4LDKの平屋とは、LDKにプラスして個室が4部屋あるタイプの間取りです。
家事室や書斎などプライベート空間を充実させたり、 来客用のゲストルームを用意したり、4人家族ならそれぞれの個室を与えたりするなど選択肢が増えます。
ただし4LDKの平屋にすると、部屋数が多くなることで生活動線が複雑になるなど、間取り決めの際に注意すべき点が増えて悩んでしまう人もいるかもしれません。
この記事では4LDKの平屋を建てたい人向けに、建物の広さや建築費の目安を含めた最適な間取りを決める際のポイントを解説するとともに、山根木材の施工事例も紹介します。
この記事を読むことで、どんな平屋の間取りが自分たちのライフスタイルに合っているのか、具体的にイメージしやすくなるはずです。
【4LDK平屋のポイント1】必要な建物の広さは4人家族で30~40坪が目安
快適な平屋の暮らしを実現するには、目安となる広さを確認しておきましょう。
例えば家族4人暮らしで4LDKの間取りにする場合は、延べ床面積30~40坪が目安です。
この目安は、国土交通省が公表している「誘導居住面積水準」が根拠となっています。
【誘導居住面積水準】 世帯人数に応じて、豊かな生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準 |
なお誘導居住面積水準は、都市の郊外や都市部以外の一般地域における戸建住宅を想定した「一般型」と、都市の中心やその周辺における共同住宅を想定した「都市居住型」の2タイプがあります。
今回は、一般型で世帯人数4~5人に最適な居住面積を算出してみました。計算式は「2人以上の世帯25m2 ×世帯人数+25m2 」です。
一般型誘導居住面積水準
- 4人家族:2人以上の世帯25m2 × 世帯人数4人 + 25m2 = 125m2 (約37.8坪)
- 5人家族:2人以上の世帯25m2 × 世帯人数5人 + 25m2 =150m2 (約45.4坪)
上記の結果から、家族4人が快適に暮らすためには30~40坪の広さが1つの目安であることが分かります。
家族5人でも間取りの工夫次第で40坪でも暮らせますが、ゆとりある暮らしを送りたいならプラス5~10坪で計画を立ててみましょう。
このように、4LDKでも家族の人数によって建てるべき家の広さが変わります。
その点を踏まえて、平屋の広さを検討しましょう。
4LDKの平屋に必要な土地の広さ
平屋は1階部分にすべての部屋を配置しなければならないため、延べ床面積が30~40坪の住宅を建てるなら、それ以上に広い土地を用意しなければなりません。
ただし、都市計画などに基づいて用途地域ごとに上限数値が決まる「建ぺい率」という基準があり、土地の面積をフル活用して家を建てることはできない仕組みになっています。
建ぺい率は土地の面積に対する建物の面積の割合を示す数値のことで、以下の計算式で算出できます。
建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 ×100
例えば、建ぺい率50%の土地に延べ床面積30坪の平屋を建てたい場合、最低でも土地の敷地面積は60坪が必要になる計算です。
一般的に建ぺい率は30~80%となっていますが、建ぺい率が小さいと建てられる家の面積も小さくなり、広い面積の家を建てるのは難しくなります。
一方、建ぺい率が大きいと建てられる家の面積が大きくなるものの、隣家との距離が近くなりすぎる恐れがあります。
そのため、家づくりを土地探しから始める際は、建ぺい率にも注目しましょう。
4LDKの平屋の建築費の相場
木造住宅の平屋を新築する場合、坪単価は80~100万円ほどが相場といわれています。
つまり、延べ床面積30坪なら2,400~3,000万円、40坪なら3,200~4,000万円が建築費の相場です。
一般に、二階建て住宅と比較して、平屋建ては基礎や屋根が広範囲にわたるため建設費が高くなると考えられがちです。
しかし、実際には階段や二階部分が省略されるため、同じ規模の二階建て住宅よりも全体のコストは低くなります。
建築費を抑えるためにはシンプルな四角い形状を基本に考え、ライフスタイルや住環境にあわせて設備や住宅性能を検討するとよいでしょう。
【4LDK平屋のポイント2】動線をコンパクトにまとめる
4LDKの平屋は部屋数が多くなるため、どうしても横の動線が長くなりがちです。
そこで、動線をコンパクトにまとめる工夫を解説します。
玄関は建物の中央に配置する
4LDKの平屋の動線が長くなりやすい要因に、廊下スペースが挙げられます。
そこで、コンパクトな動線を実現するには、家の中央に玄関を配置することが有効です。
これにより、家に入ると正面と左右に伸びる3方向に動線ができ、廊下を介さずに移動できるようになります。
また間口が狭い土地の場合、正面に玄関を配置すると基本的に長い廊下を設ける必要があり、動線が長くなりがちです。
コンパクトな動線にするためには、できるだけ横から入れるように玄関の配置を工夫するとよいでしょう。
回遊動線を取り入れる
4LDKは居室が多い間取りのため、LDKを住まいの中心に配置し、回遊動線を取り入れると動線がコンパクトになります。
回遊動線とは、行き止まりがなくグルグルと回れる動線のことです。
家の中に回遊動線を複数設計すると、家事などの作業効率もアップしやすく、快適な暮らしを実現できます。
ただし、回遊動線だらけになってしまうと廊下スペースが多くなり、コンパクトな動線になりにくいデメリットもあります。
回遊動線を複数取り入れると間取りの設計が難しくなるため、4LDKのように広い家づくりは平屋の施工実績が多いハウスメーカーや工務店に相談しながら進めましょう。
回遊動線のメリット・デメリットについては、こちらの記事をご覧ください。
水回りは一カ所に集中させる
40坪以上の広い平屋は、キッチンを中心に水回りを集約させると家事動線がまとまります。
料理をしながら洗濯機を回したり、お風呂場やトイレの掃除を同時に行ったり…家事を効率的にできるでしょう。
さらにおすすめなのが、洗面脱衣所の近くにランドリールームやファミリークローゼットを配置することです。
ランドリールームは洗濯物を干す、取り込む、畳むといった洗濯関連の作業が一度にできるため、最近の家づくりでは人気の間取りです。
ファミリークローゼットとは、家族全員分の衣類などを収納するスペースのこと。
ランドリールームとファミリークローゼットをつなげることで、畳んだ洗濯物をすぐにクローゼットに収納できます。
家族4~5人分の洗濯物をしまうだけでも大仕事です。
洗濯動線をどうまとめるかによっても、暮らしやすさが左右されるでしょう。
【4LDK平屋のポイント3】採光と通風を意識する
40坪以上の平屋はワンフロアが広くなることで、日の当たらない部屋や風通しの悪い部屋ができてしまうため、採光と通風を意識した間取りにする必要があります。
例えば周囲に2階建てが多い環境に平屋を建てるのは、採光や通風の確保が難しいでしょう。
特に南北に長い土地の平屋は建物が細長くなるため、家の中心部に光が届きにくく、風も抜けにくいので工夫が必要です。
採光や通風の対策として有効なのが、「勾配天井+吹き抜け」と「中庭」です。
「勾配天井+吹き抜け」を組み合わせて高所に窓を設置することで、採光と通風を確保できます。
「中庭」は平屋をコの字型やロの字型の形状にして、中庭に面する建物の部分を窓にすると家全体が明るくなります。
細長い土地でも中庭を設置することは可能ではあるものの、基本的には敷地に余裕がある場合に限られる方法です。
中庭の分だけ床面積が少なくなるので、必要なスペースを削っても問題がないのか十分に検討しましょう。
【4LDK平屋のポイント4】デッドスペースを有効活用して収納を確保する
平屋を建てる場合、土地の広さが限られていると居住スペースを優先してしまい、収納スペースが少なくなりがちです。
そこで、デッドスペースを有効活用して収納スペースを確保する方法を検討しましょう。
小屋裏収納
30~40坪の平屋は屋根部分が大きいため、小屋裏も必然的に大きくなります。
小屋裏とは、天井と屋根の間のスペースのことです。
通常はデッドスペースになりがちですが、ここに「小屋裏収納」を作ると、平屋の収納力をアップさせることができます。
例えば三角屋根など屋根の形状に合わせて天井に傾斜をつけることで、小屋裏が縦に広がります。
その広がった部分に、小屋裏収納としてロフトやスキップフロアを設置することができます。
ちなみにロフトとスキップフロアの両者に、明確な違いはありません。
強いて言えば、ロフトは「天井高1.4m以下」や「床面積は直下の階の2分の1未満」など、いくつかの規制や条件があるため、収納スペースとして使われるケースが多いでしょう。
スキップフロアは設置場所によっては居室として使われることも多いのですが、小屋裏の場合はロフト同様収納スペースとしての活用がメインといえます。
どちらにせよ、平屋の床面積を増やせる方法なので、ぜひ取り入れてみてください。
壁面収納
家族の人数が多くなればなるほど細かいものが増えて、リビングなどの共有スペースが散らかりやすくなります。
細かいものをまとめるには、壁面収納がおすすめです。
デッドスペースとなる壁面を活用する方法なので、収納スペースの確保が難しい平屋の問題を解決できます。
来客が多い家庭では、壁面収納が見えてしまうのは避けたいと考えるかもしれませんが、扉を付けておけば隠すことができ、生活感も出ません。
ただし、デザインによっては圧迫感が出る可能性もあるので、ハウスメーカーと相談しながら進めていくことが大切です。
【4LDK平屋のポイント5】ライフスタイルの変化に対応できる間取りにする
4LDKという部屋数の多い平屋を建てる際は、ライフスタイルの変化に対応できるような間取りにしておくことも重要です。
ここからは、将来的な視点を見据えた4LDKの間取りポイントを紹介します。
子ども部屋は可動式の間仕切りを活用する
4LDKで子ども部屋を2つ作った場合、夫婦2人だけの暮らしになった際に持て余すかもしれません。
小さな部屋よりも大きな部屋の方が使い勝手がいいという側面があるため、可動式の間仕切りを利用した子ども部屋を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば5畳の子ども部屋を2つ作るより、可動式の間仕切りを設置して10畳の部屋を1つ作ったほうが将来的に使い勝手が良くなります。
子ども部屋として使いたいときは可動式の間仕切りで区切り、子どもが巣立ったら間仕切りを取り外せば、リフォームせずとも簡単に間取りの変更が可能です。
最近の子ども部屋は、子どもの性別や人数によって柔軟にレイアウトを変更できる、フレキシブルな間取りがトレンドです。
子どもが個室を必要とする時期は意外と短く、夫婦2人で暮らす時間の方が長いため、子どもが巣立ったあとのプランもよく検討しておきましょう。
親世帯との同居を見据えた間取りにしておく
家づくりの時点は未定とはいえ、将来的に親と同居する可能性がある人もいるかもしれません。
あらかじめ同居を前提とした間取りプランを計画しておけば、いざというときも安心です。
例えば4部屋のうち夫婦の寝室を1つ、子ども部屋を2つにしてゲストルームを1つ作っておけば、親世帯との同居時にも活用できます。その際におすすめなのが「中庭」です。
中庭を介して親世帯の個室となるゲストルームを配置すると、各世帯の緩衝地帯エリアになりやすく、適度な距離感を保ちながら生活できます。
中庭を作ることで世帯間のプライバシーを守りつつ、各部屋の採光や通風も向上するので快適な暮らしにつながります。
外観の参考にも!おしゃれな平屋の施工例
最後に、山根木材が手掛けたおしゃれな平屋の施工事例を紹介します。
平屋はシンプルな形状になりやすいため、外観にこだわらないと単調な印象になりやすい点に注意が必要です。
家づくりの際は、外観のデザイン性にも意識を傾けながら進めましょう。
木の香りと共に暮らす平屋
屋根・外壁と統一感があり、スタイリッシュな印象の外観が特徴の平屋です。
屋内は床と天井に国産杉の無垢材をふんだんに使いました。
木材特有の断熱効果に加え、杉には消臭効果やリラックス効果、湿気対策効果などが期待できます。
リビングや寝室だけでなく、洗面所にも杉材を使用し、家全体のつながりが感じられるのも特徴です。
LDKはウッドデッキとつながっており、BBQやくつろぎの場など、ライフスタイルにあわせて過ごせます。
シンプルさにこだわった平屋
外壁は黒の金属サイディング、内装は無垢材を採用し、シンプルかつシックな雰囲気にまとまった平屋です。
玄関はベンチだけを置き、家族の靴などは広めに確保した勝手口の収納に入れるように工夫したことで、スッキリとした印象になりました。
リビングに採用した勾配天井は開放感が抜群で、さらに見せ梁がアクセントになっています。
LDKの一角に取り入れたスキップフロアは、ゆったりと足を伸ばしたいときにも最適なスペース。
スキップフロアの床下は収納としても活用できます。
洗練された外観がひときわ目を引く平屋
まるでインテリアショップやカフェのような洗練された外観に、ダイナミックな大きな屋根を採用した存在感のある平屋です。
壁付けのスイッチを減らし、ダウンライトや間接照明をふんだんに取り入れて電球も隠すなど、「すっきり見せる」ことをテーマにシンプルを追求した住まいになっています。
LDKには大開口の窓を全面に配置しました。
軒先を下げたことにより、抜群の開放感を得られつつ外からの視線が気にならない快適な空間を実現しています。
4LDKの平屋は工夫次第で暮らしやすい間取りが手に入る!
4LDKの平屋にすると動線が長くなりやすいため、間取りの工夫が必要です。
間取りの工夫といっても、初めての家づくりで何をどうしたらいいのか見当がつかない人も多いでしょう。
そこで4LDKといった広い住まいを建てる際は、注文住宅の施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店がおすすめです。
広島・東広島・福山で憧れの注文住宅を建てるなら、山根木材へご相談ください。
広島で永く住み継がれる家づくりを目指し、手がけた注文住宅は累積1万棟を超えています。
長期優良住宅・耐震等級3・ZEHを標準仕様としており、安心して長く快適に住み続けられる家づくりを得意としています。
オンライン相談にも対応していますので、家づくりの悩みは山根木材にお気軽にご相談ください。
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