トイレは住宅の中でも使用頻度が高く、汚れや経年劣化が目立ちやすい部分です。
また、最新のトイレは掃除の手間を大幅に少なくできる機能や節水・節電機能が搭載されていることから、トイレリフォームを機能向上のために検討する方もいるでしょう。
今回の記事では、トイレのリフォームにかかる費用を軽減できる補助金や助成金制度についてまとめました。
トイレのリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
トイレリフォームに必要な費用の相場
トイレの寿命は使用方法やお手入れ方法で変わるものの、10〜15年だと言われています。
適切なタイミングでリフォーム工事をしなければ、トラブルにつながる可能性があるでしょう。
トイレのリフォームは、現段階のトイレの状態やリフォーム予定のトイレによって必要な費用が異なります。
トイレのリフォームの費用相場は以下の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 | 工期目安 |
トイレ全体のリフォーム | 15~35万円 | 1~2日程度 |
トイレ便器交換のみ | 5~20万円 | 半日~1日程度 |
トイレ便器交換のみ (和式→洋式) |
15〜60万円 | 2〜3日程度 |
トイレクロスの張り替え | 3〜5万円 | 1〜2日程度 |
トイレ床材張り替え | 1~6万円 | 1~2日程度 |
便座交換のみ | 5~10万円 | 1~2時間程度 |
手すりの設置 | 2~15万円 | 1時間程度 |
手洗いの設置 | 4~20万円 | 1~3日程度 |
トイレの移動 | 30~60万円 | 3~5日程度 |
トイレの増設 | 70~200万円 | 3~5日程度 |
トイレはメーカーごとにさまざまな種類が用意されており、選択するランクによって必要なコストが変わってきます。
トイレリフォームの際におすすめできるトイレについては、こちらの記事を参考にしてください。
マンションのトイレリフォームにかかる費用については、こちらの記事を参考にしてください。
トイレリフォームに活用できる可能性がある補助金・助成金の種類
トイレのリフォームが対象になる補助金・助成金制度には次のようなものがあります。
制度の名称 | 特徴 | 補助・助成金 |
介護保険住宅改修費補助 | 要介護認定にて要介護/要支援認定を受けた方が対象 | 工事費上限20万円 (利用者の所得に応じて自己負担額が変わる) |
子育てエコホーム支援事業 | 住宅の省エネ化に関するリフォームが対象 ※リフォームの場合は子育て世帯・若夫婦世帯の制限なし |
〜20万円 (引き上げ措置あり) |
地方自治体の補助金・助成金 | 地方自治体により異なる | 地方自治体により異なる |
それぞれの補助金・助成金の特徴については次の章以降で説明します。
介護保険住宅改修補助
トイレでは狭い空間での立つ・座るなどの作業があり、手足が不自由になった方が最初に困難を感じるスペースでもあります。
そして、トイレを自分でできなくなることは要介護者の大きな心身的負担につながるでしょう。
トイレに手すりを設置する・開き戸を引き戸にするなどのリフォームを実施すれば、トイレに行くハードルを下げられます。
また、排泄介助が必要になった時にも介助をする方の負担を減らすことができます。
介護保険住宅改修補助は、トイレのバリアフリー化が対象になる補助金制度であり、トイレ以外のバリアフリーリフォームにも使えます。
介護保険住宅改修補助の対象になる方
介護保険住宅改修補助の対象となるのは、以下の要件を全て満たしている方です。
- 利用者が要介護認定にて要介護または要支援と認定されている
- 利用者の介護保険証に記載された住所でリフォーム工事を実施する
- 利用者が福祉施設や病院に入院せず該当の物件に暮らしている
また、介護保険住宅改修補助の対象リフォームは1人ではなく1件の住宅に1回までという制限も設けられています。
申請に必要な書類を揃えるためには、ケアマネージャーへのサポートが必要です。
介護保険住宅改修補助の上限金額
介護保険住宅改修補助では、利用者の収入に応じてリフォーム費用の負担が1〜3割で設定されます。
工事費の上限は20万円ですが、一度目のリフォーム終了後に要介護状態区分が3段階以上高くなった時には、再度同条件の補助が受けられます。
介護保険住宅改修補助の対象になる具体的なトイレリフォームの例
介護保険住宅改修補助で実施するトイレリフォームの代表的な例は以下の通りです。
- 手すりの設置
- 開き戸から引き戸への変更
- 出入り口の段差の解消
- 介護スペースの確保
- 床材をクッションフロアに変更
- 和式トイレを洋式トイレに変更
必要なリフォームの内容については、ケアマネージャーに相談すると良いでしょう。
介護リフォームについては、こちらの記事でより詳しく説明しています。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は新築住宅の建築・購入の他に、既存住宅のリフォームも対象となる制度です。
既存住宅の対象リフォームは以下の3種類であり、いずれかの実施で補助を受けられます。
- ドアや窓などの開口部の断熱改修
- 外壁・屋根・天井・床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
また、上記の工事と同時に実施する子育て対応・バリアフリー・防災性能向上改修なども補助の対象です。
ただし、子育てエコホーム支援事業の対象になるためには、リフォーム工事の内容ごとに指定された型番の設備の導入や、設定された基準値をクリアする必要があります。
子育てエコホーム支援事業の対象になる方
子育てエコホーム支援事業を新築住宅の建築または購入で活用するためには、子育て世帯または若夫婦世帯の限定がありますが、リフォームでの活用では世帯は制限されていません。
ただし、子育てエコホーム支援事業の支援事業者として認められている登録事業者でのリフォーム工事のみが補助の対象になります。
子育てエコホーム支援事業の公式サイトから、近隣の支援事業者を探してみてください。
子育てエコホーム支援事業の上限金額
子育てエコホーム支援事業では、リフォームの内容により補助金額が設定されています。補助金の合計額20万円までが補助され、5万円未満は対象外になります。
また、子育て世帯と若夫婦世帯は補助上限額を引き上げ可能であり、最大60万円までの補助が受けられます。
子育てエコホーム支援事業の対象になる具体的なトイレリフォームの例
子育てエコホーム支援事業の対象になる具体的なトイレリフォームの例は以下の通りです。
- 節水型トイレの設置
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 出入り口の幅の拡張
子育てエコホーム支援事業は、発注者ではなく支援事業者であるリフォーム業者が申請作業を代行することから、リフォーム内容のみでなく申請作業についても業者に確認しましょう。
子育てエコホーム支援事業について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
地方自治体ごとに用意された補助金・助成金制度
トイレのリフォームには地方自治体ごとに独自の補助金・助成金制度が用意されている場合があります。
お住まいの地域の補助金・助成金制度については、直接自治体に相談してみましょう。
例えば東京都豊島区では、高齢者の転倒事故を予防するための助成金制度として「住宅改修設備改修助成事業」を用意しています。
トイレの改修では便器の洋式化を対象として、106,000円の補助金が交付されます。
リフォーム減税制度
トイレのリフォームは補助金・助成金制度が活用可能なだけでなく、リフォーム減税制度の対象になります。
具体的には、高齢者及び要介護・要支援認定者がバリアフリーリフォームを実施した場合、翌年の所得税が最大で10%(控除対象限度額20万円)控除可能です。
リフォームによる減税制度を活用する際には、納税地の所轄税務署で確定申告を実施しましょう。
トイレリフォームで活用できる補助金・助成金の注意点
トイレリフォームを行う際、補助金や助成金を活用することで費用を抑えることができますが、その際にはいくつかの重要な注意点があります。
これらを押さえることで、スムーズなリフォームを実現し、補助金・助成金を最大限に活用することが可能です。
補助金・助成金申請のタイミングとスケジュール調整
トイレリフォームに補助金や助成金を活用する際には、申請のタイミングが非常に重要です。
多くの補助金や助成金には申請期限が設定されており、予算が上限に達した時点で受付が終了することもあります。
そのため、リフォームのスケジュールを事前にしっかりと計画し、申請期限内に手続きを完了させることが求められます。
さらに、申請には審査があり、工事開始前に許可が下りることが条件となる場合もあるため、早めの準備が必要です。
受給資格と併用可能な補助金・助成金の確認
トイレリフォームに利用できる補助金・助成金の受給資格は、リフォームの内容や申請者の条件によって異なります。
例えば、介護保険住宅改修補助は、要介護認定を受けた方のみが対象です。
また、補助金や助成金によっては他の制度と併用できる場合もあるため、複数の補助金を組み合わせて利用することで、さらに費用を抑えることが可能です。
事前に各補助金の受給条件や併用可否を確認し、最適な組み合わせを検討しましょう。
適切なリフォーム業者の選定
補助金・助成金の申請手続きは複雑な場合が多く、適切なリフォーム業者を選ぶことが成功の鍵となります。
申請手続きに精通している業者であれば、必要な書類の準備や申請のサポートをしてもらえるため、スムーズに進めることができます。
また、リフォーム業者によっては、補助金申請の代行サービスを提供している場合もあるため、業者選びの際にはこの点も確認しましょう。
経験豊富な業者を選ぶことで、工事の質も確保され、トラブルを未然に防ぐことができます。
リフォーム完了後の報告と書類提出
補助金や助成金を受け取るためには、リフォーム完了後に必要な報告や書類提出が求められます。
例えば、工事完了報告書や費用明細書などを所定の期間内に提出しなければならないことがあります。
この手続きを怠ると、補助金や助成金の受給ができなくなる恐れがあるため、リフォーム業者と連携して確実に手続きを完了させましょう。
また、補助金を受け取った後も、一定期間内に使用状況の報告を求められることがあるため、注意が必要です。
まとめ
トイレリフォームをすれば、経年劣化したトイレやバリアフリー化されていないトイレを家族が使いやすく新しいものに変えられます。
この記事で紹介したような補助金・助成金制度を活用して、トイレリフォームの費用を抑えましょう。
また、減税措置の適用になれば、支払うべき税金を少なくする効果も得られます。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
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