マンションにお住まいの方のなかには「玄関が狭い」「収納が足りない」など、玄関への悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
一般的に、マンションの玄関は戸建てと比べてスペースが狭くなりがちです。
加えてさまざまな制約がありますが、リフォームすることは可能です。
「家の顔」ともいわれる玄関をリフォームすることで、快適な空間に変わり、自分や家族が気持ち良く出入りできるようになるでしょう。
本記事ではマンションの玄関リフォームについて、工事内容や費用、実例、リフォームする際の注意点をご紹介します。
マンションの玄関リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マンション玄関に多い悩み
マンション玄関に多い悩みとは、一体どんな内容なのでしょうか。
考えられる悩みとして挙げられるのは、主に以下の5つです。
- 狭い
- 収納が足りない
- 間取りによっては部屋の奥まで見えてしまう
- 防犯性能が心配
- デザインが古い
戸建てと違い、マンションは元々のつくりや面積が限られているため、玄関リフォームといっても大幅に変更できないのではないかと考えることもあるでしょう。
しかし、上記のような悩みはリフォームすることで解決できるケースがほとんどです。
マンションの玄関でもリフォーム可能な内容については、以下で詳細に解説していきます。
マンション玄関で可能なリフォーム内容8選
一般的にリフォームを行える範囲が少ないと思われがちなマンション玄関ですが、主に以下のようなリフォームが可能です。
- 玄関を広くする
- 床材を変更する
- 土間をつくる
- 収納スペースをつくる・増やす
- クロスを変更する
- 照明を替える
- 室内窓を設置する
- 玄関ドアの交換
以下で、それぞれの内容について詳しくご紹介します。
①玄関を広くする
マンションの玄関は面積が決まっているので、広くすることはできないのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、玄関と隣り合わせになっている部屋のスペースを有効活用することで、玄関の面積を大幅に広げることができます。
工期は2週間程度かかるのが一般的です。
玄関を広くすることで出入りしやすくなるだけでなく、アウトドア用品や自転車などの大きなアイテムを収納できたり、シューズクロークを設置できたりと自分仕様にカスタマイズして楽しめます。
アウトドアの趣味がある方や、スニーカーなどの靴の収集が趣味の方などにもおすすめのリフォームです。
②床材を変更する
玄関の床材を変更することで、玄関の雰囲気をガラッと変えることができます。
工期は1~2日程度と、比較的早く完了します。
汚れが目立つ場合や高級感を出したい場合、明るい印象に見せたい場合などにおすすめです。
使用できる床材にはさまざまな種類があり、主にタイル・モルタル・洗い出し・石などが挙げられます。
近年人気の無機質なおしゃれ感を演出したい場合は、タイルかモルタルが良いでしょう。
種類によって費用が異なる点には注意が必要です。
③土間をつくる
「土間」とは室内に上がる前の土足スペースのことです。
一般的な玄関とは異なり、ちょっとした作業や収納ができるほどの面積を確保したうえで、居住空間の一つとして活用できます。
広さにもよりますが、工期は1~2週間ほどです。
土間をつくることでコミュニケーションスペースができたり、趣味用品の置き場にできたりするので、単なる出入りするための玄関ではなく、自分や家族にとっての特別な場所へと変化します。
また、ペットがいる場合は、土間に洗い場を設置することで散歩から帰ってきてすぐに足を洗うことができます。
シャンプー台としても使用できる大きさのものをつくれば、部屋の中を汚さずにペットのケアを行うことが可能です。
④収納スペースをつくる・増やす
子どもが使う部活道具などを収納したい場合や家族の人数が多い場合は、収納スペースをつくるか増やすリフォームが良いでしょう。
収納はオープン棚や飾り棚、造作棚、シューズインクローゼットなど種類が豊富です。家の雰囲気や好みのテイスト、収納量に合わせて選ぶようにしましょう。
収納の設置方法や種類によっても異なりますが、工期は1日~1週間程度です。
玄関収納は靴に限らず、コートやベビーカーなどを収納することにも使えるので、将来のライフステージを見据えた設計にすることをおすすめします。
⑤クロスを変更する
床材の変更と同様に、クロス(壁紙)を変更することで手軽に玄関の雰囲気を変えられます。
一般的な玄関の広さは1~2帖ほどなので、高級な壁紙を使ったとしてもそれほど値段が高くなることはありません。また、工期は約1日で完了します。
クロスは見た目の雰囲気を変えられるだけでなく、さまざまな機能も持ち合わせています。
玄関は室内と外を出入りする場所なので、汚れ・キズがつきにくいものや、消臭効果のあるもの、抗菌・抗アレルギーのものなどの機能を持つクロスを選ぶと、より快適な空間にすることができます。
⑥照明を替える
照明を取り替えることでも玄関の雰囲気を変えられます。
家全体の雰囲気を表すような照明を選ぶと、統一感が出るのでおすすめです。
印象的なデザイン性のある照明も人気がありますが、洗練された印象を与えたい場合は間接照明がうってつけです。
光源(光っている部分)が見えないので、スッキリとシンプルな雰囲気にまとめられるほか、目が疲れにくくリラックス空間にもなります。
足元灯も取り入れておくと、さらに利便性が高まり明るい印象になるでしょう。工期は1日程度です。
照明だけを替えるのであれば費用はそこまでかかりませんが、間接照明にしたい場合は埋め込むためのスペースが必要なため、多少費用がかさみます。
玄関の雰囲気に合わせたデザインだけでなく、予算とも相談して決めるようにしましょう。
⑦室内窓を設置する
玄関を換気したい場合や開放感がほしい場合は、室内窓を設置するリフォームがおすすめです。
また、室内窓を設置することで光が差し込むので、玄関全体を明るく見せることができます。
室内窓には開閉できるタイプだけでなく、開閉できないタイプ(FIX窓)もあります。
開閉できないタイプは金具などがない分、スッキリとした印象があり、玄関をシンプルに見せたい場合におすすめです。
工期は1~2日ほどですが、室内窓のタイプによって費用は異なります。
設置する高さや場所によってはプライバシーを確保しにくくなるため、設置する目的や設置位置をしっかりと決めておくことが大切です。
⑧玄関ドアの交換
玄関ドアを交換することで、見た目や気密性・断熱性、開閉のスムーズさ、ドア枠の強度の向上、防犯性などさまざまな問題を解決できます。
壁を壊さない施工であればドア交換は比較的簡単に行うことが可能で、家の雰囲気も変えられるため築年数の経過に伴ってリフォームするケースが多い傾向にあります。
今設置してある玄関ドアの形に合うサイズのものであれば、交換するだけなので工期は1日で済みます。
しかし、今よりも大きなサイズにする場合は間口のサイズを広げる必要があるため、工期は2~3日程度かかるので注意しましょう。
また、マンションの場合は玄関ドアは共用部分に該当します。
基本的には分譲であっても勝手にリフォームすることは禁止されているため、リフォーム可能かどうか管理会社に事前に相談するようにしましょう。
【項目別】マンション玄関のリフォームにかかる費用相場
前述のとおり、マンション玄関でもさまざまなリフォームが可能です。
しかし、リフォームの最終判断として気になるのは費用面です。
項目別のマンション玄関のリフォームにかかる費用相場は、以下の表を参考にしてください。
リフォーム内容 | 費用相場 |
玄関を広くする | 40万~100万円程度 |
床材を変更する | 3万~20万円程度 |
土間をつくる | 30万~100万円程度 |
収納スペースをつくる・増やす | 5万~50万円程度 |
クロスを変更する | 3万~6万円程度 |
照明を替える | 1万~5万円程度 |
室内窓を設置する | 7万~30万円程度 |
玄関ドアの交換 | 20万~50万円程度 |
機能面にこだわったり、素材や設備にこだわったりすることで、上記の費用相場と大幅にズレが生じる可能性があります。
費用相場はあくまで目安の一つとし、機能性やデザイン性など、それぞれの好みに合わせて選ぶようにしましょう。
マンションの玄関リフォーム事例
マンションの玄関リフォームを検討している方は、実際にリフォームを行いどのような変化を得られるのかが気になることでしょう。
事例を確認することで、今の玄関でどこまでのリフォームが可能なのかが見えてきます。
以下で、マンションの玄関リフォーム事例を1件ご紹介します。
築25年のマンション玄関をリフォームによって一新
上の写真は、瀬戸内海を望む築25年の4LDKのマンションリフォーム事例です。
30代夫婦と子ども2人の4人家族をイメージし、環境にも人にも優しい自然素材を取り入れた住まいに一新しました。
リフォーム前は、多くのマンションが抱える「玄関の狭さ」「収納不足」「廊下の暗さ」を感じさせる玄関でした。
今回のリフォームでは玄関横の洋室一間を有効活用し、家族のコミュニケーションが飛び交う土間を実現しています。
上着や鞄はもちろんのこと、自転車まで余裕を持って収納できる点が魅力です。
エントランスホールが広くなっただけでなく、ガラス面の大きなリビングドアから入る光により、明るさも確保することができました。
マンション玄関をリフォームする際の注意点
実際にマンション玄関をリフォームしようと思っても、自分だけの判断で勝手に進めることはできません。
事前に注意点を知っておくことで、関係者に迷惑をかけることなくスムーズに玄関リフォームを行えます。
マンション玄関をリフォームする際の注意点は、主に以下のとおりです。
- 事前に管理会社へ確認・申請する
- 原則としてリフォームできるのは専有部分のみ
- マンションの構造を確認する
- 周囲に告知する
ここからは、それぞれの内容について詳しく解説します。
事前に管理組合へ確認・申請する
マンションでリフォームできる範囲は、基本的に管理規約によって決められています。
勝手にリフォームしてしまうとトラブルに発展する可能性があるため、希望するリフォームの内容が決まったら、リフォーム会社へ依頼する前に管理規約を確認してください。
管理規約では詳細がわからないような場合は、管理組合へ確認すると良いでしょう。
希望するリフォーム内容を伝えたうえで、リフォームして良い箇所・内容、条件などを細かく確認しておく必要があります。
併せて管理組合への申請が必要になるケースが多いので、リフォーム実施前に忘れず行うようにしましょう。
申請には建築図面や工程表などの書類が必要になる場合があるので、リフォーム会社に書類を取り寄せておくとスムーズです。
原則としてリフォームできるのは専有部分のみ
玄関は専有部分と共用部分の境目になっています。
そのため、内容によってできるリフォームとできないリフォームに分かれます。
原則としてリフォームできるのは専有部分のみなので、玄関ドアのリフォーム(交換)は管理組合の許可が必要です。
玄関ドアの交換はNGとしているマンションも少なくないため、場合によっては諦めることになるケースもあるでしょう。
マンションの構造を確認する
マンションの構造がリフォームの可否を分けることもあるため、あらかじめ確認しておく必要があります。
例えばマンションが壁式構造(※1)の場合は、玄関を広くする工事は制限がかかる可能性が高くなります。
一方で、ラーメン構造(※2)であれば柔軟な間取り変更が可能なため、希望通りの玄関リフォームが叶いやすくなるでしょう。
マンションの場合、一部屋ずつは個人の所有物ですが、建物全体は共有の所有物であることを認識することが大切です。
(※1)柱や梁を使わず、ワンフロアごとに壁・天井を組み立て、コンクリートを打設した構造のこと
(※2)従来工法で使われる構造。梁・天井を設置し、コンクリートを打設したもの
周囲に告知する
玄関に限らず、マンションでリフォームする際は周囲への告知が必須です。
事前にリフォームを行うことを知らせていないと、工事によって音や振動が響いた際に住人に迷惑がかかり、トラブルに発展する可能性があります。
お知らせには工事日程や時間帯、業者名・責任者の連絡先などを記載します。
また、少なくとも隣近所の住民には直接挨拶に伺うようにすると、印象を悪くせずリフォームを行えるでしょう。
マンションでも玄関リフォームの幅が広く、快適空間を実現可能
今回は、マンションの玄関リフォームについて解説しました。
マンションは戸建てに比べるとリフォームの選択肢が少ないように感じますが、意外とリフォーム可能な内容の幅は広く、快適空間を実現することが可能です。
少しだけ雰囲気を変えたいという場合には、まずは壁紙や照明を替えるなどの簡単なリフォームから始めてみてはいかがでしょうか。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
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