木造住宅のリフォームでできることは?築年数別の工事内容と費用相場

  • 作成日:2024/01/31
  • 更新日:2024/05/29
  • 編集者:山根木材メディア編集部
木造住宅のリフォームでできることは?築年数別の工事内容と費用相場

木造住宅は、適切なタイミングで適切なリフォームをすることで長く安心・安全に住み続けることができます。

そこでこの記事では、木造住宅のリフォームでできることと、必要なリフォームの工事内容・費用相場を築年数別に解説します。

木造住宅をリフォームするメリット・デメリットや山根木材によるリフォーム実例も紹介するので、木造住宅のリフォームをお考えの場合はぜひ参考にしてみてください。

木造住宅の寿命は何年?

草木の背景に気の家とハートが並んでいる

国土交通省の調査によると、木造住宅の平均寿命は約65年です。

木造住宅の寿命は30年程度と言われることもありますが、実際には適切にメンテナンスすることで長く住み続けることができます。

中にはリフォームすることにより、65年を超えて住み継がれている木造住宅もあります。
リフォームをすることで住宅の耐久性を維持できるだけでなく、時代やライフステージに応じた暮らしがしやすくなり、安心・安全かつ快適に住み続けることが可能になります。

木造住宅のリフォームでできること

リフォームをすると木造住宅でも長く住みやすいとはいえ、木造住宅をどのようにリフォームできるのかイメージがつかない人もいるでしょう。
実は、木造住宅では間取り変更や耐震性補強からバリアフリー化、古民家再生までさまざまなリフォームが可能です。

実際にどのようなリフォームが必要になるかは、その時のライフスタイルや住宅の状態によりさまざまです。
木造住宅のリフォームでできることをポイントごとに確認していきましょう。

間取り変更

木造住宅のリフォームでは、間取り変更をすることが可能です。
例えば古い木造住宅は小ぶりの和室がたくさんあることが多いですが、2間をつなげてフローリングのゆったりとしたLDKを作ることで、現代のライフスタイルに合った住まいになります。

あまり使わない客間が一番良い場所にある、水回りが狭くて使いにくいなど、古い木造住宅によくある問題も、間取り変更によって解決できます。

増築・減築

古い木造住宅が広すぎて使い切れないという場合は、減築を検討するとよいでしょう。
減築すると住宅がコンパクトになるため現代の家族構成に合った住まいになりますし、住宅の床面積が少なくなるため固定資産税を減らす効果も期待できます。

2階建ての大きな木造住宅を減築して、近年人気の平屋にすることも可能です。
また、離れなどを増築して、家族間でも適度なプライバシーや距離感を保てる住まいにすることもできます。

外装の変更

築年数が経った木造住宅では、外装の古めかしさが気になるという場合もあるでしょう。
外壁のカラーを変更したり、玄関ドアや門まわりを変えたりすることで古い木造住宅でもモダンでおしゃれなイメージに変えられます。

外装のリフォームは住宅の印象を大きく変えるだけでなく、家を保護することにもつながります。木造住宅が古くなっている場合には、住宅の安全性を高める意味でも、外装の変更を検討してみることがおすすめです。

玄関や外壁のリフォームについては、こちらの記事をご覧ください。

耐震補強

リフォームによって耐震性を高めることも可能です。
特に1981年6月より前に建てられた家は新耐震基準に則っていない可能性があるので、古い木造住宅であるほど耐震補強のリフォームの必要性は高いといえます。

日本建築防災協会のホームページには、「誰でもわかるわが家の耐震診断」という問診票が掲載されているので、一度確認してみると良いでしょう。

なお、木造住宅の耐震補強工事では、自治体による補助金を受けられることもあります。

断熱性向上

古い木造住宅は寒い、というイメージがある人も少なくないでしょう。
この問題もリフォームによって解消できます。

リフォームで断熱性を向上させると、夏は涼しく冬はあたたかい住まいになります。
エアコンの効きが良くなるため冷暖房費の節約になったり、ヒートショックの防止になったりと住み心地以外の面でもメリットが豊富です。

断熱性向上のためのリフォームでも補助金を使えることが多いので、住宅会社に相談してみることをおすすめします。

バリアフリー

築年数が経った木造住宅は玄関のかまちが高いなど段差が多いことがありますが、こうした部分はリフォームによってバリアフリー化できます。

段差を少なくする他、スロープをつける、手すりをつける、階段の段差をゆるくするなど、さまざまなリフォームを施すことで、誰にとっても安全で暮らしやすい住まいが実現します。
高齢の家族と同居する場合はもちろん、将来への備えとしても安心です。

バリアフリーリフォームでも介護保険制度の補助金を利用できる場合があるので、確認してみてください。

古民家再生

古民家をリフォームして、現代のライフスタイルに合うようにすることもできます。
古民家再生にはさまざまな方法があります。

建物の躯体は変えずに内装と設備を一新することも、半解体してリノベーションすることも可能です。

古民家ならではの使い込まれた雰囲気をあえて残してリフォームすることもできるので、どの程度古民家らしさを残したいのか、希望のイメージを住宅会社に相談してみましょう。

古民家リノベーションについては、こちらの記事をご覧ください。

木造住宅をリフォームする時期と費用相場

3軒の家とお金が入った袋が並んでいる

ここまで解説した通り、木造住宅でできるリフォームにはさまざまなものがありますが、いつどのリフォームをすべきかは住宅の状態や予算によっても変わってきます。

そこで、築年数を目安にいつ頃どのようなリフォームをすれば良いのか、リフォームの費用相場はどれくらいなのかを解説します。
具体的なリフォーム内容の選定や優先順位の確認にお役立てください。

築20年:水回りと外装のリフォーム

木造住宅が築20年になる頃に、水回りと外装のリフォームが必要になります。
水回りの設備は20年程度で交換時期を迎え、屋根や外壁材の耐用年数も約20年であることが多いからです。

リフォーム費用の相場は、水回り設備の一新と外装のリフォームを合わせて100~500万円です。
なお、外装リフォームでは足場の設置に30万円程度かかります。

屋根補修と外壁補修をなるべく同時におこなうと足場の設置を1回分に抑えられるため、費用の節約につながります。

築30年:間取り変更や内装のフルリフォーム

木造住宅が築30年程度になると、内装や間取りに古さが出てくるため、間取り変更や内装のフルリフォームを検討する人が多くなります。

費用相場は設備と床、クロスなどの部分的なリフォームであれば300万円~、将来を見据えたバリアフリー化など間取り変更を含むフルリフォームであれば800~1,200万円程度です。

新築を購入するよりも安い費用で住宅を新築に近い状態にでき、今後も長く住み続けられるようになります。
外装のリフォームをまだ行っていない場合は、屋根や外壁などの外装リフォームも必要です。

築40年〜:地盤や基礎の補強、耐震補強など

木造住宅が築40年程度になったら、地盤や基礎の補強、耐震補強などの必要性が出てきます。
築30年を経過すると、基礎などにひびが入っていたり建物そのものが傾いていたりすることがあるのです。

合わせて間取りや内装のリフォーム、耐震補強や断熱施工も必要になるため、費用は1,000万円~と高額になります。
目に見えない部分に問題が生じていることもあるので、しっかりと調査したうえでリフォーム内容を決めることが重要です。

木造住宅をリフォームするメリット

リフォーム前とリフォーム後の部屋

木造住宅のリフォームには、以下のようなメリットがあります。

  • 費用を抑えて現代のライフスタイルに合う住まいにできる
  • 短い工期で済む
  • 元の家の思い出を残せる

リフォームにお金をかけるなら新築のほうが良いと考える人もいますが、まずはリフォームのメリットも確認しておくと良いでしょう。
上に挙げたメリットについて1つずつ解説していきます。

費用を抑えて現代のライフスタイルに合う住まいにできる

木造住宅のリフォームで得られるメリットの1つ目は、「安い費用でライフスタイルに合う住まいを実現できる」ということです。
木造住宅をフルリフォームした場合、費用の平均は500~2,000万円です。

一方、リフォームではなく建て替えをした場合にかかる平均費用は3,055万円~とフルリフォームよりも高額になります。
予算を抑えつつ、できるだけ現代のライフスタイルに合う住まいを実現したいという場合にはリフォームを検討してみましょう。

短い工期で済む

木造住宅をリフォームするメリットには、「短い工期で済む」ということも挙げられます。
工事の規模にもよりますが、リフォームであれば建て替えよりも工期は短くなりますし、住宅に住みながら工事することも可能です。

一方、建て替えの場合は工期が長くなるうえ、工事中は退去する必要があるため仮住まい費用なども発生します。
工期が短いリフォームのほうが、費用の面でも、工事中の生活の面でも家族の負担が少なく済むのです。

元の家の思い出を残せる

リフォームなら、元の家の思い出を残したまま、より安全かつ快適な住まいを手に入れることが可能です。
長く住んできた住まいを壊してしまうのは寂しいものですが、リフォームなら残したい部分は残しつつ、住宅の機能性や安全性、利便性を高められます。

残すポイントを絞り、元の家の面影を残すことで、新築のような気持ちよさ・ワクワク感と、長年住んだ家に対する安心感・愛着の両方を感じられる住まいを手に入れられます。

木造住宅をリフォームするデメリット

木造住宅のリフォームにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。具体的には次のとおりです。

  • 間取り変更が自由にできない場合がある
  • 利用できるローンが限られている

理想とする住宅像やローンの内容によっては、リフォームにメリットを感じていてもあえて建て替えにしたほうが良い場合もあります。

間取り変更が自由にできない場合がある

木造住宅のリフォームではさまざまなことができますが、構造上外せない柱や梁があり、間取り変更を自由にできない場合もあります。
無理に間取り変更をすると住宅の安全性が著しく低下してしまうため、住宅会社とも相談のうえ、可能な間取り変更を確認することが重要です。

自由度の高い家造りを希望する場合は、建て替えのほうが理想の住まいを実現しやすいことがあります。
必要に応じて、建て替えも検討してみてください。

利用できるローンが限られている

リフォームでは住宅ローンを利用できないことが多く、基本的にはリフォームローンを使うことになります。

リフォームローンは無担保で借り入れができますが、金利が高く、借入可能期間が短い傾向にあります。
月々の返済の負担が大きくなる可能性があるのです。

リフォームローンを組む場合は、住宅ローンとの違いや返済計画をよく確認するようにしてください。
補助金などを活用して借入額を抑えることもポイントです。

山根木材の木造住宅リフォーム実例

山根木材では、木材の仕入れ、加工、設計、施工、アフターサービスまで家造りに関わるすべてをグループでトータルサポートしています。
ここでは、山根木材が実際におこなった木造住宅のリフォーム実例を紹介します。

築38年の実家をリフォーム

木材住宅リフォーム事例①

ご両親から引き継いだ築38年の木造住宅を、幼いお子さんも安心して暮らせる住宅へとリフォームしました。

海や山といった景観、日当たりなどの立地、日々の生活での動線を考慮した間取り変更や耐震性の向上により、安全かつ快適な住まいとなりました。

2階の和室は思い出の旅館に似せるなど、ご家族の思い出も盛り込んだリフォーム事例です。

実家を一部共有型の二世帯にリフォーム

木材住宅リフォーム事例②

ご実家を二世帯住宅にリフォームした実例です。

限られたスペースで2つの世帯が快適に住めるよう、玄関と浴室は共有にする一方で、キッチンは別々にして収納スペースもしっかりと設けました。

子世帯の住居スペースにはテレワークにも対応できるカウンターや、お子さんの選んだクロスを取り入れるなど、世帯に合わせた工夫も施されています。

耐震補強や断熱施工もおこない、安全で快適に長く暮らせる住まいとなりました。

築100年超の母屋に新しい息吹を

木材住宅リフォーム事例③

大正時代から受け継いできた、築100年超の古民家を再生した事例です。

古民家らしさは残したいというご要望を受け、柱や梁などはできるだけ活用したり、それらにマッチするフローリングを使ったりする一方、ご夫婦のライフスタイルに合わせた間取り変更や断熱性の向上をおこないました。

古民家らしい味わいがありつつも、機能的で暮らしやすい住まいになりました。

木造住宅をリフォームして将来まで安心安全な暮らしを

木造住宅は、内外装や耐震補強、断熱性の向上など築年数に応じた最適なリフォームをすることで、長く安心して住み続けられます。

ただし、場合によっては建て替えが適していることもあるので、建て替えとリフォームの両方をおこなっている住宅会社に依頼すると安心です。

山根木材は、新築・リフォームともに豊富な実績を持っています。木造住宅のリフォームをお考えの場合はぜひ一度ご相談ください。

今なら「リフォームまるわかり大辞典」を無料進呈中です。お問い合わせ・資料請求は、下記お問合せフォームからお気軽にご連絡ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

山根木材リモデリングウェブサイト

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