古い急な階段のリフォーム費用は?安全な階段を作るためのポイント

  • 作成日:2023/12/25
  • 更新日:2024/10/25
  • 編集者:山根木材メディア編集部
古い急な階段のリフォーム費用は?安全な階段を作るためのポイント

老朽化した階段や急過ぎる階段は非常に危険です。万が一階段から落ちるようなことがあれば、大怪我または命を落とす可能性も考えられるでしょう。
自宅の階段に問題がある状態は、いち早く階段リフォームで解決するべきです。

今回の記事では、古くて急な階段のリフォームの種類や費用相場と、安全な階段を作るためのポイントについてまとめました。
階段のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

老朽化している古い急な階段を放置することは危険

古い急な階段を上から見た様子

冒頭でもお伝えしたように、老朽化した古い急な階段を放置することは非常に危険です。
具体的には、階段を上り下りする度にギシギシと軋むような音がしたり、階段の一部が浮いている・剥がれていたりするような状態を放置してはいけません。
また、階段の手すりがぐらついている・錆びついているという場合も早く修繕する必要があります。

古い住宅に急勾配な階段があるのはなぜ?

階段の老朽化に限らず、古い住宅には今の住宅では考えられないような急勾配の階段が存在します。
なぜなら、建築基準法が制定された1950年より前に建築された住宅は、住まいの他の設備のみでなく階段に関するルールも設定されていなかったのです。
階段の勾配が急で、簡単に踏み外してしまいそうな階段は非常に危険です。

建築基準法で定められている階段のサイズ

現代の住宅は、建築基準法で定められた以下のサイズが階段に適用されており、急勾配の階段を作ることはできないようになっています。

  • 階段の横幅:75cm以上
  • 一段の高さ(蹴上げ):23cm以下
  • 足を乗せる部分の奥行き(踏み面):15cm以上

階段の上りやすさは、蹴上げと踏み面のバランスで決まります。
一般的には、蹴上げは18〜20cm、踏み面は20〜22cmに設定される物件が多いものの、建築基準法を遵守していれば、好みのサイズが指定できます。
より段差が低く緩やかな勾配の階段も設置することができます。

階段の種類

階段にはいくつかの種類があり、希望するデザインや設置箇所によって選択するべき階段が異なります。
ここでは、代表的な階段の種類をまとめました。

直線階段

ストレート階段

直線階段は名称通りストレートの階段であり、少ないスペースでも設置が可能です。
勾配に気をつける必要があり、4m以上の階段には4m以内の踊り場をつけなければいけません。
また、比較的手頃な価格で設置できる階段の一つです。

かね折れ階段

木製の手すりがおしゃれなかね折れ階段が特徴的なリビングで5人家族が生活している様子

かね折れ階段は階段の途中で階段がL字に曲がっており、角には踊り場が設けられます。
万が一階段から落ちた場合も、階下まで落ちるリスクを減らすことができます。
直線階段よりも設置コストがかかりますが、吹き抜け構造との相性が良いです。

折り返し階段

黒い折り返し階段が特徴的な広いリビング

折り返し階段は途中の踊り場で階段が180度に曲がります。Uの字型を想像すると良いでしょう。
踊り場があることから、かね折れ階段と同じように転落リスクが少なくなるだけでなく、段数が多いため緩やかな勾配を作れます。
ただし、直線階段・かね折れ階段よりもさらにコストとスペースが必要です。

螺旋階段

螺旋階段が特徴的なおしゃれなリビング

螺旋階段は文字通り螺旋状の階段で狭いスペースにも設置でき、空間がスタイリッシュな印象に仕上がります。
螺旋階段であれば、リビングに設置しても圧迫感がないでしょう。
設置コストは高めであり、その他の階段よりも上り下りのしやすさは劣ります。
特に年配の方や小さなお子様のいるご家庭向きの階段とは言えません。

古い急な階段のリフォームにかかる費用の相場

階段の板を外したリフォーム中の様子

古い急な階段は、毎日の生活に潜む大きな危険要因です。
特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、転落事故のリスクが高まるため、早めのリフォームが推奨されます。
以下の表を参考に、具体的なリフォーム内容ごとの費用相場を確認してみましょう。

リフォーム内容 費用相場
滑り止めの設置・リフォーム 1万円程度
手すりの設置・リフォーム 15万円程度
階段の床材変更 30~100万円程度
階段の勾配を緩やかにする 20~150万円程度
階段の位置の変更 150~300万円程度

30万円未満でできる階段リフォームは手すりや滑り止めの設置

階段の滑り止めや手すりの設置は、古い急な階段でも比較的手軽に安全性を向上させる方法です。
滑り止めは1万円程度で設置でき、既存の段板に滑り止めシートを貼ることで、雨の日の靴や室内での靴下歩行による滑りを防ぎます。
手すりの設置は15万円ほどの費用で行われ、急な階段でも上り下りのサポートになります。
これらのリフォームは短期間で実施できるため、施工期間の負担も軽く、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭で人気の高い工事です。

20〜100万円でできる階段リフォームは階段の素材やデザイン変更

古い階段の見た目が気になる場合や、劣化が進んでいる場合には、素材やデザインを変更するリフォームが効果的です。
床材の変更は費用が20万〜100万円程度かかり、選ぶ素材によって価格が変動します。
無垢材や高級フローリング材を使えば、家全体の印象を向上させ、住まいの資産価値を高める効果も期待できます。

もう少し手軽な方法として、階段に新しい床材を「上張り」するリフォームもあります。
既存の階段の上に新しい素材を貼り付けるだけなので、工事が簡単で費用も5万〜20万円程度に抑えられます。
急な階段でもデザインを一新することで、暮らしの満足度が向上し、毎日の上り下りが快適になります。

階段の勾配を緩める階段リフォームには100〜150万円

古い住宅によく見られる急な階段は、そのままでは高齢者にとって危険であり、日常生活に負担がかかります。
勾配を緩やかにするリフォームは、段数を増やして一段あたりの高さを抑えることで実現します。
部分的な調整の場合は20万〜50万円程度で施工可能ですが、勾配が特に急な階段では、階段全体を作り直す必要があり、100万〜150万円の費用がかかることがあります。

階段の勾配を緩やかにすることで、上り下りの負担が軽減され、家族全員が安心して使用できる階段になります。
特に、これからの高齢化を見据えたリフォームとして有効であり、急な階段を緩やかに改善することで、毎日の生活がより安全で快適になるでしょう。

階段の設置場所自体を変更するには150〜300万円

階段の位置を変更するリフォームは、生活動線を改善するための大規模な工事です。
今の階段が家の使い勝手を妨げている場合や、狭く暗い場所に古い急な階段が設置されている場合、別の場所に移設することで住環境を大幅に向上させることができます。
こうした工事には150万〜300万円ほどの費用がかかり、間取りの変更が必要になるケースも多いです。

階段を新しい場所に移設する際は、設計士や建築士と相談しながら、家全体のバランスを考慮したプランを立てることが重要です。
吹き抜けや中庭に面した開放的な階段にすることで、住まいの雰囲気を明るくし、生活の質を向上させることも可能です。

古い急な階段をリフォームして安全な階段にするためのポイント

男性がフットライトを階段に貼っている様子

古い急な階段をリフォームする際には、転倒事故を防ぎ、安全性を向上させる工夫が欠かせません。
急な勾配はもちろん、段差の高さや素材選びなど、細かな要素が階段の使い心地に影響します。
ここでは、古い急な階段をリフォームする際に押さえるべきポイントをいくつか紹介します。

滑りにくさに配慮する

階段の床材を選ぶときは、滑りにくい素材を選定することが重要です。
古い急な階段では、特に踏み外しのリスクが高まるため、滑り止めの設置が有効です。
小さな子どもや高齢者の使用を想定し、それぞれの状況に適した素材を選ぶことが大切です。
リフォーム時に床材の変更を検討する場合は、段板に滑り止め加工を施すことで、より安心感のある仕上がりになります。

フットライトなどの照明を設置する

階段の多くは壁に囲まれているため、夜間に足元が暗くなることがあります。
このため、踏み外しを防ぐためには、通常の天井照明に加えてフットライトを設置することが効果的です。フットライトは階段の段差を明るく照らし、夜間でも足元をしっかり確認できるようにします。

また、人感センサー付きのライトを使えば、通るたびに自動で点灯するため、電気の消し忘れを防ぎ、省エネにもつながります。
特に、高齢者が多い家庭では、視認性を高める照明設備の導入が推奨されます。

踏み面の奥行きと段差の高さを最適化する

古い急な階段のリフォームでは、段差の高さと踏み面の奥行きに注意することが重要です。
急勾配の階段は、上り下りの際に足がしっかり置けず、バランスを崩して転倒するリスクがあります。
理想的な階段は、一段あたりの高さ(蹴上げ)が18~20cm、踏み面の奥行きが20~22cmほどになるように設計されます。
段差を緩和することで、日常的な負担を減らし、特に高齢者や子どもにも優しい階段を実現できます。

手すりの設置で上り下りの負担を軽減する

古い急な階段をリフォームする際には、手すりの設置も重要なポイントです。
手すりがあることで、上り下りの際に身体を支えやすくなり、転倒の危険を軽減できます。

リフォームでは、階段の両側に手すりを設置することが理想的ですが、スペースの都合で片側しか取り付けられない場合もあります。
その際は、握りやすい形状の手すりを選ぶと良いでしょう。
木製や金属製の手すりなど、素材によって見た目や使い心地が異なるため、使用する人の好みに合ったものを選ぶことも大切です。

階段の音を軽減する工夫を取り入れる

古い階段では、上り下りのたびにギシギシと音が鳴ることがあります。
こうした音は、住宅の老朽化だけでなく、夜間の生活に支障をきたす場合もあるため、リフォームでの改善が求められます。
階段の音を軽減するためには、床材の交換時に防音シートを取り付けたり、階段の構造を強化したりすることが有効です。
音の問題を解決することで、家全体の快適性が向上し、日常生活がよりストレスフリーになります。

古い急な階段をリフォームをする際の注意点

階段や部屋の中をリフォームしている様子

古い急な階段のリフォームは、安全性や快適性を向上させる重要な工事ですが、事前に適切な準備をしておかないと、予期せぬトラブルに見舞われる可能性があります。
リフォームをスムーズに進めるためにも、生活への影響や工事中の対応をあらかじめ考えておくことが大切です。
ここでは、古い急な階段をリフォームする際の注意点について詳しく解説します。

リフォーム期間中の生活には工夫が必要

大掛かりな階段のリフォームは、1日で終わることはほとんどなく、工事が数日から数週間に及ぶこともあります。
そのため、リフォーム期間中は階段が使用できなくなるケースが多く、生活の工夫が必要です。
特に2階に寝室がある家庭では、1階のみで生活できる環境を整えておくことが求められます。

工事開始前に、2階にある必要な荷物をすべて1階に移動させておくと良いでしょう。
必要に応じて、リフォームの間だけホテルや親族の家に滞在することも選択肢の一つです。
リフォーム期間の見込みを業者から事前に確認し、スケジュールに余裕を持って対応することで、生活への影響を最小限に抑えられます。

階段リフォームは専門業者に依頼する

古い急な階段のリフォームは、安全性を高めるための重要な工事です。
そのため、手すりの取り付けなど一見簡単そうに見える作業でも、DIYで行うのは避けるべきです。
プロの手による施工であれば、確実な仕上がりが期待できるため、事故のリスクを大幅に減らすことができます。

DIYによる手すり設置の場合、強度が十分でないと使用中に手すりが外れてしまい、重大な事故につながる可能性があります。
専門業者に依頼することで、安全基準に沿った施工が行われ、家族全員が安心して階段を利用できる環境が整います。

介護リフォームの補助金を活用する

高齢者の暮らしを支えるために、階段のリフォームを含むバリアフリー工事を検討する家庭も多いです。
こうしたリフォームは、国や自治体の補助金制度の対象となることがあります。
特に、急な階段を緩やかにする工事や手すりの設置は、介護リフォームとして認められるケースが多く、費用の一部が助成される可能性があります。

リフォームを計画する際には、地元の自治体が提供する補助金制度を確認し、必要な条件を満たしているかどうかを業者と相談しておきましょう。
介護が必要な家族がいる場合には、こうした支援制度を活用することで、コストを抑えながら安全で快適な住まいを実現することができます。

介護リフォームで使用できる補助金・助成金については、こちらの記事でより詳しく説明しています。

リフォーム後のメンテナンスを考慮する

階段リフォーム後も、定期的なメンテナンスが重要です。
手すりの緩みや床材の劣化など、使用する中で気付く問題が出てくる可能性があるため、アフターサービスの内容を事前に確認しておくと良いでしょう。
信頼できる業者であれば、リフォーム後の点検や修理をスムーズに対応してもらえるため、長く安心して使用できる環境が整います。

また、リフォーム後の段差や勾配の変化が生活に与える影響にも注意が必要です。
高齢者や小さな子どもがいる家庭では、勾配の緩やかな階段が安全性を高めますが、使用する人が変わったり、新たなニーズが生じた場合に備え、将来を見据えた設計を考えることが大切です。

リフォーム費用を抑えるための工夫

階段リフォームは、施工内容によって費用が大きく異なりますが、少しでも費用を抑えたい場合は、業者と事前にしっかり打ち合わせを行うことがポイントです。
例えば、全体の設計を見直すことで、勾配の調整や手すりの設置など、優先順位をつけた施工が可能になります。
特に、階段の素材選びでは、豪華なフローリング材などを避けてコストを抑えることも一つの方法です。

古い急な階段をリフォームして、安全な生活を手に入れよう!

劣化した階段や急な階段は非常に危険であり、落下により大怪我をする可能性があります。
階段に不安な点があるのなら、すぐにリフォームを検討するべきでしょう。

階段のリフォームは選択するリフォーム内容によって必要な費用が異なるため、予算に合わせたリフォームは何か考えてみてください。
より安全性の高い階段を設置すれば、自分が歳をとった後でも安心して暮らせます。

山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。

今なら「リフォームまるわかり大辞典」を無料進呈中です。お問い合わせ・資料請求は、下記お問合せフォームからお気軽にご連絡ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

山根木材リモデリングウェブサイト

人気の記事

  • スロープの最適な勾配とは?計算方法や測り方、リフォーム費用も紹介

    2024/01/12

    スロープの最適な勾配とは?計算方法や測り方、リフォーム費用も紹介

  • 青空の下祈る子ども

    2023/11/16

    起工式とは?挨拶と流れや着工式・地鎮祭との違いを解説

  • 3LDKマンションのリフォーム費用は? 予算別にできることや実例を紹介

    2024/02/22

    3LDKマンションのリフォーム費用は? 予算別にできることや実例を紹介

  • 赤いソファが印象的な古民家リフォーム

    2024/01/15

    古民家リフォームで必要な耐震補強とは?費用相場や注意点を解説

  • 壁紙・クロス張り替えリフォームの費用相場は?安く抑える6つの方法

    2024/01/31

    壁紙・クロス張り替えリフォームの費用相場は?安く抑える6つの方法