ユニバーサルデザイン住宅は、全ての人が安心・快適に生活できるよう、バリアフリーのように障がいがある方や高齢の方のみを対象にしたデザインではなく、対象者に年齢・能力・性別の限定がないことが特徴です。
今回の記事では、ユニバーサルデザイン住宅についてメリット・デメリットも踏まえた解説と共に、設備事例を紹介していきます。ユニバーサルデザイン住宅に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
ユニバーサルデザインとは何か
ユニバーサルデザインは年齢・能力・性別・国籍などの特徴を限定せず、全ての人が使いやすいデザインを指しており、住宅以外にも適用される概念です。
ユニバーサルデザインの原則
原則 | 内容 |
公平性 | 身体的・社会的な制限なく誰もが公平に利用できる |
自由性 | 利用者の状況に適した使いやすいデザイン |
単純性 | 直感的に利用方法が理解できる |
明確性 | 利用者が知りたい情報を簡単に手に入れられる |
安全性 | 安全に利用できる |
省体力 | 力が弱い方でも簡単に利用できる |
空間性 | 利用のために十分な空間がある |
ユニバーサルデザインの代表的な例として、車椅子の方でもスムーズに通れる自動改札機、スロープやエレベータの設置などがあります。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
ユニバーサルデザインとバリアフリーは非常に似ていますが、冒頭でもお伝えしたように、バリアフリーは障がいがある方や高齢の方が快適に利用できる点を重視しているのに対し、ユニバーサルデザインの対象は限定されていません。
具体的には、バリアフリーでは車椅子の方のために階段にリフトを設置しますが、それではリフトのせいで他の方が階段を使いにくくなる可能性があります。ユニバーサルデザインでは、車椅子の方に限定せず、階段に全ての人が使えるエレベーターを設置するなどの取り組みを行います。
ユニバーサルデザイン住宅のメリット
ユニバーサルデザイン住宅には次のようなメリットがあります。
ここでは、ユニバーサルデザインの住宅のメリットをまとめました。
家族のライフステージの変化に対応できる
ユニバーサルデザイン住宅は老後のことを考えて建築するバリアフリー設計と異なり、全ての世代にとって暮らしやすいものです。そのため、どのライフステージにも対応可能で、家族の年齢や抱える問題が変化しても快適に過ごすことができます。
家事の負担を最小限に抑えられる
ユニバーサルデザイン住宅では、不要な段差を最小限にしたり動きやすい動線を設けるなどの工夫が取り入れられます。そのため室内移動で感じる負担が少なくなり、これまでよりもスムーズに家事が進めることができます。ユニバーサルデザイン住宅は、忙しい毎日を送る方にとって適した住宅と言えます。
スペースにゆとりがある
ユニバーサルデザインでは、老後や車椅子での生活を想定して、玄関・廊下・トイレ・浴室などには、ゆとりを持たせた設計をすることで将来の不安を減らし、さらに広々とした空間でゆとりのある生活を送れます。
ユニバーサルデザイン住宅のデメリット
ユニバーサルデザインの住宅には、メリットのみでなくデメリットも存在します。
事前にデメリットの存在も把握し、自分に適した設備を導入してください。
建築コストがかかる
ユニバーサルデザイン住宅は間取りや性能を十分に考え抜く必要があるため、一般的な住宅よりも建築コストがかかります。ただし、老後に暮らしにくさを感じた際の大規模リフォームにかかる費用を削減できる点もあります。
場合によっては一部の空間が狭くなる
ユニバーサルデザイン住宅では、スムーズに動作ができない方への配慮として、トイレや玄関などにゆとりを持たせた空間を確保します。そのため敷地に限りがある場合には、その分他の空間が狭くなる可能性があるため、全体のバランスを考えながらユニバーサルデザインを取り入れる箇所を決めていく必要があります。
ユニバーサルデザイン住宅の設備例
ここでは、ユニバーサルデザイン住宅の設備例をまとめました。
マイホームに取り入れたい設備は何か、家族で話し合ってみてください。
車椅子でも余裕のある廊下
車椅子での生活では、車椅子が通れるのみでなく方向転換も可能な幅を確保し、曲がり角を作らない廊下がおすすめです。また、将来的に廊下に手すりを設置する余裕もあると安心です。
十分な広さがある玄関
ユニバーサルデザイン住宅の玄関には、力の弱い方でも簡単に開けられる玄関ドアや、車椅子が出入りできる広さの開口部が採用されます。また、靴の脱ぎ履きをスムーズに進めるためのベンチを設置すれば、足腰が不自由な方・高齢の方・子どもにとっても使いやすい玄関になります。
転倒防止策が施された階段
階段は転倒事故が起こり得る危険な場所です。滑りにくい踏み台の活用や、夜間でも足元が見やすいLEDライトを設置するなどの工夫を施せば、誰もが安心して上り下りできる階段になります。
介助者も入れるトイレや浴室
トイレや浴室での動作は、いずれ介助が必要になる可能性があります。
一般的なサイズのトイレや浴室では、介助者が一緒に入れるスペースがなく、扉を開けたまま介助をすることになるため、広さにゆとりを設けておきましょう。
広さにゆとりがあるトイレ・浴室は子育て中の方にも使いやすい設備です。
跨ぎやすい高さの浴槽
浴室は階段と同じように転倒事故が起こりやすい場所です。滑りにくい床や跨ぎやすい高さの浴槽を設置すれば、高齢の方や子どもにとっても使いやすい浴室になります。
また、浴室や脱衣所に暖房設備を設ければ、ヒートショックのリスクも減らすことができます。
自動化機能がある住宅設備
現在では多くの家電や住宅設備をスマホなどの機器でコントロールすることができます。
外出先からエアコンを付けたり、浴槽のお湯をためたりすれば、効率の良い家事が可能になります。
また窓シャッターの開け閉めなども自動化すると、家事の負担をより減らすことができます。
ユニバーサルデザイン住宅を建築する際の注意点
ユニバーサルデザイン住宅を建築する際には、以下の点に注意してください。
今後の生活スタイルを考えた可変性を持たせる
住宅は何十年も家族が生活していきます。現在の家族に注視せず、30年後など、歳をとった自分や家族が住宅での事故でケガをしないようなデザインを選ぶ必要があります。
リフォームという手もありますが、ユニバーサルデザインへのリフォームは間取りの大幅変更が求められるため、ユニバーサル住宅を建築するより結果的に費用がかかります。
間取りから住宅設備までをトータルプランニングする
バリアフリーな設備を導入する際には「手すりを設置する」「段差を解消する」などの部分的な障害の解消をメインに進めていきますが、ユニバーサルデザインは部分的ではなく住宅全体のプランニングが必要です。初めから多くの設備の段差をなくし、余裕のある広さの設備を設定した上で、間取りを決めましょう。
まとめ
ユニバーサルデザインはバリアフリーのように対象が限定されていない、全ての人が使いやすいデザインを指しています。ユニバーサルデザイン住宅であれば、家族全員がライフステージの変更に左右されずに快適な暮らしを送ることができます。
ユニバーサルデザイン住宅に興味がある方は、まずはユニバーサルデザイン住宅のモデルハウスに行ってみるなど、実際の間取りや設備を確認してみることをおすすめします。
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