既存の窓を高性能なものにリフォームすると、住宅の断熱能力が向上して暮らし心地も変わります。
しかし、住宅にはいくつも窓が存在するため、リフォームには多くのコストがかかります。
今回の記事では、窓リフォームに活用可能な補助金と助成金についてまとめました。
窓のリフォームを考えているのなら、補助を活用して金銭的な負担を軽くしましょう。
窓のリフォームの種類と費用相場
ここでは、窓のリフォームの種類と必要な費用の相場を一覧にしました。
まずは窓リフォームの予算を立ててリフォーム計画を考えていきましょう。
工事の種類 | 小窓 | 中窓 | 大窓 |
内窓の設置 | 5~10万円 | 8~20万円 | 10~30万円 |
窓ガラスの交換 | 0.8~3万円 | 1~3万円 | 2~4万円 |
カバー工法 | 5~10万円 | 10~15万円 | 10~20万円 |
はつり工法 | 10~15万円 | 20~30万円 | 40~50万円 |
窓のサイズは小窓が60cm×100cm程度、中窓が90cm×120cm程度、大窓が180cm×170cm程度を目安に分類しています。
それぞれの工事内容についての説明は、以下の章を参考にしてください。
内窓の設置(インナーサッシ)
内窓は既存の窓の内側に取り付けて断熱・防音効果を高めます。
二重窓になることで掃除の手間が増えるというデメリットも存在するものの、住宅の断熱性能を大幅に向上させることができます。
窓ガラスの交換
窓ガラスにヒビや傷が存在する時には、窓ガラスの交換が必要です。また、窓の性能を高める目的で窓ガラス交換を選択するのもおすすめです。
窓ガラスをグレードの高いものにすれば、断熱性・防犯性・防音性などの向上が期待できます。
ただしハイグレードな窓ガラスは相場よりも導入費用が高くなります。
カバー工法
カバー工法では、既存のサッシを壊さずカバーするスタイルで新しいサッシとガラスを設置します。
壁を壊さずに済むことから後期が短く手頃な価格であるというメリットがあるものの、今の窓よりも少し窓を小さくする必要があります。
はつり工法
はつり工法では壁を壊して既存のサッシを取り除き、サッシと窓を丸ごと新しいものに付け替えます。
窓のサイズを既存のものより大きくすることも可能ですが、大掛かりな工事になるためコストが増えるのみでなく工期も長くなります。
窓のリフォームが対象になる補助金・助成金一覧
ここでは、窓のリフォームに活用可能な補助金と助成金を一覧にしました。
補助金や助成金にはそれぞれ対象の工事と要件が設定されているため、自分が活用可能であるか事前に確認しましょう。
①先進的窓リノベ事業
「先進的窓リノベ事業」は、既存住宅の窓を高断熱化してエネルギー価格高騰への対応やCO2排出量削減を進めるためにあります。
補助額は工事内容により異なるものの、最大で200万円もの補助金が受け取れます。
ただし、リフォーム工事は事務局に登録済みの窓リノベ事業者に限定されることから、自由にリフォーム業者を選べません。
【先進的窓リノベ事業の要件】
- 建築後1年以上が経過した住宅であり、過去または現在人が入居している
- 窓リノベ事業者と工事請負契約を締結・工事を実施する
- 窓のリフォーム工事を実施する住宅を所有している
【先進的窓リノベ事業の補助金額】
- 補助額上限:200万円
- 窓ガラス交換:0.4〜4.8万円
- 内窓設置工事:3〜12.4万円
- カバー工法での外窓交換工事:5.1〜18.3万円
- はつり工法での外窓交換工事:5.1〜18.3万円
②子育てエコホーム住宅支援事業
「子育てエコホーム住宅支援事業」は、子どもがいる世帯や若者夫婦世帯が住宅を新築・購入する際に活用できる制度です。
リフォームの場合は、その他の世帯も補助の対象になります。
「先進的窓リノベ事業」と同じく発注可能な業者は登録事業者に限られており、申請作業も登録事業者が代行します。
【子育てエコホーム住宅支援事業の要件】
- 子育てエコホーム支援事業登録事業者と工事請負契約を締結・工事を実施する
- 窓のリフォーム工事を実施する住宅を所有している
- リフォーム後の窓が設定された基準をクリアしている
【子育てエコホーム住宅支援事業の補助金額】
- 窓ガラス交換:0.3〜1.2万円
- 内窓設置工事・外窓設置工事:1.5〜3.5万円
また、窓の断熱性向上リフォームと同時に実施する次のようなリフォーム工事も補助の対象です。
- 子育て対応リフォーム
- 防災性向上リフォーム
- バリアフリー化リフォーム
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵保険などへの加入
「子育てエコホーム支援事業」については、こちらの記事を参考にしてください。
③既存住宅における断熱リフォーム支援事業
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、エネルギー消費効率の改善と低炭素化を促進する目的で、高性能建材を活用したリフォームを支援しています。
住宅全体の窓を対象とした「トータル断熱」と、居間に存在する窓を対象とした「居間だけ断熱」の2種類のリフォームが対象です。
補助を受けるためには、窓リフォームに登録済みの商品を導入する必要があります。
【既存住宅における断熱リフォーム支援事業の要件】
- 窓のリフォーム工事を実施する住宅を所有している
- 15%以上の省エネ効果が見込まれる建材(補助対象商品)を導入する
【既存住宅における断熱リフォーム支援事業の補助金額】
補助額上限:120万円(ただし、対象経費の3分の1以内)
④住宅エコリフォーム推進事業
「住宅エコリフォーム推進事業」はカーボンニュートラルの実現に向けて既存住宅を省エネ化させるために生まれました。
2箇所以上の開口部改修工事を実施する際に申請可能であり、窓以外の断熱工事や設備の効率化に関する工事も補助の対象になります。
【住宅エコリフォーム推進事業の要件】
- 補助対象に登録された製品を活用したリフォーム
- 登録事業者と工事請負契約を締結・工事を実施する
- 2箇所以上の工事を実施する
【住宅エコリフォーム推進事業の補助金額】
補助額上限:35万円
以下の項目のうち最も低い額が補助額に該当する
- モデル工事費×40%
- 実際の工事費×40%
- 補助上限額
⑤長期優良住宅リフォーム推進事業
「長期優良住宅リフォーム推進事業」は、既存住宅を長寿命化・省エネ化させるための事業です。
その他の補助金や助成金と異なり、リフォーム工事前に「インスペクション」という有資格者による建物現状調査を実施する必要があります。
【長期優良住宅リフォーム推進事業の要件】
- リフォーム工事前にインスペクションを実施し、維持保全計画及びリフォーム履歴を作成する
- リフォーム工事後に設定された基準を満たす
【長期優良住宅リフォーム推進事業の補助金額】
補助額上限:評価基準型 100万円/認定長期優良住宅型 200万円
補助金の計算方式は以下の2通り
- 補助金=補助工事単価合計額の3分の1(単価積上方式)
- 補助金=補助対象工事費の3分の1(補助率方式)
地方自治体ごとの補助金・助成金も存在する
お住まいの地域の地方自治体に独自の補助金・助成金が用意されている場合もあります。
窓のリフォームに限らず、リフォーム工事を検討する前には、地方自治体独自の補助金・助成金を確認しておきましょう。
ここでは、広島市で用意している制度を紹介します。
広島市「省エネ改修等を行った住宅に対する軽減措置」
広島市では、既存住宅の省エネ改修を支援するための制度を提供しています。
この制度では、住宅所有者が省エネ改修を行った場合、一定の条件を満たせば固定資産税が3分の2に軽減されます。
特に、複数の開口部の工事を含む省エネ改修を行う場合、税額の軽減が適用され、窓のリフォームなども含めた広範な改修が奨励されています。
補助金・助成金申請時の注意点
一般的な補助金・助成金には予算上限や期限が設定されており、予算が終了すれば期限内でも受付が打ち切られます。
そのため、活用を検討している補助金や助成金があるのなら、最新の情報を確認しながら可能な限り早くリフォームを実施しましょう。
また、制度によって必要な手続きが異なることから、申請の流れを理解しておく必要があります。
事前申請が必要な制度を申請無しに着工まで進めてしまうと、補助対象外になる恐れがあるでしょう。
まとめ
窓のリフォームにより断熱性能を高める場合、複数の補助金や助成金の対象になる可能性があります。
補助金や助成金の中には併用可能な制度も存在するため、活用予定の補助金や助成金のルールを事前に確認しておきましょう。
補助金・助成金を活用すれば、費用的な負担を最小限に減らしながら理想の窓リフォームを実現できます。
まずは窓リフォームの計画を立てながら、補助金・助成金制度について調べてみましょう。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。
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※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。