住宅は建築後に何十年も暮らすものです。そのため、時間の流れとともに家族の生活スタイルや家族構成に住宅の間取りが適さなくなることがあります。
家族が不便を感じながら過ごす状態になっているのであれば、間取りの変更リフォームを取り入れるべきでしょう。
今回の記事では、間取りを変更するリフォームのメリットとともに、必要な費用の相場についてまとめました。
間取り変更リフォームのメリット
リフォームで間取りを変更すれば、次のようなメリットが得られます。
現在の間取りが過ごしにくいと感じているのであれば、ぜひ参考にしてください。
間取りを変更して広い空間を作れる
不要な個室を減らして壁を取り払うリフォームをすれば、広い空間を形にできます。
例えば、リビングの横に和室を用意したものの使用頻度が少ない場合は、和室とリビングをつなげて開放的なリビングに変更するという手もあるのです。
その他にも、子どもが独立した後に子ども部屋をなくしてセカンドリビングや趣味の部屋を作るなどのアイデアもあります。
部屋数を増やして家族構成の変化に対応できる
部屋を減らして広い空間を作る間取り変更とは逆に、より多くの個室が必要になった家族が部屋を増やす間取り変更を選択することもあります。
子ども夫婦との同居や子どもの成長に合わせて部屋数を増やせば、家族の数が変わってもプライバシーを確保した生活が送れます。
日当たりや風通しを変えられる
間取り変更によって日当たりや風通しを変える効果も得られます。
立地の問題で一部の部屋にのみ日が当たっているのなら、該当の部屋をなくして開放することで家全体の日当たりが良くなるのです。
また、窓の位置や壁の位置の見直しにより、住宅の風通しを良くする効果も得られます。
生活に変化を生み出せる
家全体をリフォームするような大規模リフォームをしなくても、間取りが変化すれば生活も変わります。
例えば、これまでキッチンがリビングと分割され個室になっていた住宅で、リビングとキッチンをつなげて対面キッチンにすれば、家族とのコミュニケーションが増え開放的な雰囲気になるのです。
間取りは住宅の印象を変える重要な役割を果たします。
間取りの変更リフォームにかかる費用の相場
住宅の間取り変更に必要な費用は、その内容によって大きく異なります。
具体的な費用相場は以下を参考にしてください。
正確な金額が知りたいという方は、リフォーム業者に見積もりを依頼しましょう。
- 壁を撤去して部屋を減らす 10〜30万円前後
- 1部屋を2部屋に分ける 8〜30万円前後
- 水回りの位置を変更する 30〜250万円前後
- 部屋を住宅の外側に増築する 100万円以上(1階の場合)
- 吹き抜けを埋めて部屋を増やす 100万円以上
- ベランダやバルコニーを部屋に変更する 60万円前後
- 屋根裏を改築して部屋を増やす 120万円前後(6畳の場合)
費用の相場は追加で設置する設備や建材の影響を受けます。
間取りの変更リフォームに必要な費用が高額な工事と安い工事の違い
間取りの変更リフォームは、100万円以上の費用が必要な高額な工事と、数十万円以内で済ませられる手頃な価格の工事に分類できます。
ここでは、間取り変更にかかる費用の違いについてまとめました。
壁の撤去や追加のみの工事は比較的手頃な価格でできる
壁を撤去して部屋数を減らす工事または壁を増やして部屋数を増やす工事は、比較的手頃な価格で実施可能です。
ただし、部屋の分割とともにドア・収納・窓なども増やす場合は、想定よりも高額な費用がかかることもあります。
水回りの移動・階段の移動を含む間取り変更は高額
キッチンやトイレなどの水回りの移動や階段の移動を含む間取り変更では、さまざまな工事と長い工期が必要になり、必然的に高額な工事費がかかります。
できるだけ費用を抑えるためにも、いくつかの水回りリフォームを同時に実施した方がリフォームコストの総額を抑えられます。
壁を減らすことで耐震補強が必要になると一定の費用が必要
住宅の耐震性能に影響を与える耐力壁を取り払う場合には、間取りの変更リフォームとは別に耐震補強工事を実施する必要があります。
耐力壁の設置位置や枚数は設計時に考え抜かれており、一般的には耐力壁を取り払うような間取り変更はできれば避けるべきです。
リフォームで間取りを変える時の注意点
間取り変更リフォームをする際には、次の点に注意してください。
住宅の構造上の問題で思い通りの間取りにできないこともある
先ほどもお伝えしたように、耐力壁を取り払う工事や無計画な増築のせいで住宅の強度が下がる可能性があります。
住宅の間取り変更は必ずしも思い通りに進められるとは言えないのです。
信頼できるリフォーム業者を見つけて、プロの意見を聞きながら家族に適した間取りを実現しましょう。
間取りの変更内容によっては工事期間中に仮住まいが必要
間取りの変更に必要な工事の期間が長いまたは変更箇所が多い時には、生活を送りながらリフォームを進めることが難しく、工事期間中の仮住まいを用意する必要があります。
その場合は、仮住まいの賃貸料や引越し料も含めて予算を考える必要があります。
マンションの間取り変更は管理規約に従わなければいけない
マンションにお住まいで間取り変更リフォームを行う場合は、最初にマンションの管理規約を確認しましょう
物件によっては間取りの変更自体を認めていないマンションも存在します。
マンションリフォームの注意点については、こちらの記事に詳しくまとめています。
間取り変更リフォームの実例4選
間取り変更リフォームは、家族のライフスタイルに合わせた住まいを実現するための効果的な手段です。
どのようなリフォームが可能なのか、実際の事例を見ることでより具体的なイメージを持つことができます。
ここでは、間取り変更リフォームの実例をいくつか紹介し、成功したリフォームのポイントを解説します。
①注文住宅のような自由な間取り設計
山根木材が提供する中古マンションリフォームは、間取り変更によって新築以上の満足感を実現します。
中古マンションの既存の間取りに縛られることなく、注文住宅のように自由自在な空間設計が可能です。
リビングを広げて開放的にしたり、家族構成に合わせた部屋割りに変更したりと、理想の暮らしをカスタマイズできます。
限られた予算でも、最適なリノベーションプランを提案し、住宅医による安全な住宅診断を通じて、住まいの耐震性や断熱性を向上させます。
また、瀬戸漆喰(S-491)やジーンズ端材を使用した壁材など、独自の素材を活かし、他にはないデザイン性の高い空間を演出します。
中古マンションでありながら、注文住宅のようなこだわりを詰め込んだ暮らしを実現できます。
②二間続きの和室をLDKに!広々とした空間を実現
広島県呉市にお住まいのY様邸では、二間続きの和室をLDKにリフォームし、さらに脱衣室からキッチンへの通り抜けを可能にする回遊動線を実現することで、家の中に行き止まりがない、快適な暮らしを提供しました。
築38年の家を、ご両親から引き継いだY様夫婦は、安心して長く住み続けるために耐震性と断熱性の向上も含めたリノベーションを決断されました。
南向きの和室を家族が集まるLDKとして活用することで、日当たりや見晴らしの良さを最大限に生かした間取りに変更。
元のキッチンは、家族全員の衣類や靴を収納できる大容量のクローゼットに変わり、効率的な収納スペースも確保されました。
また、回遊動線を取り入れたことで、家の中をスムーズに移動できる無駄のない生活動線が実現しました。
帰宅後に自然な流れで靴や服を脱ぎ、手を洗ってリビングに入るという便利な動線設計が、日々の生活をより快適にしています。
③暗かった和室を明るいリビングへ!家族が集う空間に間取り変更
築100年以上の歴史を持つ広島市安佐南区のM様邸では、北側に浴室やキッチンなどの水回りをまとめ、かつて窓がなく暗かった和室と廊下の一部を取り込むことで、明るく開放的なリビングダイニングに変更しました。
家族が集まる新しいリビングは、広々とした空間で、生活の中心となる快適な場として生まれ変わりました。
さらに、ご夫婦の寝室をリビングの隣に配置することで、短い動線での移動が可能にしました。
日々の暮らしがより便利で快適になり、スムーズな生活を実現しています。
断熱材やペアガラスの採用で、古い家特有の寒さも解消され、居住性も大幅に向上しました。
このリフォームは、M様邸の歴史を大切にしつつ、梁や柱をできる限り活かす工夫が随所に施されています。
奥様のご希望で、玄関の飾り窓や広縁の吊り灯篭など、古民家ならではの味わい深い要素も残されています。
広々とした対面式カウンターキッチンからは、リビングや庭の景色を楽しむことができ、家事動線の効率も向上しました。
④限られたスペースを活かした二世帯住宅の間取り変更リフォーム
広島市にお住まいのA様邸では、限られたスペースを活かした間取り変更リフォームにより、二世帯で快適に暮らせる住まいを実現しました。
ご両親との同居を考えたA様ご家族は、異なる生活スタイルを尊重しつつ、玄関と浴室を共有する一方で、キッチンはそれぞれ独立させることで、プライバシーを確保しながらも快適な二世帯住宅を構築しました。
共有スペースとなる玄関は、二世帯でも十分に使えるよう収納スペースを3か所設置。
浴室も、家族全員が気兼ねなく使えるよう、キッチン側と廊下からアクセスできる動線を確保しました。
これにより、共有部分を効率的に利用しながら、お互いの生活が干渉しないような設計を実現しています。
さらに、リビングや寝室など、家族それぞれがプライベートを守りつつ、快適に過ごせる空間を確保しました。
リビングは家族団らんの場として、また寝室は短い動線でプライベートにアクセスできるよう工夫されており、家族の生活リズムに合わせた間取りが完成しています。
間取りの変更リフォームを依頼する業者の種類と選び方
間取り変更リフォームを成功させるためには、どの業者に依頼するかが重要なポイントとなります。
工務店、リフォーム専門業者、ハウスメーカーといった業者には、それぞれに異なる特徴があり、依頼する業者によって施工の内容や費用、サービスに違いが生まれます。
ここでは、それぞれの業者の特徴を詳しく解説します。
業者の種類 | メリット | デメリット |
地域密着型の工務店 | ・地元での施工実績が豊富 ・細やかな対応が可能 ・客とのコミュニケーションが取りやすい ・自由度の高いプランが実現できる ・比較的費用が安い |
・価格設定が不透明 ・予算オーバーになる可能性がある ・設備の選択肢が限られることがある |
リフォーム専門業者 | デザイン性の高い提案 工事が短期間で進む リフォーム全般に特化 専門知識に基づいた対応が期待できる |
業者によって対応範囲が異なる 全ての希望を実現できないことがある アフターケアや保証が不十分な場合がある |
ハウスメーカー | 高品質な仕上がり 充実したアフターサポート 標準化されたプロセスで工期が短い 信頼性が高い |
コストが高い 規格化されたプランで柔軟な対応が難しい 間取り変更の自由度が低い |
地域密着型の工務店のメリット・デメリット
地域密着型の工務店は、地元に根ざした営業を行っており、細やかな対応と柔軟なプラン提案ができることが大きなメリットです。
特に、顧客とのコミュニケーションが密に取れるため、希望する間取り変更に合わせて自由度の高い施工を行ってもらえることが多いです。
さらに、地域に密着していることで、施工後のフォローやメンテナンスを迅速に受けられる安心感があります。
また、工務店は大手のハウスメーカーに比べてコストを抑えられる場合が多いですが、個別に価格設定されていることが多いため、費用が不透明になりがちというデメリットもあります。
また、デザインの統一感に欠ける場合や、設備の選択肢が限られていることもあり、予算を超えるリスクがある点も注意が必要です。
リフォーム専門業者のメリット・デメリット
リフォーム専門業者の大きなメリットは、デザイン性の高い提案とスムーズな工事進行です。
間取り変更リフォームに特化した業者が多く、専門的な知識と経験を活かして、最適な間取りプランを提供してくれます。
また、自社で取り扱う製品や設備を使うことが多いため、工期が短縮されることも多いです。
一方、デメリットとしては、業者によって対応できるリフォームの範囲が異なるため、希望する工事内容が全て実現できない場合があります。
また、業者の規模によっては、アフターケアや保証が十分に整っていないこともあるため、事前に確認しておくことが重要です。
ハウスメーカーのメリット・デメリット
ハウスメーカーは、質の高い施工を短期間で実現できる点が大きなメリットです。
特に、全国規模で展開している大手のハウスメーカーでは、安定した品質の施工が期待でき、間取り変更リフォームにおいても標準化されたプロセスを活かしてスムーズに進めることができます。
また、全体的に仕上がりが高品質であり、保証やアフターサポートが充実している点も魅力です。
しかし、ハウスメーカーは広告費や人件費などのコストが反映されるため、他の業者に比べて費用が高くなる傾向があります。
さらに、標準化されたプランが多いため、間取り変更の自由度が低く、細かな要望に対応しにくいこともデメリットです。
業者の選び方
間取り変更リフォームの業者を選ぶ際には、まず自分の希望するリフォーム内容と予算を明確にすることが大切です。
工務店は、自由度の高いプランを求めている場合や、地域で信頼できる業者を探している場合に適しています。
一方、デザイン性や短期間での施工を重視するなら、リフォーム専門業者が適しているでしょう。
大規模なリフォームや高品質な仕上がりを重視する場合には、ハウスメーカーが最適です。
ただし、どの業者を選ぶにしても、事前に施工実績や口コミを確認し、信頼できる業者かどうかを見極めることが重要です。
また、各業者から見積もりを取り、費用や施工期間、アフターサポートなどを比較して最適な選択をすることが、満足のいくリフォームにつながります。
間取り変更リフォームで理想の暮らしを実現しよう!
リフォームで間取りを変更すれば、家族が暮らしやすい住宅を形にできます。風通しや日当たりも思い通りに変えられるのです。
間取り変更リフォームには多くのメリットがありますが、水回りや階段の位置を変更するような大規模なリフォームになると、高額な費用が必要です。
家族の希望と予算のバランスをとりながら、自宅に適した間取りを考えてみましょう。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。
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※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。