ディスポーザーとは?メリット・デメリットやリフォーム費用を解説

  • 作成日:2024/01/19
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
ディスポーザーとは?メリット・デメリットやリフォーム費用を解説

ディスポーザーの活用により、自宅で発生する生ゴミの量を大幅に減らせます。
ディスポーザーはシンク下に設置するため、特別なスペースを用意する必要もなく、家事を効率化することができます。

今回の記事では、ディスポーザーを取り付けるメリットとデメリットの他に、必要なコストや知っておくべき注意点をまとめました。
ディスポーザーの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ディスポーザーの歴史

ディスポーザーが設置されている

ディスポーザーとは英語の「dispose(不用物を廃棄する)」を由来とし、日本語では「生ゴミ粉砕処理機」と呼びます。
ディスポーザーは日本ではなくアメリカ合衆国で生まれました。その歴史は古く1927年に原型となる商品が誕生し、1960年以降にアメリカ全土に普及していきました。

日本では1970年代に、松下電器(現在のパナソニック)・シャープ・日立がディスポーザーを製造・発売しました。
しかし、当時の日本は下水道処理施設の整備率がまだ低かったこともあり、本格的にディスポーザーが普及し始めたのは1997年以降となります。

ディスポーザーの仕組み

ディスポーザーが生ゴミを粉砕する仕組みは以下の通りです。

  1. シンク下の排水管の手前部分に設置されたディスポーザーで、生ゴミをモーター駆動の刃で細かく粉砕処理していく。
  2. 粉砕処理後の生ゴミは専用排水管に向かう。
  3. 建物外の地下に別途設置された浄化槽(排水処理槽)で粉砕処理した生ゴミを微生物が分解する。
  4. 浄化処理された汚水は公共下水道に流されていく。

ディスポーザーの具体的な使用方法

じゃがいもの皮をディスポーザーへ入れている様子

ディスポーザーの使用方法は導入する機種で多少異なるものの、大まかには以下の3ステップで生ゴミの処理を進めます。

  1. 水を流しながら生ゴミを受け口に投入する
  2. 蓋を閉める
  3. スイッチを入れて粉砕処理

また、ディスポーザーには、生ゴミを一定量まで受け口に投入し、止水栓の蓋を閉めることで稼働する「一括投入方式」とスイッチを入れた後に生ゴミを投下する「連続投下方式」の2種類があります。
いずれのタイプの機種も、生ゴミの処理能力に大差はなく一般的に三角コーナーにいっぱいの量の生ゴミを30秒〜1分程度で粉砕処理します。

ディスポーザーを自宅に設置するメリット

生ゴミをディスポーザーに入れている様子

近年、ディスポーザーは多くの世代から人気を集めています。ここではディスポーザーを自宅に設置するメリットについてまとめました。

毎日のゴミ出しや掃除が楽になる

多くの方は生ゴミをすぐに処分したいと考えるものですが、自治体ではゴミの分別収集を行っており、生ゴミが出た時点でゴミを処分することは難しいでしょう。
それに対して、ディスポーザーは基本的に生ゴミが出るたびに使用します。生ゴミを長く自宅に保管せずに済むのです。
また、家庭から排出されるゴミの量自体が減り、ゴミの重量が軽くなります。

害虫や悪臭の発生を防ぐ

家の中に生ゴミを保管しておくと、いつの間にかコバエやゴキブリといった害虫を招き寄せてしまいます。
また、生ゴミは時間が経過するにつれて悪臭を放つようになります。ディスポーザーを使用すればこれらの悩みから解放されるのです。

環境に優しい

一般的に、自治体では生ゴミを可燃ゴミとして収集されています。
可燃ゴミは最終的にゴミ処理場でまとめて焼却処理されますが、水分を含む生ゴミは燃えにくく焼却に多くの熱量を必要とします。
ディスポーザーの使用により生ゴミを減らせれば、二酸化炭素の排出量をその分少なくできるのです。

ディスポーザーを自宅に設置するデメリット

ディスポーザーの設置には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
代表的なものは以下の通りです。

電気代と水道代が増える可能性がある

ディスポーザーを使う時にはモーターを一定時間駆動させるため、電気を消費します。
また、同時に水道水を流し続けることから、水道代にも影響が出るでしょう。
ディスポーザーの使用頻度は生ゴミの排出量に比例します。結果的に、自炊率が高い方ほど電気代と水道代が増えてしまう可能性があるのです。

定期的なメンテナンスが欠かせない

ディスポーザーを長く使うためには粉砕機部分だけでなく、粉砕処理後の排水を分解処理する浄化槽のメンテナンスも必要です。
ディスポーザーの設置で得られるメリットは多いものの、一定のコストがかかってしまいます。

ディスポーザーの動作音が気になる方もいる

ディスポーザーは、モーター駆動の刃で生ゴミを粉砕処理します。モーターの駆動音と粉砕時に発生する音を含めた動作音が気になる方もいるでしょう。
特に家族の生活時間帯が異なるご家庭では、動作音を配慮する必要があります。

ディスポーザーの設置費用とメンテナンス費用の目安

ディスポーザーの設置費用とメンテナンス費用の目安は以下の通りです。

内容 費用目安
新築住宅へのディスポーザー設置 30〜35万円
既存住宅へのディスポーザー後付け 40〜45万円
既存のディスポーザーの交換 8〜14万円
ディスポーザーの修理費用 1.5〜2万円
ディスポーザーの撤去費用 3万円前後

また、ディスポーザーの寿命は7〜10年だと考えられています。

ディスポーザーで処理可能なもの・不可能なもの

NOと書いている付箋を手で持っている

生ゴミの中にはディスポーザーで粉砕できないもの(メーカーが推奨していないもの)があります。
粉砕できない生ゴミをディスポーザーに入れてしまうと、故障の原因になってしまいます。

【処理可能なもの】

  • 残飯
  • お茶の葉
  • 小さな骨類(魚、鶏など)
  • 卵の殻
  • 小さな貝殻(しじみ、あさりなど)
  • 小さな種子(梅干しの種)

【処理できないもの】

  • 硬い繊維質を含む食材(エンドウのさや、トウモロコシやタケノコの皮など)
  • 大きな貝殻(牡蠣やサザエなど)
  • 硬い甲羅(カニなど)
  • 大きな骨類
  • 油脂類(サラダ油、天ぷら油など)

油脂類はディスポーザーの設置の有無に関わらず、排水管に流すべきものではありません。排水管の中で固まり、つまりの原因となるためです。

設置後の後悔を防ぐ!ディスポーザー設置時の注意点

 

便利なディスポーザーですが、誤った使用法により粉砕機部分が故障してしまったり、排水管が詰まったりなどの問題につながる場合もあります。
ここでは、ディスポーザー設置時に注意すべき点をまとめました。

故障を招く使い方・清掃方法を学んでおく

ディスポーザーの故障の原因の多くは「使用方法」と「メンテナンス方法」です。
それぞれ正しい使用方法を身につけるためにも、「使用時時の禁止事項」と「メンテナンス方法」を学んでおきましょう。

【ディスポーザー使用時に避けるべき行為】

  • 大量の生ゴミを無理に投入する(モーターに過度な負担がかかる)
  • 大きすぎるものを投入する(大きな振動や噛み込みの原因になる)
  • 熱湯を流す(パーツの変形を招く)
  • 油を流す(水で冷やされて固まり排水管詰まりの原因になる)
  • 塩素系漂白剤で清掃する(金属・プラスチックパーツの劣化の原因になる)

【ディスポーザーのメンテナンス方法】

ディスポーザーの清掃方法は商品によって異なる場合もありますが、大半は以下のような流れで進められます。

  1. 電源プラグを抜く(安全確保のため)
  2. 投入口のパーツを取り外して、スポンジと食器用中性洗剤を用いて洗浄する
  3. 粉砕室に氷と食器用中性洗剤を投入し、稼働させることで洗浄する

ディスポーザー使用時には多少の生ゴミが取り除ききれないため、週に1回程度の定期的な清掃で清潔な状態を維持しましょう。

ディスポーザーが後付け可能とは限らない

使用メリットが多いディスポーザーですが、今お住まいの住宅にディスポーザーが後付けできない可能性も考えられます。
一部の自治体では、各家庭へのディスポーザーの設置を認めていないのです。さらに賃貸物件の場合には管理規約の確認が必要でしょう。
禁止されている地域・物件にディスポーザーを設置すると、排水管や下水管を詰まらせてしまう恐れがあります。

さらに、シンク下に設置スペースの余裕がある・専用の排水処理システムの設置が可能であるという条件も満たさなければいけません。
ディスポーザーの後付けリフォームを考えているのなら、まず自宅がある自治体に問い合わせてみてください。

まとめ

生ゴミの量を減らして家事を効率良く進めるために、ディスポーザーが有効です。生ゴミが腐敗しやすい暑い時季でも、不快な思いをせずに済むでしょう。
ただし、ディスポーザーの設置には、設置コストのみでなくメンテナンスコストがかかることも理解しておく必要があります。

ディスポーザーを自宅に導入したいと考えているのなら、お住まいの地域でディスポーザーの設置が認められているのかを確認し、使い勝手が良い商品を探しましょう。

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