上棟式とは?式の流れやポイント、事前準備や費用相場を解説

  • 作成日:2023/12/27
  • 更新日:2024/07/01
  • 編集者:山根木材メディア編集部
上棟式とは?式の流れやポイント、事前準備や費用相場を解説

上棟式は住宅の骨組み工事が完了したことに感謝する儀式であり、今後の工事の安全を祈る役割もあります。
上棟式では、なかなか顔を合わせる機会がない工事関係者とも交流できる機会となります。
しかし工事の効率化が求められる今では、上棟式を実施しない住宅も増えました。

今回は、上棟式についての情報やポイントと注意点をまとめました。
これから住宅を建築しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

上棟式とは?

晴天の下、住宅を建築する様子

上棟式とは住宅建築時に建物の骨組みの完成(棟上げ)を祈る儀式であり、主に木造住宅建築時に実施されます。
棟上げを無事に終えたことに感謝すると同時に、家屋の守護神と大工の神様を祀り、今後の工事の安全を祈ります。
ただし、木造住宅でもプレハブ住宅・ツーバイフォー工法の住宅では棟上げの工程自体が存在せず、上棟式を実施しない場合があります。

上棟式・地鎮祭・竣工式の違い

地鎮祭にて鍬入れを行う人

住宅建築時に実施する儀式には、上棟式の他に地鎮祭や竣工式があります。
ここでは、それぞれの式の違いについてまとめました。

式の名前 実施タイミング 目的
地鎮祭 着工前 住宅を建築する土地の氏神様を祀り、土地の使用許可を得て工事の安全と家内繁栄を祈願する
上棟式 骨組み完成時 棟上げを祝い、この先の工事の安全を祈願する
竣工式 引き渡し時 工事の完了に感謝しながら、今後の繁栄を祈願する

上棟式をしないという選択肢もある

上棟式は必ず実施しなければいけないものではありません。そもそも棟上げが存在しない工法では上棟式も省略されます。
基本的に上棟式の有無は施主が決定権を持ち、神事的な祈願を省いて簡略化することもできます。
上棟式の開催は着工前に決めて施工会社に相談しておくと良いでしょう。

上棟式前に向けての事前準備について

メモをもとに話し合う二人

上棟式の実施を決めた時には、次のような準備が必要です。
施工会社に確認しながら必要な準備を行いましょう。

上棟式の参加人数を施工業者に確認しておく

最初に上棟式に参加者を確認します。何人の工事関係者が参加可能かを工務店やハウスメーカーに聞き、それぞれの役職も知っておくと良いでしょう。
一般的には、棟梁と現場監督が1名ずつ・その他の関係者が10名程度参加する場合が多いです。
家族や親族も参加する時には、施主側の参加者もカウントしましょう。

上棟式の日程を決めて依頼する

上棟式は大安や友引などの吉日に実施することが多いものの、参加者のスケジュールに合わせて調整される場合もあります。
上棟式を神主主導で進めたい方は地元の神社に依頼しましょう。
上棟式の予約は遅くても1ヶ月前までに済ませるとスムーズです。

上棟式に必要な物

一般的に、上棟式に必要な祭壇などは施工会社で用意されます。
ここでは、施主が用意しなければいけないことが多い物を説明します。

上棟式で使用する物

上棟式で用意する必要がある物の代表例は以下の通りです。

  • 棟札:棟梁が棟木に飾る安全祈願の御札
  • 御弊:屋根裏や祭壇に飾る木製のお祓い道具
  • お米・お塩・お神酒:お供えや儀式中に使われる

用意するべき物がわからない時には、施工会社に確認すると良いでしょう。

工事関係者に振る舞う物

上棟式では、食事や飲み物を振る舞うことが一般的です。参加人数に合わせて用意する必要があります。

  • お弁当:1,000〜2,000円程度のお弁当を人数分用意する(省略される場合もある)
  • 飲み物:お茶やジュースなど、場合によってはビールや酎ハイなどのアルコールも用意する

工事関係者に渡す物

上棟式では工事関係者にご祝儀や引き出物を渡します。

  • ご祝儀:ご祝儀袋に入れて用意しておく
  • 引き出物:3,000〜5,000円程度の品物を用意する

上棟式当日の流れとポイント

ここでは、上棟式の流れを簡潔に説明します。状況により多少内容が異なる場合もありますが、事前に確認しておきましょう。
一般的には棟上げと同日に上棟式を実施するものですが、家が大きい時は作業に時間がかかり、棟上げと上棟式が1日ではなく2日に分けて行われます。

1.棟上げ作業の開始

朝から職人が住宅の骨組みを組んでいき、棟梁が屋根の上に棟木を設置します。
住宅の大きさによって必要な時間が異なり、一般的な住宅であれば朝から15時頃までに棟上げが完了します。

2.祭壇を飾り付けて御供物を備える

簡易的な祭壇を作り御供物を整えます。
工事関係者が整えてくれることが多いものの、施主が手伝うこともできます。

3.清めの儀式

神主を呼ばない上棟式の場合には、棟梁・施主で清めの儀式を行います。
清めの儀式では、家の四隅の柱に塩・お米・酒・水を撒いて建物や土地を清めてください。
この儀式は「四方固めの儀」と呼ばれ、二礼二拍手一礼の祈願も行います。
儀式には施主も参加しますが、棟梁や工事関係者の指示に従えば良いでしょう。

4.工事関係者や施主の挨拶と食事

工事関係者や施主が挨拶をして式を締めくくります。その後は施主が食事や飲み物を振る舞います。
食事の席を設けない時には、持ち帰り用の食事を用意して解散することもあります。
事前に、地域の風習や施工会社の方針を確認しておくと良いでしょう。

また、上棟式は工事関係者と交流できる数少ない機会です。
これまでの工事の御礼を伝えながら、今後の工事がスムーズに進む良好な関係を築きましょう。

5.施主が工事関係者にご祝儀や引き出物を配る

事前に用意しておいたご祝儀や引き出物を、施主から工事関係者に配ります。
工事関係者一人ひとりに心を込めた挨拶を行うと良いでしょう。
上棟式自体は、30分〜1時間程度で終了します。

上棟式の予算について

上棟式に必要な費用は、10〜30万円程度になります。費用の内訳は以下の通りです。

品物 費用相場
米・塩・酒などの御供物 1万円程度
ご祝儀(役職により異なる) 3,000円〜5万円/人
引き出物 3,000〜5,000円程度/人
飲食費 2,000円程度/人

神主を招いた儀式をする場合には、さらに玉串料として2〜5万円を用意しましょう。
参加者の数や食事の内容により必要なコストが変わります。

地域によっては別のコストがかかる場合もある

地域によって、上棟式と同時に餅まきなどのイベントを行う際には、追加の費用がかかります。
昔は上棟式では餅まきを行うこともよくありましたが、衛生面や費用の観点から餅まきを行わない人も多いようです。
また、盛大な儀式になるほど費用が嵩みます。
お住まいの地域の慣習次第では、お餅以外にお菓子・タオル・小銭などを撒く場合もあります。

特にこれまで縁がなかった土地に暮らし始める方は、事前に土地の風習を確認しておきましょう。

上棟式のポイントや注意点

最後に、上棟式前に知っておくべきポイントや注意点をまとめました。事前に内容を確認しておきましょう。

上棟式の挨拶はシンプルかつ短いもので良い

スピーチをする様子

上棟式の挨拶は短くシンプルなものにしましょう。工事の安全を祈る気持ちと工事関係者への労いの言葉を意識すると良いでしょう。
長すぎる挨拶は参加者に疎まれる恐れがあります。上棟式の施主挨拶例文は以下を参考にしてください。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
皆様のおかげで無事に上棟式を迎えることができました。
私たち家族にとってかけがえのないマイホームの完成が今から楽しみです。
これからの工事も怪我や事故のないように進めていただければと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。」

家族の想いや自分自身のエピソードも加えると、より聞く人の心に響く挨拶になるでしょう。

上棟式の服装はビジネスフォーマル

スーツのボタンを留める人

上棟式の服装はスーツまたはビジネスフォーマルを意識します。
簡易的な略式の場合は普段着でも構いませんが、ラフな印象の服装は避けましょう。
具体的には、男性は襟付きのシャツとチノパンやスラックス、女性はワンピースやセットアップを着用すると良いです。
サンダルや半ズボンなど露出度が高い服装は控えましょう。

用意するご祝儀の金額は役職に合わせて用意する

工事関係者に渡すご祝儀は相手の役職に合わせて調整します。
ご祝儀の目安は以下を参考にしてください。

  • 棟梁:2〜5万円
  • 現場監督:1〜3万円
  • その他の職人:3,000〜2万円

事前に参加者の人数と役職を確認して、必ず人数分のご祝儀を用意しましょう。

また、ご祝儀袋は慶事用の水引を金額に合わせて選択してください。
表書きには「祝上棟」や「上棟式御祝」と記載します。

まとめ

木造建築の模型

上棟式は住宅の骨組みである棟上げ完了時に実施する儀式です。
上棟式の実施は施主が決められますが、上棟式を活用して現場で働く工事関係者を労うことができます。

上棟式を開きたい場合は、施工会社に参加者を確認し、地域の風習も調べておくと良いでしょう。
上棟式に必要な物や式の流れを知っておけば、安心して上棟式が実施できます。

工事関係者と良好な関係が築ける機会である上棟式は、マイホーム建築における大切なセレモニーの一つです。
十分な準備をして思い出に残る上棟式にしましょう。

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この記事を書いた人
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