤改良工事が発生)
  • 間取りの詳細・住宅設備・建材・建具・内装/外装デザインの決定など
  • 市区町村への建築確認申請手続き
  • 支払いスケジュールの作成(住宅ローン本審査に向けた準備など)
  • 着工日や地鎮祭など日取り
  • 仮住まいへの転居スケジュール(建て替えの場合)

9.住宅ローンの本審査

「工事請負契約書」「設計詳細」「建築確認済証」などの書類が揃ったら、金融機関へ住宅ローン本審査を依頼します。
事前に仮審査が通っていたとしても、収入の変化や借入の増加など与信状況に変化があった場合、本審査で融資不可となる可能性があります。
住宅ローン本審査が終了し融資が実行されるまでは、なるべく転職や新たな借り入れは避けるようにしましょう。

10.工事着工

住宅ローン本審査が通って融資実行日が確定したら、いよいよ着工となります。
着工日確定後は、近隣住民への建築工事実施の挨拶に伺うようにしましょう。
工事音や振動に対するクレームトラブルを防ぐために、欠かせないステップです。

また、建築工事開始後は、可能な限り定期的に工事現場を見学することをおすすめします。
建築中の住まいの中も確認したい場合は、担当者に事前に相談してみましょう。

12.竣工・完了審査・引き渡し

建築工事が完了次第、市区町村による「完了審査」を受ける必要があります。
実際に建築された建物が、建築確認申請時の内容と相違ないかの確認を受け、問題がなければ検査済証が発行されます。
その後、施主様も立ち会っての最終チェックを実施し、気になる箇所があれば修正してもらった上で住宅の引き渡しが完了します。

注文住宅建築時のお金について

住宅ローンを説明するスタッフ

注文住宅建築時に発生する費用支払いのタイミングは、依頼先や施主様の状況によって異なります。
例えば、相続等により予め土地を所持していた施主様と、住宅建築に向けて土地を購入する施主様では、支払総額・内容はもちろん、支払い回数も異なります。

自分に適した資産計画が分からないという方は、住宅ローン仮審査を申し込む際に、金融機関に相談すると良いでしょう。
自分に適した住宅ローンの種類を把握してから、マイホームの建築計画を進めましょう。

また、マイホームの建築には、家具・家電の購入代金や、新居への引越し費用もかかります。
予算には十分な余裕を持っておきましょう。

注文住宅建築時の支払いタイミングの例

注文住宅を建築する際の費用を支払うタイミングの例は次の通りです。

費用の支払いタイミング 費用の内容の例
土地購入時 ・土地の売買契約時
・土地の引き渡し時
・手付金
・仲介手数料
・印紙税
・ローン借入費用
・司法書士報酬と登記費用
住宅建築時 ・工事請負契約時
・着工時
・引き渡し時
・住宅性能表示制度の費用
・印紙税
・建築確認申請費用
・地盤調査費
・司法書士報酬と登記費用
・地鎮祭費
・ローン借入費用

分割融資を活用すれば竣工前に融資を受けられる

一般的には、住宅ローンの融資実行は工事完了時になります。
しかし建築工事を始める際には、「着手金」や「中間金」などが必要です。

住宅ローンの融資実行前に支払うべき費用を自己資金で捻出できない場合には、住宅ローンの分割融資またはつなぎ融資を受けると良いでしょう。
それぞれの融資の特徴は以下を参考にしてください。

【分割融資】

ローン契約で決めた金額を、複数回に分けて融資実行してくれる仕組みを指しています。
分割融資に対応している住宅ローンは限られるため、事前に適したローンを選ぶ必要があります。

【つなぎ融資】

着工から竣工までの短期間を対象とした短期ローンで、つなぎ融資は住宅ローンと比較して金利がやや割高となります。
住宅ローン契約を結んだ金融機関がつなぎ融資も提供してくれることが多く、施主様は金利分だけを負担し、元本は住宅ローン融資実行時に一括返済可能です。

まとめ

おしゃれな照明が印象的なリビングダイニング空間

注文住宅を完成させるまでには、多くの工程が存在します。
それぞれのステップの注意点を理解すれば、理想的なマイホームを形にできるでしょう。

特に注文住宅の支払いの流れは複雑化しやすいため、事前に必要な手続きを理解しておくと良いでしょう。
十分な資産計画を行い、理想の住宅を手に入れましょう。

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この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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