ZEHは(ゼッチ)は、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、太陽光発電などによる「創エネ」と住宅性能などによる「省エネ」で、住まいの年間一次エネルギー消費量が正味おおむねゼロになる住まいを指します。
ZEH住宅では光熱費の大幅な節約がかなうため、地球と人間の健康のみでなく家計にも優しい取り組みです。そのため政府は、国内のエネルギー問題を解決する目的で、ZEH住宅の建築に対して補助金を用意しています。
今回の記事では特に、ZEH住宅建築時に受けられる補助金についての情報をまとめました。
これから住まいを建築しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
※2023年度のZEHに関する補助金は2024年1月9日で受付を終了しています。2024年度は継続される予定ですが未発表のため、情報が発表され次第追記いたします。
ZEH住宅とは?
ZEH住宅とは、電気の消費を減らす「省エネ・断熱」、さらに電気を作る「創エネ」のための太陽光発電システムを活用してエネルギー収支をゼロ以下にする住まいです。
電気代の値上がりや災害時の対策として、現在では多くの方がZEH住宅の建築を考えています。
ZEH住宅の代表的な特徴は次の通りです。
- 高断熱であり一年中快適に過ごせる
- 冷暖房効率が良くすぐに室内を適温にできる
- 光熱費が大幅に節約できる
- 蓄電池の活用で停電時も電気を使用できる
- ヒートショックのリスクを減らせる
- 住宅の資産価値が上がり売却時に高値で売れる
さらに、ZEH住宅を建築すれば政府や地方自治体から補助金を受け取れます。
補助金や光熱費の削減効果を考えれば、ZEH住宅の建築には太陽光発電システムや蓄電池の導入など一定の初期投資が必要であるものの、十分回収することが可能です。
ZEHの種類
ZEHにはいくつかの分類があり、それぞれ分類ごとに申請可能な補助金が異なります。
補助金を活用する前に、該当するZEHの分類について確認しておきましょう。
ZEHの種類 | 一時エネルギー消費量の削減率 | その他 |
ZEH | 断熱・省エネで20%以上 創エネを含めて100%以上 |
|
ZEH+ | 断熱・省エネで25%以上 創エネを含めて100%以上 |
外皮性能のさらなる強化 高度エネルギーマネジメント 電気自動車を活用した自家消費の拡大措置 |
Nearly ZEH | 断熱・省エネで20%以上 創エネを含めて75%以上100%未満 |
寒冷地または低日射地域に限る |
Nearly ZEH+ | 断熱・省エネで20%以上 創エネを含めて75%以上100%未満 |
外皮性能のさらなる強化 高度エネルギーマネジメント 電気自動車を活用した自家消費の拡大措置 寒冷地または低日射地域に限る |
ZEH Oriented | 断熱+省エネで20%以上 | 都市部狭小地及び多雪地域に限る |
次世代ZEH+ | ZEH+またはNealy ZEH+に以下の要件を1つ以上追加 ・蓄電システム ・燃料電池 ・V2H充電設備 ・太陽熱利用温水システム |
|
次世代HEMS | ZEH+またはNealy ZEH+に以下の要件満たした上で高度エネルギーマネジメントを選択し、以下の要件を2つ追加 ・蓄電システム ・V2H充電設備 |
太陽光発電システムによる創エネを最大活用可能な仕組みを備えている |
これまでZEH+がZEHの分類の最上位ランクでしたが、より高機能なZEHとして次世代ZEH+が生まれました。
ZEH住宅についての基本的な情報は、こちらの記事も参考にしてください。
ZEH住宅建築時に申請可能な補助金の種類と条件
ここからは、ZEH住宅建築時に申請できる代表的な補助金の種類と特徴などをまとめました。
ハウスメーカーによって使用できる補助金と使用できない補助金があるので、事前に活用できるかハウスメーカーへ確認しておきましょう。
ZEH住宅の分類 | 補助金事業名 | 申請期間 |
ZEH | 子育てエコホーム支援事業 | 2024年3月下旬〜予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
地域型住宅グリーン化事業 | ※2024年度分は未発表 | |
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業 | ※2024年度分は未発表 | |
ZEH+ |
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化支援事業 |
※2024年度分は未発表 |
次世代ZEH+ | 次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業 | ※2024年度分は未発表 |
次世代HEMS | 次世代HEMS実証事業 | ※2024年度分は未発表 |
また、お住まいの地方自治体ごとに独自の補助金制度が設けられている場合もあります。
ZEH住宅に関する補助金は2種類以上を併用可能な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象としている事業であり、ZEHレベル基準を満たす新築住宅に対して最大100万円の支援を実施しています。
また、リフォームの場合には夫婦や子どもの年齢に関わらず、全ての世帯が事業の対象になります。
項目 | 内容 |
条件 | ZEHレベル基準を満たす新築住宅 【子育て世帯】子どもが18歳未満(2004年4月2日以降生まれ)である世帯 【若者夫婦世帯】申請時点で夫婦であり令和4年4月1日時点で夫婦のどちらかが39歳以下 ※リフォームの場合は全ての家庭が対象 |
補助金上限 | 【長期優良住宅】100万円 【ZEH住宅】80万円 |
交付申請期間 | 2024年3月下旬〜予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
公式サイト | 子育てエコホーム支援事業 |
地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業の中でも、ZEH住宅を対象とした補助金はゼロ・エネルギー住宅型実施支援室で進められています。
受け取り可能な補助金の上限額は140万円であり、補助金額の決定には住宅を建築する地域やバリアフリー設備の有無なども関係します。
自分が受け取り可能な補助金額は事前に確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
条件 | ZEHレベル基準を満たす新築住宅 (その他の細かな条件により補助金額が異なる) |
補助金上限 | 140万円 |
交付申請期間 | ※2024年度分は未発表 |
公式サイト | 地域型グリーン化事業【長寿命型実施支援室】 ※2023年度版 |
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業
戸建住宅の高断熱化による省エネ・省CO2化を支援する事業であり、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現をめざすことを目的として運営されています。
具体的には、エネルギー効率の良い住宅と効率の悪い住宅を含めた全ての新築住宅としての平均がZEHの基準を満たすように、ZEHの割合を増やしていくという施策になります。
ZEHとZEH+の両方に対応しており、ZEHの分類によって補助金の上限額が異なります。
項目 | 内容 |
条件 | ZEH・Nearly ZEH・ZEH Oriented・ZEH+・Nearly ZEH+基準を満たす新築住宅 住宅の建築にZEHビルダーまたはプランナーが関わる |
補助金上限 | ZEH・Nearly ZEH・ZEH Orientedの交付要件を満たす住宅の新築:55万円 ZEH+・Nearly ZEH+の交付条件を満たす住宅の新築:100万円 ・蓄電システム:2万円/kWh(上限20万円) ・直交集成板、地中熱ヒートポンプシステムなどの導入で補助金加算 |
交付申請期間 | ※2024年度分は未発表 |
公式サイト | 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業 |
次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業
ZEH+よりもさらに高い要件をクリアする必要がある次世代ZEH+にも補助金が用意されています。
補助金額の上限はZEH+住宅と変わりませんが、追加した該当の設備に対して補助金が加算されます。
蓄電池や太陽熱利用温水システムの導入を考えている方におすすめの補助金です。
項目 | 内容 |
条件 | 次世代ZEH+基準を満たす新築住宅 住宅の建築にZEHビルダーまたはプランナーが関わる |
補助金上限 | 補助金上限 100万円 ・蓄電システム:2万円/kWh(または20万円のいずれか低い金額) ・V2H充電設備の補助対象経費の半額(または75万円のいずれか低い金額) ・燃料電池:2万円/台 ・太陽熱利用温水システム:17万円〜60万円 |
交付申請期間 | ※2024年度分は未発表 |
公式サイト | 2023年の経済産業省と環境省のZEH補助金について ※2023年度版 |
次世代HEMS実証事業
次世代HEMSとはAI・IoT技術などによる最新制御が可能な住宅エネルギー管理システムを導入し、自宅で作り出したエネルギーを最大活用可能な住宅を指しています。
次世代HEMS実証事業も次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業と同じく、追加した該当の設備に対して補助金が増額されます。
項目 | 内容 |
条件 | 次世代HEMS基準を満たす新築住宅 住宅の建築にZEHビルダーまたはプランナーが関わる |
補助金上限 | ・蓄電システム:2万円/kWh(または20万円のいずれか低い金額) ・V2H充電設備の補助対象経費の半額(または75万円のいずれか低い金額) ・燃料電池:2万円/台 ・太陽熱利用温水システム:17万円〜60万円 |
交付申請期間 | ※2024年度分は未発表 |
ZEH補助金活用時の注意点
ZEH補助金を活用したいと考えている方は、事前に次の注意点を把握しておきましょう。
注意点を知らないままでは、補助金が受け取れない可能性があります。
申請期限・着工期限が過ぎている
補助金にはそれぞれ申請期限のみでなく着工・完了報告にも期限が設定されています。少しでも期限が過ぎてしまうと補助金が受け取れません。
補助金の種類によってはユーザー登録期間が設定されていることもあるため、初めから余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
交付が決まる前に着工してはいけない
補助金申請を済ませていても、補助金の交付が決定する前に工事を始めてしまうことで補助金の対象外になる場合があります。
着工は必ず補助金の交付決定を待ちましょう。
併用できない補助金が存在する
補助金同士には併用可能なものとそうでないものがあります。原則として、1つの建物に対して2つ以上の補助金を国から受け取ることはできないのです。
ただし、国の補助金と地方自治体が独自に実施している補助金制度は併用可能な場合があります。
2つ以上の補助金申請をする場合は、補助金の併用が可能かハウスメーカーに確認しましょう。
登録事業者以外のハウスメーカーや工務店と契約してしまった
ZEH住宅は登録事業者以外も建築できるものの、登録事業者以外のハウスメーカーや工務店で契約したZEH住宅では大半の補助金を受けられません。
ZEH住宅の補助金受ける場合は、ZEHビルダーまたはZEHプランナーと契約するようにしましょう。
まとめ
現在日本では政府が積極的にZEH住宅を普及し、家庭のエネルギー消費を抑えようとしています。
そのため、エネルギー収支をゼロ以下にすることが実現可能なZEH住宅を建設する場合の補助金がいくつも用意されているのです。
これから住宅を建築する方は、補助金を活用してお得に最新の設備を導入しましょう。
ZEH住宅の補助金を受けるのなら申請や着工・完成期限に注意し、住まいの建築にはZEHビルダーまたはZEHプランナーを活用しましょう。
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