これまで近代の戸建て住宅は二階建てが主流であったものの、最近ではさまざまな要因により一階建て住宅である「平屋」を選択する方が増えています。
平屋には二階建て住宅とは異なるメリットがあるのです。
今回の記事では平屋住宅の特徴とともに、平屋の注文住宅を建築する際に知っておくべき費用相場や平均的な坪単価を詳しくまとめました。
平屋住宅に魅力を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
平屋の魅力とは
平屋住宅には次のような魅力があります。より詳しい平屋住宅のメリットについては、こちらの記事を参考にしてください。
1.体への負担が少ない
多くの方は建築後のマイホームに何十年も暮らすため、老後の生活を考えて体への負担を最小限に抑えられる住まいとして平屋住宅を選択しています。
平屋住宅は日常生活の中で階段移動をする必要がないことから、体への負担のみでなく転倒や事故のリスクも少なくすることができます。
平屋住宅での家事動線は全て水平の移動のみで完了します。家事動線がシンプルにまとまる点も平屋住宅の魅力の一つです。
2.家族の存在を感じながら生活を送れる
間取りによって異なるものの、二階建て住宅では違う階にいる家族の気配が感じ取りにくいものです。
住まいの中心にリビングが位置するような間取りの平屋住宅であれば、どの部屋にいても家族の存在を感じながら日々を過ごせるのです。
特に子どもが成長して家族の生活スタイルが変化した時でも、コミュニケーション不足になる可能性を減らせます。
3.リフォーム時のメンテナンス性に優れる
住宅に長く暮らすためには定期的なリフォームが欠かせません。
平屋住宅は屋根までの高さが低いことから、屋根や外壁リフォーム時も足場を高く組み上げる必要がない分、メンテナンス性に優れています。
また、支えるべき二階部分がないため、間取りの変更も比較的自由に進められます。
平屋を新築する際に必要な費用の相場
マイホームを新築する時には予算の設定が欠かせません。
ここでは、平屋の注文住宅を建築する場合の費用相場と事例をまとめました。
平屋注文住宅の坪単価
一般的な平屋住宅の坪単価は、80〜100万円程度が相場だと言われています。
なお、住宅設備のグレードや選択する建材によって坪単価は大きく変動します。
特に平屋は屋根の面積が二階建て以上の住宅と比較して広くなるため、屋根材にこだわる時には、坪単価が高くなる傾向があります。
平屋注文住宅の費用相場
平屋住宅の大まかな費用相場は、以下の計算式で算出可能です。
①建築費用=坪単価×延床面積
②付帯工事費=上記①の20%
③諸費用=上記①の10%
④相場=上記①+上記②+上記③
現段階ですでに決定している要素があるのなら、上記の式で必要コストを計算してみてください。
予算を総額に当てはめて、目安にするべき坪単価を逆算することも可能です。
平屋住宅の広さ別のコスト事例
ここでは、先ほど紹介した計算式を活用し、坪単価90万円の平屋住宅の建築に必要なコストの例をまとめました。
【1LDK(約25坪/2人暮らし)の場合】
費用相場=①(25×90)+②(25×90×0.2)+③(25×90×0.1)
=2,250+450+225
=2,925万円
【2LDK(約26坪/2〜3人暮らし)の場合】
費用相場=①(26×90)+②(26×90×0.2)+③(26×90×0.1)
=2,340+468+234
=3,042万円
【3LDK(約29坪/〜4人暮らし)の場合】
費用相場=①(29×90)+②(29×90×0.2)+③(29×90×0.1)
=2,610+522+261
=3,293万円
【4LDK(約32坪/〜5人暮らし)の場合】
費用相場=①(32×90)+②(32×90×0.2)+③(32×90×0.1)
=2,880+576+288
=3,744万円
平屋と二階建てはどちらがお得?
「平屋住宅と二階建て住宅ではどちらがお得なのか」を気にする方は多いです。
しかし、住宅建築に必要な費用はレイアウト設計を含むプランによって異なるため、一概に平屋住宅と二階建て住宅のどちらの方がお得かとは言い切れません。
住宅建築時のコストを抑えたいのなら、階数とは別の点でコストダウンを考えるべきです。
平屋住宅のコストダウンのポイントは、次の章を参考にしてください。
平屋の建築費用を抑えるポイント
ここでは、平屋住宅建築時のコスト削減に有効なポイントを紹介します。
費用を抑えた住宅建築を成功させるためにも、以下の点を把握しておきましょう。
シンプルな外観を意識する
平屋住宅の外観はシンプルなものにすると良いでしょう。
複雑な形状の住宅は外壁の総面積が大きく屋根の形状も複雑になるため、材料費や施工費を含む建築費用が上がります。
また、無駄なスペースも生まれやすいことから、できるだけ正方形や長方形のようなシンプルな外観を目指しましょう。
シンプルな形状の住まいは、耐震性が高くなる傾向もあります。
部屋数と壁の数を減らす
室内の部屋数や壁の数が増えたり部屋の広さが大きくなれば、その分必要な建材も増えていきます。
もちろん耐震を目的とした壁は必要であるものの、無駄に部屋数を増やすべきではありません。
さらに、廊下を用意せず住宅の中心にリビングダイニングを設置して廊下と兼用すれば、家族が自然にリビングダイニングに集まる住まいを形を実現できます。
素材や設備のコストダウンを試みる
システムキッチンやユニットバスなどの住宅設備には、いくつものグレードが設定されています。
グレードが高い設備は高性能かつデザイン性に優れているものが多いものの、オーバースペックになる可能性もあります。
全ての設備のグレードを統一するのではなく、キッチンにこだわりたいのならキッチンのみをハイグレードにするなど、設備に優先順位をつけることも大切です。
また、内外装や屋根材のグレードも十分検討する必要があります。
平屋住宅は二階建て住宅と比較しても屋根面積が大きいため、屋根材については価格と機能をよく吟味すると良いでしょう。
ハウスメーカーが標準に設定している商品はその時代・時期に人気の設備も取り入れつつ、お求めやすい価格で採用している事が多いため、まずは標準仕様を体験してみる機会を持つことが大切です。
補助金・助成金の活用を考える
平屋住宅を建築する際には、国や地方自治体が用意している補助金や助成金の制度が使用できないかチェックしましょう。
特に政府は現在、環境に優しく長期的に高い性能を保てる住宅に対して以下のような補助金を用意しています。
- 子育てエコホーム支援事業
- ZEH補助金制度
- 給湯省エネ事業
その他にも、地方自治体が独自に補助金・助成金を交付している場合もあるため、事前にお住まいの自治体に確認しておきましょう。
子育てエコホーム支援事業については、こちらの記事で詳しく説明しています。
平屋の注文住宅建築は安ければ良いというものではない
住宅建築時には非常に多くのコストがかかることから、コストカットに注視してしまう傾向があります。
しかし、マイホーム建築はコストのみを考えて実施するべきではありません。
「安ければ安いほど良い」という考えでは、住宅に暮らしてから高額な維持費が必要になったり、リフォームが困難になったりする可能性があります。
また、本来であれば家族の安全と健康を守るべき役割を持つ住宅に、安心して暮らせないような状態は避けなければいけません。
住宅建築時には平均的な予算を確認した上で、無理なコストカットは避けながら長く暮らせるマイホームを実現しましょう。
まとめ
平屋住宅には、バリアフリーな住宅が建築しやすい・家族の存在を感じながら生活を送れるなどのメリットが存在します。
平屋住宅の平均的な坪単価は80〜100万円であり、二階建て住宅と比較して大きな違いはありません。
平屋住宅と二階建て住宅の特徴を十分理解して、家族に適した住宅の階数を考えてみてください。
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