リフォーム工事は、同じ内容であっても依頼する業者により必要なコストが大きく異なるものです。
しかし、リフォームの見積もりの重要性を知らないまま、リフォーム工事の依頼先を決めてしまう方もいます。
今回の記事では、リフォーム工事の見積もりの注意点や比較のポイントについて詳しくまとめました。
これからリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
リフォーム工事の見積もりの重要性
まずはリフォーム工事に見積もりが重要である理由について説明します。
リフォーム工事の見積もりは無料で受け取れる
リフォーム工事の見積もりは基本的に無料ですが、耐震診断や雨漏り診断には別途費用がかかるケースもあります。
リフォームの内容によっては有料の見積もりが欠かせない場合もあるため、見積もりを依頼する際には、事前に必要な費用について確認しておきましょう。
見積もり作成にかかる期間はリフォームの内容により異なる
見積もり作成に必要な期間は、リフォームの内容ごとに異なります。
特に高額な費用がかかる・工期が長い規模が大きなリフォームは見積もり作成にも長い期間がかかります。
大規模リフォームになると、見積もり作成に2〜3週間以上かかることも珍しい話ではありません。
事前に見積もりを受け取れる日程を確認しておきましょう。
見積もり作成時の流れ
見積もり作成時には、最初にリフォーム業者が現場を訪問して現場調査とリフォームの希望を家族からヒアリングします。
リフォームの規模が大きい場合には、複数のプランが作成される時もあります。
提示されたプランの中から依頼者が選択したプランに対して詳細な見積もりが作られます。
リフォーム業者に見積もりを依頼する時のポイント
リフォーム業者に見積もりを依頼する際には、次のポイントを意識しましょう。
リフォームの内容・工期・予算は明確に決めておく
リフォームの内容・工期・予算などの詳細が決まっていないまたはリフォーム業者に伝えられていない状態では、希望するリフォーム工事の見積もりが手に入りません。
見積もりを依頼する業者には、事前に決定しておいた方針を明確に伝えることが大切です。この際、どの業者にも同じ情報を伝えるようにしましょう。
業者ごとに伝えた情報が別になると、見積もりを比較検討できなくなります。
間取り図を準備する
見積もりの依頼時には、リフォームする住宅の間取り図を準備しておくことが有効です。
間取り図があると、業者が現場の状況を正確に把握しやすくなり、より精度の高い見積もりを出してもらうことができます。
さらに、家の築年数や現状の設備状況なども併せて伝えると良いでしょう。
現地調査が実施されることが多いですが、間取り図と事前の情報があれば、業者は短時間で具体的なプランを提案できるようになります。
これにより、リフォーム後に想定外のトラブルが発生するリスクも軽減されます。
可能な限り現地チェックをしてもらう
大半の業者では見積もり作成前に現場調査が実施されます。
現場を見ないまま作成された見積もりの精度は、低いものになるためです。
業者から現場調査の申し出がない時や、立ち会いが難しいと感じる方でも、可能な限り現場調査をしてもらいましょう。
過去のリフォーム実績を確認する
業者を選ぶ際には、過去の施工実績を確認することも大切です。
公式サイトやカタログに掲載されている事例を見ることで、業者の得意とする分野や工事の品質を把握できます。
特に、自宅のリフォームと似た条件の事例がある場合、その業者は要望に沿ったプランを提供してくれる可能性が高まります。
また、顧客からの口コミや評価を確認することも信頼性の判断に役立ちます。
依頼前に業者に直接相談し、実際の施工事例を詳しく教えてもらうと、より安心して依頼できるでしょう。
リフォーム業者からの見積もりを確認する際のポイント
リフォーム業者から受け取った見積もりを確認する際には、次のポイントを意識しましょう。
工事のスケジュールが現実的か確認する
見積もりでは、提示された工事のスケジュールが現実的であるかを確認することが大切です。
短期間での工事を提示された場合、一見魅力的に見えますが、急ぎすぎる施工は品質に影響を与える可能性があります。
反対に、必要以上に長い工期を提示する業者も、現場管理がうまくできていない可能性があります。
工事の規模に合った適正な工期かどうか、業者としっかり確認し、生活への影響を最小限に抑えられるスケジュールを選びましょう。
見積もりの内容だけでなく担当者の態度もチェックする
見積もりをとる際には、見積もりの内容のみでなく担当者の態度も確認しましょう。
担当者との相性が良くなければ、期待通りのリフォーム工事が進められない可能性があります。
そのため、メールやSNSで見積もり依頼や受け取りを済ますのは避け、可能な限り直接担当者と話をする時間をとることをおすすめします。
保証やアフターサポートの内容も確認する
リフォーム工事は見積もりに記載された金額のみで業者選びをしてはいけません。
リフォーム工事完了後の住宅で家族は、毎日何年何十年も生活を送るのです。
アフターサポートが不足している業者では、リフォーム工事後の問題に対応してもらえない可能性があります。
リフォーム箇所の保証やアフターサポート内容を確認し、安心して暮らせるリフォーム工事が実施可能な業者を選びましょう。
リフォーム後のアフターメンテナンスや業者を選び方については、こちらの記事をご覧ください。
見積書のチェックポイントを理解しておく
ここでは、見積書のチェックポイントをまとめました。
見積書を受け取った時には、次のポイントを確認しましょう。
チェックポイント | 注意点 |
見積もり作成日 | 複数回見積書を作成してもらう可能性もあります。 最新の見積書が分かりやすいように、見積書の作成日を確認しましょう。 |
製品名 | 見積もりの信頼性を高めるポイントです。リフォームに活用する予定の製品名を確認します。 製品名を検索して調べておいても良いでしょう。 |
単価 | 細かな工程ごとの単価表示があると安心です。安過ぎる・高過ぎる単価設定をする業者には注意してください。 |
諸経費 | 現場で発生する資材運搬費や現場管理費が含まれます。 通常諸経費は、工事全体の10〜15%以内になることが多いです。 |
見積もりの有効期限 | 検討期間の目安にしましょう。有効期限が切れた見積書は使えません。 有効期限が短過ぎる見積書を作成する業者は、契約を急かす傾向があります。 |
安すぎる見積もりには慎重になる
極端に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。
安価な見積もりには、使用する材料の質が低かったり、必要な工程が省かれていたりするリスクがあります。
結果的に、工事後のトラブルや追加費用の発生につながる可能性もあります。
見積もりの金額だけに注目せず、工事の品質や業者の信頼性も考慮した上で選ぶことが大切です。
使用される材料の質を比較する
見積書には、使用する材料の詳細が記載されていることが理想的です。
材料の質はリフォームの耐久性や仕上がりに大きく影響を与えるため、提示された材料の種類を比較しましょう。
例えば、同じフローリングでもメーカーや素材の違いで品質に差が出ることがあります。
材料の情報が見積書に不足している場合は、業者に問い合わせて、具体的なメーカー名や品番を確認することで、他社との比較が容易になります。
怪しい見積書に要注意!リフォーム工事の見積書の注意点
リフォーム業者から見積書を受け取った時には、次の注意点を知った上で見積書の比較検討を進めましょう。
見積書に記載されない可能性がある費用を理解しておく
見積書には記載されない費用が存在することも把握しておきましょう。
諸経費に含む経費は業者ごとに異なり、ほとんどの諸経費が含まれていない状態で見積もりを提出する業者も存在するのです。
諸経費の詳細は記載されていない場合が多いため、事前に諸経費の内容を確認しておくと良いでしょう。
諸経費に含まれるべき代表的な項目は以下の通りです。
- 設計費
- 現場監督費
- ガソリン代
- 駐車場代
- 仮住まい費用
- 引越し費用
予算オーバーを防ぐためにも、初めから見積もりを依頼した業者に「全体で必要になるコストの目安」を聞いておくことをおすすめします。
「一式」という記載の内容を確認する
「一式〇〇円」という記載があり、工事内容についての説明がない見積書を提示する業者には注意が必要です。
単価が分かりにくい見積書は他社と比較ができないのみでなく、単価や数量を伏せたいという考えを持つ業者である可能性が考えられるのです。
見積もり受け取り時の説明はメモや録音しておくと良い
大規模なリフォーム工事では高額なお金が動きます。
「言った」「言わない」の論争を起こさないためにも、見積もり受け取り時の説明や質問に対する答えはメモや録音を行うと良いでしょう。
記録があることで後々話し合いがスムーズに進みやすくなります。
不自然な値引きや特典に惑わされない
見積書の中には、一見魅力的に見える大幅な値引きや特典が含まれていることがあります。
しかし、極端な値引きが提示される場合、使用される材料や工事の質が下がる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
また、値引きで契約を急かそうとする業者もいるため、「本日限定」「即決で割引」などの条件が提示された場合は注意が必要です。
正当な値引きなのかを確認し、他社との比較を怠らないことが重要です。
有効期限が短い見積書に注意する
見積書には通常、有効期限が設定されていますが、あまりにも短い期間で契約を迫る業者には注意が必要です。
契約を急がせる業者は、依頼者に冷静な判断をさせないようにする意図がある可能性があります。
また、期限切れを理由に見積もり金額を変更されたり、契約後に追加費用を請求されることも考えられるため、最初から十分な検討期間をもらえるかを確認しましょう。
見積書の有効期限が不自然に短い場合は、他の業者とも比較し、慎重に判断することが大切です。
過剰なオプション提案を見極める
リフォーム業者によっては、見積書に必要以上のオプションが含まれていることがあります。
最初は基本的な工事の提案に見えても、後から「これも必要」「あれも推奨」といった形で次々に追加提案されるケースもあります。
これにより、当初予定していた予算を大きく上回る可能性があるため、オプションが本当に必要かどうかを慎重に判断しましょう。
事前に自分たちの希望や予算を明確にし、無駄な追加費用が発生しないよう業者と十分に話し合うことが大切です。
見積もり依頼や比較時に気をつけたいマナー違反とは?
リフォーム工事の見積もりを取る際にマナー違反があると、業者との信頼関係が崩れてしまい、思わぬトラブルにつながることもあります。
ここでは、リフォームの見積もり依頼や比較の際に注意すべきポイントをご紹介します。
他社の見積もりを引き合いに出さない
見積もりを比較する際、他社の見積書を使って「こちらはもっと安い」などと交渉するのは、業者との信頼関係を損なう可能性があります。
誠実な業者ほど適正な価格で見積もりを提示するため、不当に値下げを求めることは控えましょう。
業者を競わせるよりも、自分の希望と予算に合った業者を冷静に選ぶことが大切です。
断る場合は早めに連絡する
見積もりを依頼した場合、契約しない業者には速やかに断りの連絡を入れることがマナーです。
断りを入れないまま放置すると、業者は契約を期待したまま準備を進めてしまう可能性があり、相手に迷惑をかけます。
メールや電話で短くても良いので、誠意を持って連絡を入れると、お互いに気持ちよく対応を終えることができます。
業者との約束を守る
見積もりの依頼後に、業者との打ち合わせや現地調査の日程を一方的に変更するのは避けましょう。
業者もスケジュールを調整して動いているため、突然のキャンセルや変更はトラブルの原因になります。
やむを得ない事情がある場合でも、できるだけ早めに連絡を入れ、謝罪とともに別の日程を調整するよう心がけましょう。
見積もりだけを目的とした依頼は避ける
初めから工事を依頼する意思がないにもかかわらず、ただで見積もりを取るだけの目的で依頼をするのは、業者に対して失礼にあたります。
リフォーム業者は見積もり作成に多くの時間と労力を費やしているため、真剣な依頼であるかどうかが重要です。
具体的な依頼意思がない段階で見積もりを依頼するのではなく、ある程度方針が固まってから依頼するようにしましょう。
リフォーム工事の見積書は値引きしてもらえる?
リフォーム工事の見積書を見て値引きして欲しい場合は、リフォーム業者と交渉が可能です。
ただし、良質な業者ほど適正金額の見積書を作成しています。無理な値引き交渉にはあまり意味がありません。
値引き交渉により、お互いの信頼関係が崩れてしまう可能性も考えられます。
見積もり金額に不満がある場合はその旨を業者に伝え、予算に応じたリフォームを実施できるようにしっかり話し合いましょう。
リフォーム工事の見積書を受け取って断る時の対処法
見積もりをとると、予算オーバーしたり納得いかなくて断る場合、気が重いと感じる方もいらっしゃいます。しかし、契約を断る連絡は電話やメールで行えます。
多くの方が理想的なリフォーム工事を実施する目的で見積もりをとっていますので、断ることに抵抗を感じなくても大丈夫です。
金額やリフォーム内容に納得いかない場合は、その部分について相談することも大切です。
契約後も8日以内ならクーリングオフ可能
リフォーム工事の契約をしてしまっても、8日以内であればクーリングオフが可能です。
その際に、工事に必要な道具や設備が搬入済みであったとしても、契約をキャンセルできるのです。
クーリングオフには複数の条件があるため、契約前に業者へ確認しておきましょう。
ただし自己都合での一方的な契約キャンセルをすると、業者から違約金を請求される可能性があります。
できる限り、契約前に自分たちに適したリフォーム業者を選定することが大切です。
まとめ
リフォーム工事の見積もりは、金額のみでなくアフターサポートや担当者の対応も比較することが重要です。
安心してリフォーム工事を任せられる業者が見つかれば、希望通りのリフォーム工事が叶うでしょう。
この記事を参考に、リフォーム工事の見積もりのチェックポイントを把握しておきましょう。
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