地盤が弱い状態では、災害に強く安心して暮らせる住宅を建築できません。
地盤の強さはマイホームの頑丈さに直結するのです。
もし購入予定の土地または、入手済みの土地の地盤の強度が低い時には、地盤改良が必要です。
該当の土地に適した方法で地盤を補強すれば、軟弱地盤の土地にも住宅が建てられるのです。
地盤の強さに不安を感じているのなら、ぜひこの記事を参考にしてください。
住宅建築・建て替え前の地盤改良の重要性
地盤改良は地盤が弱く、住宅を建築することで地盤沈下や住宅の傾きなどの問題が起こる可能性が考えられる場合に実施されます。
該当の土地に適切な方法で地盤を補強すれば、地盤の弱さをカバーできるのです。
また、地震大国である日本では、地震による揺れに耐えられる住まいを建築しなければいけません。
強い地盤は揺れに強く、地震発生時にもしっかり住宅を支えます。
地盤改良前に行われる地盤調査について
地盤改良を実施する前には、地盤調査をして地盤の状態を確認します。
問題がある地盤の深さや状態を明らかにした上で、適切な地盤改良の工法を選択することが大切です。
現在では、建物を建て直しまたは新築する場合は、地盤調査が義務付けられていることから、弱い地盤に建物が建築できないようになりました。
地盤調査の方法には、「ボーリング調査」と「SWS試験(スクリューウエイト貫入試験・旧スウェーデン式サウンディング試験)」の2つの種類があります。
ここでは、それぞれの調査方法について説明します。
ボーリング調査
ボーリング調査は、一戸建てではなくマンションのような大きな建物を建築する際に導入される地盤調査の方法です。
調査では地面に円筒状の穴を開け、1mごとに強度であるN値を計測します。
さらに土のサンプルも採取することから、土の種類・強度・地下水位の高さなどを細かく調査することが可能です。
調査には大型の機械を用いるため、狭い土地には活用しにくいというデメリットもあります。
SWS試験
SWS試験は「スクリューウエイト貫入試験」呼ばれる地盤調査の方法であり、昔は「スウェーデン式サウンディグ試験」と呼ばれていました。
SWS試験では、ロッドと呼ばれる鉄の棒を地面に貫入し、地盤の強さを調べます。
一般的には、ロッドを敷地の四隅と中央の合計5箇所に差し込みます。
ボーリング調査よりも短期間かつ低コストで実施可能な地盤調査の方法ではあるものの、硬過ぎる地盤には対応できないなどのデメリットがあります。
地盤調査についてより詳しい情報は、こちらの記事でまとめています。
地盤改良工事の種類と費用相場
地盤調査の結果から、地盤の強さが不足していると判断された時には、地盤改良工事を実施します。
地盤改良工事の方法には、以下の3つの種類があります。
どの工法が該当の土地に適しているかは、軟弱地盤の深さや土質の影響を受けるため、プロの意見を聞きながら、最適な工法を選択しましょう。
表面改良工法
表面改良工法は地盤調査により軟弱だと判断された地盤が、2m以下の浅い部分にある場合に選択可能な地盤改良の方法です。
工事では表面にある軟弱な地盤を掘り起こした後に、セメント系固化材を現地盤の土と混ぜながら散布します。
最後に転圧をして土地を締め固め、地盤の強度を高めます。
表面改良工法の工事に必要な期間は1〜2日、必要な費用は20坪50万円程度であり、その他の地盤改良の方法と比較すれば、経済的かつ短期間で地盤を補強することが可能です。
柱状改良工法
地盤内に柱状の補強体を作る・コンクリートの柱を地盤に打ち込むどちらかの方法で、地盤の強度を高める地盤改良を柱状改良工法と呼びます。
20坪の住宅に50本以上の柱を4m注入した場合に必要な費用は、100万円程度です。
打ち込む柱の量が増えたり深さが深くなったりすると、必要なコストが上がります。
鋼管杭工法
鋼管杭工法では柱状改良工法と同様の流れで柱を使って地盤を補強しますが、コンクリートの柱ではなく鋼管を用います。
その他の工法では対応できない深さまでアプローチ可能であり、土質が悪い土地でも高い支持力を得られます。
地盤の状態や軟弱地盤の深さにより工事費用が異なるものの、鋼管はセメントよりも材料費がかかるため、20坪の地盤に鋼管杭工法を施す費用相場は100〜200万円程度です。
表面改良工法の特徴
ここからは、それぞれの地盤改良工法のメリット・デメリットをまとめました。
依頼する業者からのアドバイスを聞きながら、住宅建築予定地に最適な地盤改良を選択できるようにしましょう。
表面改良工法のメリット
表面改良工法は浅い地盤での工事であり工期とコストを抑えられます。
表面改良工法で対応可能な地盤であれば、比較的すぐに補強工事を完了できます。
地盤改良の中でも手頃な価格帯の工法です。
表面改良工法のデメリット
表面改良工法は軟弱地盤の深さが2m以上になると選択できず、改良地盤の下部分に空洞が存在する地盤にも適していません。
また、工事中には粉状の固化剤が飛散しやすいため、近隣に対して十分な配慮が必要です。
柱状改良工法の特徴
表面改良工法で対応が難しい2m以上の軟弱地盤に一戸建て住宅を建築する際には、柱状改良工法を導入する住宅が多いです。
柱状改良工法のメリット
柱状改良工法はシンプルな工事であり、工事を取り扱う業者が多いという点が代表的なメリットです。
地盤改良工事を扱っている業者が少ない地域でも業者選びがスムーズに進められます。
さらに工事に使用する重機が比較的小型なため、狭い土地でも施工できます。
柱状改良工法のデメリット
柱状改良工法には、業者ごとに技術力が異なるというデメリットがあります。
また、施工後に地盤を元の状態に戻すことは難しく、土地にはコンクリートの柱が残ったままになります。
柱状改良工法後の土地を売却する際には、コンクリートの柱のせいで価値が下がる可能性が考えられます。
鋼管杭工法の特徴
最後に、鋼管杭工法の特徴についてまとめました。
鋼管杭工法は粘土質・砂質地盤の土地にも採用できる地盤改良方法です。
鋼管杭工法のメリット
鋼管杭工法は高い支持力で住宅を支えられるのみでなく、不要になった時には容易に柱の引き抜き工事が実施できます。
そのため、売却時に土地の価値が下がってしまう問題を考えなくて良いのです。
また、工事は小型の機械で進められるため、搬入道路や土地そのものが狭い場合も対応できます。
鋼管杭工法のデメリット
鋼管杭工法はその他の地盤改良方法と比較してコストが高く、工事の振動や騒音が大きいという点がデメリットに該当します。
工事の際には、近隣へ十分な配慮が必要です。
地盤改良を依頼する業者の選び方のポイント
地盤改良を依頼する業者を選ぶ際には、次のポイントを意識しましょう。
信頼できる業者を見つけることで、安心して工事を任せられます。
提案の工法のメリットとデメリットについて詳しい説明があるか
先ほどもお伝えしたように、地盤改良の工法である表面改良工法・柱状改良工法・鋼管杭工法にはメリットとデメリットがあります。
そのため、地盤改良工事の内容についてメリットのみを説明する業者は避けるべきです。
メリットとデメリットの両方をしっかり把握した上で地盤改良の方法を選択する必要があります。
また、費用面についても丁寧な説明がある業者を選びましょう。
第三者機関による地盤保証の有無
地盤改良には多くの費用がかかります。さらに、地盤改良工事がうまくいかなかった場合は、地盤の上に建築した住宅に傾きなどの重大な失陥が現れる可能性があります。
地盤改良は、万が一のトラブルを考えて第三者機関の地盤保証がついている業者で実施すると良いでしょう。
口コミの評価が良いか
インターネットで業者の口コミを確認し、評価が良い業者を選びます。実際に該当の業者で地盤改良を実施した方の意見を参考にしましょう。
知人や友人からの紹介を受けられるのなら、積極的に活用すると良いでしょう。
複数業者を比較検討する
地盤改良を依頼する業者選びの際には、複数の業者から意見を聞き、相見積もりをとりましょう。
見積もりの内容はもちろん、担当者の対応やサポート体制も比較することで、より良い業者を選ぶことができます。
まとめ
地盤調査により地盤が弱いと判断された時には、地盤改良工事で地盤を補強する必要があります。
地盤改良の方法には複数の手段があり、20坪程度であれば50〜200万円程度の費用がかかります。
地盤改良を依頼する業者を選ぶ際には複数の業者から見積もりをとり、担当者の対応も比較しながら安心して工事を任せられる業者を選びましょう。
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