マイホームの建築を考えた時は、最初に住宅の構造を考える必要があります。
住宅構造が異なれば、選択可能な設備や必要なコストも変わります。
住宅の構造は大きく分けて鉄骨造と木造の2種類があります。
今回の記事では特に木造の住宅に焦点を当てて、住宅構造について分かりやすくまとめました。
建築予定の住宅の構造を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
木造住宅の5種類の工法
日本国内で建築されている木造住宅には、基本的に木造軸組工法・ツーバイフォー工法・木造ラーメン工法・木造プレハブ工法・ログハウスの5種類が採用されています。
ここでは、それぞれの工法の特徴について説明します。
木造軸組工法(在来工法)
「木造軸組工法」は「在来工法」と呼ばれることもあり、木造住宅の工法の中で最も長い歴史を持っています。
「基礎に対して柱を垂直に立てる」「柱に対して水平に梁を渡す」流れで、住宅を形にしていきます。
柱と梁の変形を防ぐために設置する補強材が筋交です。
木造軸工法では、「柱・梁・筋交」の3種類の構造材が重要な役割を果たします。
ツーバイフォー工法(枠組壁工法)
ツーバイフォー工法は外国で開発され、アメリカやカナダでスタンダードな工法として導入されており、1970年代以降に日本でも採用されるようになりました。
ツーバイフォー工法の別名は「木造枠組壁工法」です。
ツーバイフォー工法は使用される構造材の断面が、縦2インチ(5.08cm)、横4インチ(10.16cm)という特徴が名前の由来です。
最近では、構造材のサイズが異なる「ツーバイシックス(2×6)」や「ツーバイエイト(2×8)」工法も普及しています。
ツーバイフォー工法では、木造軸組工法のような柱・梁・筋交が存在せず、構造材に合板を打ちつけたパネルを組み合わせて住宅を構成します。
パネル自体が住宅の柱の役割を果たすことから、より強度が高くなるのです。
木造軸組工法が「線」を組み合わせる工法だとしたら、ツーバイフォー工法は「面」を組み合わせる工法だと考えて良いでしょう。
木造ラーメン工法
鉄骨造の工法であるラーメン工法を木造住宅に応用した工法が「木造ラーメン工法」です。
ドイツ語で「Rahmen(ラーメン)」は「骨組み・枠組」という意味を持ちます。
木造ラーメン工法では、工場でプレカットされた木製の構造材(柱・梁)と、構造接合部を繋ぐ役割を果たす金物を使用して住宅を組み上げていきます。
柱と梁のみで住宅を構成可能なため間取りを自由に考えやすいことから、開放感がある広い部屋を実現できます。
木造プレハブ工法
木造プレハブ工法は木質系の材料を使用し工場で生成されたパネルを用いて、床・天井・壁面などを組み立てます。
あらかじめ工場で生産と加工が進められるため、短期間で住宅を完成できるのみでなく、建築コストも大幅に抑えられます。
プレハブ工法には、木造プレハブ工法の他に、鉄骨を使用した鉄骨系プレハブ工法や箱型のユニット作成まで工場で進めるユニット系プレハブ工法などが存在します。
ログハウス
ログハウスは、丸太を積み重ねて壁や屋根などを形成する建物を指します。
いくつかの工法があり、工法ごとに機能性や見た目が変化します。
丸太の壁で建物がしっかり支えられることから、室内には大きな空間を実現できます。
また、手作りのような温かみを感じられる特徴的な仕上がりになります。
木造軸組工法とツーバイフォー工法の構造の違い
ここでは、日本で施工件数の多い木造軸組工法とツーバイフォー工法の違いについて分かりやすくまとめました。
木造軸組工法は間取りの自由度が高い
木造軸組工法の最大のメリットは、設計の自由度が高いことです。住宅の間取りは構造によって自由度が異なります。
パネルで住宅を支えるツーバイフォー工法と比較して、柱や梁を用いて住宅を構成する木造軸組工法は、梁の組み方次第で自由に間取りを設計できるのです。
大きな開口部や吹き抜けは、木造軸組工法が得意としています。
また、木造軸組工法はリフォームが進めやすい工法であり、「将来的に子供部屋の壁を取り払って、大きな部屋として使用する」というような間取変更も難しくありません。
ツーバイフォー工法は耐震性・耐火性が高い
ツーバイフォー工法の場合はパネルが枠組として機能するため、4面の壁+2面の天井と床で支える構造になり、耐震性が上がります。
また、パネルは炎を跳ね返し着火しにくいことから、万が一の火災発生時も延焼を防げる可能性もあります。
ツーバイフォー工法は、耐震性や耐火性に優れた構造なのです。
住宅の構造材に使用される木材の種類
木造住宅の要である木材は、種類によって性質やコストが異なります。
ここからは、木造住宅の構造材としてよく使われる木材の種類を紹介します。
木材には「無垢材(丸太から切り出した木材)」と「集成材(細かな木材を接着剤で成形した木材)」が存在しますが、今回は無垢材を前提として話を進めます。
それぞれの構造材については、以下の記事を参考にしてください。
スギ
スギは日本国内で昔から使われてきた木材で、入手しやすいことから手頃な価格が設定されています。
湿気やシロアリによる腐食に強く構造材として適性があるため、柱・梁・土台などによく用いられます。
スギは比較的柔らかい樹種であるものの、厚みを出せば構造的な問題を解決できます。
色合いは淡紅色から赤褐色、黒褐色をしています。
梁に使用すると和風な雰囲気に仕上げることができます。
ヒノキ
ヒノキもスギと同様に古くから存在する構造材であり、神社や仏閣などの歴史的建造物にも活用されています。
高い強度と耐久性を併せ持ち、耐湿・耐水性やシロアリによる腐食にも非常に強いため、優れた構造材の一つになります。
色合いは浅黄白色・淡い黄褐色・淡い紅色をしています。
また、ヒノキ特有の良い香りや見た目も楽しめることから、マイホームにヒノキを取り入れたいと考える施主は多いです。
ただし、他の木材と比較して高価というデメリットがあります。
構造材にヒノキを選ぶ際には、ある程度の予算を用意する必要があるでしょう。
住宅の内装材に使用される木材の種類
床や壁、天井などの家の内側から見える木材を「内装材」と呼びます。
内装材として使用される木材は、住宅の雰囲気や居住者の満足度に影響を与えます。
内装材は構造材よりも多くの量が必要であり、メンテナンス性も考慮する必要があります。
マイホーム建築の予算も考えながら木材を選定しましょう。
また、内装材として使用される樹種は多いため、ここでは代表的な4種類について紹介します。
1.パイン
パイン材は北米産の松を指します。白っぽい色味を持ち、木目が優しく温かみを持つことから、主にフローリングとして使用されます。
他の木材と比較して加工しやすいため、壁材や建具、家具などにもよく使用されています。
2.サクラ
サクラといえば日本人には馴染み深い樹種です。
住宅の内装材として使用されているサクラの樹種には、アメリカンブラックチェリーやヤマザクラなどがあります。
表面がなめらかで触り心地が良いことら、主にフローリング材として用いられます。
アメリカンブラックチェリーは経年により色味に深みが増すという特徴を持ち、家具の材料としても人気を集めています。
3.チーク
チークは世界三大銘木(ウォールナット・チーク・マホガニー)の一つであり、高級材として住宅内装や家具に用いられているものの、輸入制限の影響で入手難易度が高めです。
油分を含む木材であり耐久性や耐水性に富み、摩擦や防虫耐性も強い特徴を持っています。
また、経年により色味に深みが増し、高級感や重厚感を演出します。
4.ウォールナット
ウォールナットも世界三大名木の一つです。
数ある樹種の中でも特に人気が高く、フローリングや家具の素材として活用されています。
深い色味を持ちながら木目が非常に美しく、モダン・クラシックを問わずどのような雰囲気の住宅にも馴染みます。
ウォールナットをマイホームの内装に活用すれば、経年とともに木材の黒っぽさが抜けていき、落ち着いた茶色に変化していく様子を楽しめます。
まとめ
住宅の構造には鉄骨造と木造があり、木造にも木造軸組工法・ツーバイフォー工法・木造ラーメン工法などの種類が存在します。
選択する構造により、住宅の間取りや強さのみでなく必要なコストも大きく異なります。
家族が希望するマイホームに求める事柄を十分話し合い、自宅に適した構造は何か考えてみてください。
その際には、住宅構造別の特徴について十分な理解が必要です。
この記事を参考に、家族にベストなマイホームの構造体は何か比較検討しましょう。
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