土地なしで注文住宅を建てる6つの流れ!費用の目安やポイントも解説

  • 作成日:2024/04/30
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
土地なしで注文住宅を建てる6つの流れ!費用の目安やポイントも解説

建物を一から設計する注文住宅づくりでは、完成までに多くのステップを踏む必要があります。
所有している土地に家を建てるケースでは建物の設計に集中できますが、土地なしの状態で注文住宅を建てようとすると、設計と並行して土地を探さなくてはなりません。

土地なしで注文住宅を建てる場合、土地代と建築費を別に見る必要があるため、住宅ローンの仕組みが複雑です。
事前に手順などをしっかり押さえておかないと、余計な手間や費用が生じてしまいます。

この記事では、土地なしで注文住宅を建てる際のスケジュールを流れに沿って説明するとともに、費用の目安や住宅ローンの借り入れ方など多岐にわたって解説します。
この記事を読んで、土地なしで注文住宅を新築するときのポイントを押さえ、理想のマイホームづくりを成功させましょう。

土地なしで注文住宅を建てる【基本6つの流れ】

ステップを上がる人

土地なしで注文住宅を建てるとき、次の6つのステップに沿って進めていくのが基本的な流れです。

  1. 【土地と建物の予算決め】
  2. 【施工会社選びと土地探し】
  3. 【土地購入】
  4. 【建築プランの決定】
  5. 【住宅ローンの本審査】
  6. 【新居の着工・引き渡し】

土地なしの場合、ステップ3の「土地購入」とステップ4の「建築プランの検討」は、ほぼ同時での進行が必要です。
ステップ1〜6までにかかる期間は8〜15ヵ月程度が標準的ですが、土地探しや建築プランの検討にこだわると2年近くかかるケースもあります。

ここからは、6つのステップごとに内容を詳しく見ていきましょう。

ステップ1【土地と建物の予算決め】

最初のステップとして、注文住宅全体にかける予算を決めていきます。
予算を決めるにあたって重要なのが「頭金をいくら準備できるか」です。
頭金とは物件取得費用の一部にあてる自己資金のことであり、頭金を多く入れるほど住宅ローンの借入額が減り、月々の返済負担も軽くなります。

ただし、頭金を入れすぎると生活資金が不足する恐れがあります。
不測の事態に備え、最低6ヶ月分の生活費は「生活防衛資金」として確保しておきましょう。

住宅ローンの借入可能額、月々の返済額、住宅ローンの金利タイプといった資金計画も決めておく必要があります。
土地なしで注文住宅を建てる場合、土地代と建築工事費用がかかるため、両者のバランスを十分に検討しましょう。

一般的に土地代:建築工事費用=4:6〜3:7の割合といわれます。
土地代にお金をかけすぎると、建物に十分なお金をかけられずに満足度が下がってしまうかもしれません。
建てたい家のイメージを家族で話し合ったうえで、できるだけ希望を叶えられるよう、全体の予算バランスを考えることが重要です。

合わせて、ハウスメーカーや工務店のパンフレットを取り寄せたり、住宅展示場に足を運んだりして、施工会社選びも進めていきましょう。

土地なしで注文住宅を建てる場合の建築費相場

土地なしで注文住宅を建てる場合、建築費はどれくらいを見込めばいいのでしょうか。

住宅金融支援機構が行った「2022年度 フラット35利用者調査」によると、土地付き注文住宅(土地購入が必要な注文住宅)の所要資金の全国平均は約4,694万円。前年度の約4,455万円から約239万円もアップしています。
なお、2022年度の土地代:建築費の比率は約3:7でした。

地域ごとに見ると次のようになっています。

地域 土地代 建築費 合計
全国平均 1,499.5万円
(31.9%)
3,194.6万円
(68.1%)
4,694.1万円
首都圏 2,288.2万円
(42.3%)
3,117.9万円
(57.7%)
5,406.1万円
近畿圏 1,760.4万円
(36.0%)
3,133.4万円
(64.0%)
4,893.8万円
東海圏 1,299.5万円
(27.7%)
3,394.4万円
(72.3%)
4,693.9万円
その他 927.2万円
(22.3%)
3,223.8万円
(77.7%)
4,151万円

(出典)住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」

建築費は地域ごとに大きな差が見られないものの、地価の高い首都圏では土地代の比率が高く、結果的にトータルコストもほかのエリアに比べて高めです。

ステップ2【施工会社選びと土地探し】

土地なしで注文住宅を建てる場合、次のステップで施工会社選びと土地探しを同時に進める必要があります。

施工会社選びは、パンフレットや住宅展示場を見て気になった複数社に見積りを依頼し、比較検討するのが一般的です。
会社ごとに得意とする工法や素材、スタイルなどがあるので、自分の希望を叶えてくれそうな会社から選ぶようにしましょう。

土地探しの方法は大きく分けて、次の2つのパターンがあります。

  •  ① 不動産会社やインターネットを使って自力で探す
  •  ② 施工を依頼するハウスメーカーに相談して探してもらう

①の場合、土地にかけられた法令的な制限に気づかず選んでしまい、それによって理想が叶えられないリスクがあります。
希望を実現できるいい土地に出会うチャンスを増やしたいなら、②のハウスメーカーに探してもらうやり方がおすすめです。

②なら、土地の仲介手数料が不要なケースがある、土地代と建築費の予算配分を調整しやすい、土地代に関するローンの手続きがスムーズになるといった、多くのメリットも期待できます。

土地に特別なこだわりがない限りは、施工会社に土地探しも含めて依頼したほうが、家づくりをスムーズに進められるでしょう。

ステップ3【土地購入】

場所があっているか地図を鉛筆で指している

気に入った土地が見つかったら「買付証明書」を提出して、購入する意思があることを示し、土地を仮押さえします。
買付証明書を提出した時点では、あくまでも優先交渉権を得た状態でしかありません。
最終的に購入するなら、期限内に売買契約を締結する必要があります。

土地の売買契約書を締結するときには「手付金」を支払います。
一般的に手付金は土地代金の5〜10%程度で、現金で支払うのが基本です。
無事に引渡しまで進めば、手付金は購入費用の一部に充当されるケースが多くなっています。
万が一買主側の都合で売買契約を解約したいときには、手付金を放棄することで解約できるとされています。

ちなみに、土地の地盤調査を希望する場合、実施するのは土地購入後が基本です。
ただ、現在の土地所有者が以前に行った地盤調査報告書を保管していれば、購入前に確認させてくれることもあります。

ステップ4【建築プランの決定】

施工を依頼するハウスメーカーや工務店が決定したら、購入した土地における建築プランを話し合いながら決めていきます。
建築プランが決まったら本見積りを出してもらいましょう。
土地代と本見積りに記載された建築費を金融機関に提出し、住宅ローンの仮審査を受けます。

並行して、決定した建築プランをもって施工会社が建築確認申請を行います。
建築確認申請および住宅ローンの仮審査が無事通過すれば、施工会社と工事請負契約を締結します。
この際、手付金として建築費の5〜10%程度の支払いが発生する場合もあるため、現金の準備を忘れないようにしましょう。
工事請負契約書を交わしたら、いよいよ建築工事へと進んでいくことになります。

この段階での建築プランは建物の大枠を決めたものであるため、工事請負契約締結後に、内外装の仕様や設置する設備の種類など、より詳細なプランを詰めていきます。

ステップ5【住宅ローンの本審査】

施工会社と工事請負契約を締結したら、住宅ローンの本審査を受けます。
本審査では仮審査で提出した本人確認書類・収入確認書類といったもののほか、次のような書類の提出が必要です。

  • 建築確認済証または建築確認通知書
  • 建築確認申請書
  • 建物配置図、平面図、立面図
  • 工事請負契約書

上記の必要書類からもあらためてわかるように、建築確認申請や工事請負契約締結が完了していないと、住宅ローンの本審査に進むことは原則できません。
本審査が通ると新居の着工が可能になります。

土地なしで注文住宅の住宅ローンの借り入れ方法

土地なしで注文住宅を建築する場合、住宅ローンの借り入れ方法が建売住宅に比べて複雑なため注意しましょう。
なぜなら、住宅ローンは建物が完成し、決済と引渡しが行われる時点で融資を実行するのが原則だからです。

注文住宅では建物完成前に土地の購入代金、建物の着工金・上棟金などまとまった費用がかかります。
これらは住宅ローンの実行前に支払う必要があるため、一時的に立て替えなければならないのです。

融資実行前に生じる費用をまかなう方法として、2つの住宅ローンの組み方があります。

  •  ① 土地購入代金と建築費を一本化して住宅ローンを組む
  •  ② 土地購入代金と建築費を別々にしてローンを組む

それぞれについて詳しく解説します。

① 土地購入代金と建築費を一本化して住宅ローンを組む

土地代と建築費を一本化する場合に利用できるのが「つなぎ融資」と「分割融資」です。

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資実行までに必要となる費用を調達する目的で借りるローンを指し、住宅ローンとは別立てとなります。
対する分割融資とは、土地代決済時と建築費決済時で1つの住宅ローンの融資を分割して実行するものです。

住宅ローンを一本化すると、土地購入時点で建築プランが固まっていることが求められるため、かなりタイトなスケジュールとなります。
建築プランをじっくり検討したいなら、先行して決定した施工会社と十分にプランを練ってから、土地を購入するといいでしょう。

② 土地購入代金と建築費を別々にしてローンを組む

土地代と建築費を別々にする場合、土地先行融資が選択できます。
土地先行融資は住宅ローンと同様の低金利で借り入れられるのがメリットです。
気に入った土地が見つかって、早めに押さえておきたいといったケースに向いています。

ただし、通常土地代の融資実行から建物着工・竣工までの期間制限が設けられているため、スケジューリングには注意しましょう。

ステップ6【新居の着工・引き渡し】

土地先行融資や自己資金などで土地代の決済を終えると、土地が正式に引き渡されます。
建築工事がスタートするのは、土地の引き渡しを受けてからです。

強制ではないものの、着工前には地鎮祭、棟上げの際には上棟式を執り行う場合があります。
親族の意向や地域の慣習も確認したうえで、必要であれば施工会社と相談して進めましょう。

建設工事中は工事車両や職人の出入り、工事音、粉塵などで近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
今後のお付き合いも考慮して、着工時や工事中のタイミングで近所にあいさつ回りをしておきたいところです。
地鎮祭を行うなら、終了後にあいさつ回りするのが一般的です。

地鎮祭の流れや服装については、こちらの記事をご覧ください。

基本的に、工事期間中に施主が現場でやらなければならないことは特にありませんが、定期的に顔を出して現場をチェックしておくといいでしょう。

工事が完了したら、現場監督や建築会社の担当者立ち会いのもと、仕上がりをチェックします。
建具の立て付け、傷の有無など細かな部分までチェックし、問題なければ引き渡しとなります。

土地なしで注文住宅を建てる際のポイント

地図を見て土地を虫眼鏡で発見している

土地を新たに購入して注文住宅を建てる際には、押さえておくべきポイントが2つあります。
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

できるだけ費用を抑えたいなら「建築条件付き土地」を選ぶ

注文住宅を建てるための土地を探していると、よく「建築条件付き土地」という言葉をよく目にします。
建築条件付き土地とは、施工会社があらかじめ決められている土地のこと。
「建築条件なし」となっている場合、土地の買主が好きな施工会社を選べるということです。

施工会社を自由に選べる建築条件なし土地のほうが、自由度の高い家づくりが可能となります。
間取りやデザインにとことんこだわった家づくりがしたいなら、建築条件なし土地がおすすめです。
ただ、コストや手間はどうしても多くかかります。

「注文住宅がいいけど、できるだけコストは抑えたい」のであれば、建築条件付き土地を選ぶといいでしょう。
施工会社は固定されますが、その分会社選びで悩む必要がありません。
建築条件なし土地よりもリーズナブルでありながら、建売住宅よりもはるかに自由度の高い家づくりが可能です。

どのタイミングでどのくらいの支払いが必要なのかを事前に把握しておく

新たに土地を購入して注文住宅を建てるにあたっては、土地代と注文住宅の建築費それぞれで支払いが複数回発生します。
具体的には、土地代で2回(売買契約締結時・引き渡し時)、注文住宅の建築費で3回(工事請負契約締結時・着工時・引き渡し時)の計5回程度、支払いタイミングがあるのが一般的です。

住宅ローンは、建物が完成して引き渡しを受けるときに融資が実行されるのが基本です。
ただ、土地代など引き渡しまでに必要な資金が足りない場合、先ほど紹介した「つなぎ融資」や「分割融資」を利用することもできます。

資金計画を立てたうえで「タイミングごとにいくら支払いが必要なのか」「現金で支払うのか、ローンを利用するのか」など、あらかじめ検討しておきましょう。

自分たちの希望を叶えてくれる施工会社を見つけよう

土地なしで注文住宅を建てる際は、今回紹介した6つのステップを理解し、事前にしっかりと準備をしましょう。
特に、住宅ローン関連が複雑になりやすいため、施工会社や金融機関に相談しながら最適なローンの組み方を検討する必要があります。

住宅ローンの組み方も含めて家づくりを成功させるには、信頼できる施工会社選びが何よりも重要です。
設計のこと、お金のこと、工事のこと、アフターサービスにいたるまで、安心して任せる施工会社を探しましょう。

広島・東広島・福山エリアで理想の注文住宅を建てたいなら、ぜひ山根木材にご相談ください。
山根木材は、広島を中心にこれまで1万棟を超える注文住宅を手がけてきました。
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この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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