建売住宅は完成済みの住宅が土地とセットで販売されていることから、購入・引き渡し・引越しまでを短い時間で済ませられるというメリットがあります。また、すでに出来上がっている住宅を見ながら比較検討を進めるため、新生活をイメージしやすい点も建売住宅の利点です。
しかし、賢い選び方ができなければ、家族に適した建売住宅を見つけることが難しくなります。
今回の記事では、建売住宅の選び方や失敗事例と注意点について詳しくまとめました。
建売住宅の選びでは立地・住宅の両方を見極める必要がある
建売住宅選びでは、現在の暮らし・これからの生活・何十年後の生活まで考えて正しい判断をする必要があります。時間の経過とともに現在の生活は変化するものです。共働きになったり勤務先が変わったりなど、将来起こることにはさまざまな可能性があります。
そのため、住宅選びでは室内環境のみでなく立地も検討材料に含めなければいけません。
学校・駅やバス停・商業施設・病院との距離を考えて、生活スタイルが変化しても暮らしやすい場所を探してみましょう。
立地条件の見極めポイント
建売住宅の立地条件を見極める際には、以下のポイントを意識しましょう。
立地条件はリフォームをしても変えられないことから、十分な検討が必要です。
通勤通学の利便性
子どもが小学校中学校まで徒歩で通学する場合には、自宅から学校が徒歩20分以内で、さらに通学路に交通量が激しい道路がない場所が理想的です。
また、通勤や通学を考えて駅までの道のりも調べておき、徒歩や自転車で駅に向かうことが難しい場合は、バス停への距離もチェックしておきましょう。通勤通学の利便性は毎日のことなので、暮らしやすさに大きく影響する大切なポイントとなります。
商業施設や病院が近くにあるか
現在ではインターネットでの買い物も主流になりましたが、毎日必要な食料品や消耗品などの購入には、近隣の商業施設が便利です。可能であれば、徒歩圏内または車で10分以内の距離に店舗があるのが理想です。
また、近隣の病院の数や口コミも確認しておきましょう。特に小さな子どもがいる家庭では病院の利用も増えるため、病院の数が少ない・病院までの距離が遠い立地は避けた方が良いでしょう。
自然災害のリスクは少ないか
自然災害の中には自分たちが行う対策では太刀打ちできないものが多く、例えば土砂崩れや河川の氾濫などは事前に対策をとることは困難だと言えます。
自然災害はいつ発生するか予測不可能なため、初めから自然災害が少ない立地を探してみましょう。
自治体のホームページのハザードマップを確認したり、昔の地図などから現在の土地が何に活用されていたのかを知ることで、土地の特徴を掴むことができます。
ご近所の世帯
近隣の世帯との関係性は新生活の暮らし心地を大きく左右します。例えば子育て世帯が多い立地であれば、子ども同士で一緒に登下校したり、放課後に遊んだりすることができます。
ご近所の世帯については自分で確認しにくい部分もあるため、不動産会社に質問するという手もあります。
住宅設備の見極めポイント
次に、建売住宅の住宅設備を見極めるポイントをまとめました。
家族が快適に暮らせる住宅を見つけるために、次のポイントを押さえておくと良いでしょう。
自分たちの生活に合った間取りや収納
新しい生活に注視すると、自分たちに適した間取りや収納がイメージしにくいものです。
現在の暮らしで便利だと思っている間取り・収納と同じようなつくりであるかを確認し、反対に不便だと感じる点が改善可能かどうかをチェックしてください。
特に収納が不足すると家が散らかりやすくなることから、収納には余裕を持たせると安心です。
将来についても家族と十分話し合った上で家選びを進めましょう。
日当たりや風通し
日当たりや風通しは暮らしやすさに直結する重要なポイントです。内覧の時には窓を開けてみたり、天候や時間帯が異なる日に複数回住宅を訪れるなど、さまざまな状況下の室内環境を確認してください。
曇りの日でも室内が暗くなりすぎないか・窓の配置は住宅の換気に適しているかなどをチェックし、入居後に不満点が生まれないようにしておきましょう。
家族の好みの住宅のデザイン
建売住宅はすでに住宅が完成していることから、家族の希望のデザインの住宅を探さなければいけません。
それぞれテーマが設定された上で住宅がデザインされているため、家族の好みのデザインの建売住宅なら、注文住宅でなくても理想通りの住宅に暮らすことができます。
家族の希望に沿った設備のグレード
建売住宅の住宅設備にはグレードがあります。特に水回りの設備はグレードにより外見・機能・使い勝手が大きく異なるのです。ハイグレードな設備は住宅の本体価格が高額になるため、予算と家族の希望のバランスをとりながら設備のグレードを決めましょう。
保証やアフターサポートの内容
購入した建売住宅で家族は何十年も暮らすため、何らかのトラブル発生時の保証やアフターサポートも重要視しなければいけないポイントです。
万全なサポートが受けられる建売住宅であれば、入居後も長期的に安心して日常生活を送れるため、建売住宅を探す際には、必ず保証内容とアフターサポートについても比較検討してください。
建売住宅を選ぶ時にして意識しておくべき点
建売住宅を選ぶ時に以下の点について理解しておけば、建売住宅を賢く選べます。
家族が優先したいポイントは何か
住宅選びをする際には、数えきれないほどの選択肢がありますが、家族が何を優先したいかが明確であれば、選択を誤る心配がありません。
例えば、共働き夫婦で「家事効率を上げること」を重要視したいと考えているのなら、家事がスムーズに進められる設備を優先して選択していきます。また「キッチンにはこだわりたい」のような具体的な希望を持つ場合には、キッチン設備のグレードが高い住宅を選ぶと良いでしょう。
標準仕様とオプションの範囲
建売住宅は標準仕様のみで快適な生活を送ることが難しく、多くの場合はオプションを付けてアレンジを加えて住宅を購入します。標準仕様の範囲やオプション費用は不動産会社により異なるため、事前に確認しておいてください。
建売住宅のオプションについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
住宅購入には本体価格以外にも別途費用がかかることを知っておく
建売住宅を購入する際には本体価格やオプション費用以外にも次のような費用がかかります。
- 仲介手数料
- 契約印紙代
- 登録免許税
- 司法書士依頼料
- 火災保険料
- ローン手数料
これらの別途費用は「諸費用」と呼ばれ、建売住宅本体価格の総額の6〜8%程度になる場合が多いです。
諸費用やオプション費用は本体価格と合わせて住宅ローンに含められます。ただし、その分にも金利が付いての返済になることを考慮してください。
建売住宅を購入して後悔している方が抱える問題点
建売住宅を購入したものの、後悔しているという方が抱える代表的な問題には、次のようなものがあります。
失敗事例を参考に、建売住宅選びを進めてください。
住宅に欠陥があった
建売住宅購入後に、住宅の性能が低いまたは性能の問題に気がつく場合があります。多くの欠陥は該当の住宅で生活してみなければ気がつけないものです。
代表的な建売住宅の欠陥の例は以下の通りです。
- 歩くと床が鳴る
- 床下や洗面台の下からの水漏れ
- 建具が簡単に外れた
- 雨漏り
住宅にこのような欠陥が見つかった場合は、すぐにアフターサービスの内容を確認して修繕依頼をしてください。売主から修繕を断られた時には瑕疵担保責任に基づいた責任を追及することができます。
間取りや収納が家族に適していなかった
入居後の生活をイメージし切れず、家族の生活と間取りや収納が適さないこともあります。
本来住宅の間取りは、何十年後の生活にも合わせられるものが理想的です。
間取りや収納選びが難しいと感じるのなら、個性的な間取りを選択せずにシンプルな間取りを選んでいくと良いでしょう。
傷や汚れが気になる
内覧時に気がつけなかった傷や汚れが入居後に気になるという方もいます。住宅購入を決める前には、後々のトラブルにならないように住宅全体を細かくチェックしましょう。
どうしても入居後の傷や汚れが気になる方は、売主に相談してみてください。
よく見ると安っぽいつくりだった
住宅購入時には気持ちが盛り上がり冷静な判断ができないことがあります。入居して暮らしてみると「安っぽいつくりだと感じる」方もいるようです。
内覧時に不満を感じた設備はオプション工事で変更するなどの対策もできます。
売却価格が低かった
建売住宅購入後に転勤などを理由に売却を考える方もいますが、その売却価格の低さに驚く事例もあるようです。
本来、大半の住宅は入居後の売却価格が大きく下がるものですが、人気のエリアかつシンプルでリフォームしやすい構造の住宅を選択すれば、希望通りの価格での売却が見込める可能性があります。
売却の可能性がある状態で建売住宅を購入するのなら、住宅の価値についても考えてみてください。
建売住宅を内覧する時のチェックポイント
最後に、実際に建売住宅を内覧する際のチェックポイントをまとめました。
以下の点を確認しながら建売住宅を比較検討してください。
傷や汚れがないか
工事中または内覧時に住宅に傷や汚れがついてしまうことは珍しい話ではありません。許容範囲であるのか・入居前に修繕を依頼するのかも考えながら、住宅の傷や汚れを確認しましょう。
家族の家事動線に適した間取りか
現在の住宅での家事動線を考え、家族に適した動線が確保可能な間取りの住宅を選びます。
家事動線が家族の暮らしに適していれば、家事効率を良いものにできます。
扉や窓の建て付けや性能
扉や窓の建て付けは後から欠陥が見つかりやすい部分です。手間はかかりますが、内覧時には可能な限りドアや窓を開け閉めして違和感がないか確認してください。
また、断熱性を高めたいと考えているのなら、二重窓や断熱性能が高いガラスをオプションで選ぶという手段もあります。
時間帯を変えて複数回内覧する
室内環境は天候や時間帯により大きく異なります。日中には明るく好印象なリビングも、夕方に西陽が強く入りすぎている・曇りの日には真っ暗になってしまうなどの問題がある可能性が考えられます。
建売住宅の内覧はタイミングを変えて複数回実施することをおすすめします。
まとめ
建売住宅の賢い選び方を知っていれば、後悔のないマイホーム選びができます。
住宅は購入後家族が何十年も暮らすものである点を理解し、十分な家族での話し合いと物件の比較検討を進めていきましょう。
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