増築リフォームでできることとは? 費用相場や注意点、実例を紹介

  • 作成日:2024/05/28
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
増築リフォームでできることとは? 費用相場や注意点、実例を紹介

家族が増える、ライフスタイルが変化するタイミングでお住まいの自宅を増築リフォームすることで、さまざまな夢を実現できます。

増築リフォームは、建て替えなどと比較して予算を抑えながら住まいにゆとりをもたせることが可能です。
この記事では、部屋を増やす、水回りを追加する、バルコニーやサンルームをつけるなど、増築リフォームでできることと予算相場を解説します。
法律面での注意点や押さえておきたいポイントも紹介しますので、リフォームをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

増築リフォームとは

海を一望できる自然に囲まれたバルコニー

増築リフォームとは、既存の建物や敷地内に新しく建物を新設し、床面積を増やすことを指します。

部分的な修理などを行う「改修」、床面積を変えずに建物の一部もしくは全体を壊して施工する「改築」とは、建物を新設し床面積を増やす点で違いがあります。

具体的には、「平屋を2階建てにする」、「新しい部屋を増やす」、「バルコニーやサンルームを設置する」、「離れやカーポートを新設する」などの工事が増築リフォームに該当します。

増築するメリットとデメリット

増築リフォームを考えていても、それなりに大がかりなリフォームになるため簡単には踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
まずは、増築するかどうか迷っている方のためにメリットとデメリットを整理しておきましょう。

費用を抑えて居住面積を増やせるのがメリット

増築の最大のメリットは、延床面積を増やすことで「使える空間」が増えることです。
子どもが増えて部屋が足りない、バルコニーがほしい、駐車スペースがほしいなどの場合に有効で、生活の快適性アップを実現できます。

また、増築であれば、建て替えよりも費用や工期を抑えられます。
立て替えほどの予算がない場合にも有効な方法となるでしょう。住みながらリフォームできるため、生活を変えずに済むことや、仮住まいのための賃貸費用がかからないこともメリットと言えます。

さらに、床面積の増加が10㎡以下の場合、建築確認申請が不要となるため、手間や費用がかからないことも見逃せません。
※防火・準防火地域の建物では10㎡以下でも建築確認申請が必要となります。

デメリットは固定資産税が増える可能性があること

前述のように、床面積の増加が10㎡を超える場合、基本的に建築確認申請が必要となります。
そこでデメリットとなるのが、床面積の増加で固定資産税が増える場合があること。
固定資産税は毎年かかってくる費用となるため、長い目で見て負担が増えることとなります。

また、既存部分と増築部分で耐久性が異なる場合があります。
内装の面でも、既存の場所と一体感を出すのが難しいこともあることは押さえておきましょう。

増築リフォームでできることと費用相場

リフォームに使用する道具を持っているイメージ

増築リフォームと一口にいっても、気になるのは「いくらで、どんなことができるのか?」ではないでしょうか。
ここからは増築リフォームでできることと費用相場を解説します。

部屋を増やす

まずは、既存の離れや1階部分に部屋を増やすこと。具体的には、リビング・子ども部屋・書斎などニーズに合わせて増築が可能です。
部屋を増やす際の費用は、1畳(約0.5坪)あたり30万〜60万円が相場となります。

相場には幅がありますが「建物の構造が木造である」「離れを木造やプレハブ造で増築する」など、比較的安価な構造の場合は費用が安くつく傾向にあります。

水回りを追加する

トイレやキッチン、台所などの水回りを増築する工事も可能です。
ただし、水回りを追加するには配管工事の手間がかかるため、金額が高くなりやすいことが特徴です。

相場は、トイレを増築する場合(広さ1畳程度)の費用は 70~200万円が目安。浴室(広さ2畳程度)を増築する場合は 75~250万円、キッチンを増築する場合は 90~400万円が目安となります。

具体的な価格は、採用する機器(トイレ・ユニットバス・システムキッチン)本体の価格や間取りによっても変動するため、正確に知るには見積もりを取ってみると良いでしょう。
また、2階にトイレを増築するとなると配管追加工事が必要になり、高額になることもあります。

トイレ増設の費用や注意点については、こちらをご覧ください。

平屋を2階建てにする

建物の一部だけを増築するのではなく、平屋を2階建てにすることもできます。
ワンフロアがまるまる増える形となりますので、2世帯住宅にしたいときや家族が増えたときにおすすめの方法と言えるでしょう。

ただし、平屋に2階を増築する場合、耐震性確保のため、1階部分の補強工事もほぼ必須となります。
また、屋根の解体・作り直しなどの作業もあるため、1階を増築するときよりも費用が高く、1畳(約0.5坪)あたり50~100万円程度の予算が必要となります。

2階にトイレやキッチンなどの水回り設備を増設する場合には配管追加工事も必要となってきますので、費用が追加でかかる可能性があることも押さえておきましょう。

ベランダをつける

ベランダやバルコニーを新設することも、増築のリフォームに該当します。
例えば2世帯で暮らしているものの2階にベランダがなく、洗濯物を干すところに困ってしまっている場合などに有効なリフォームとなるでしょう。

2階にベランダやバルコニーを増築する場合、相場は広さ1畳(約0.5坪)であれば25~50万円前後で済むこともあります。
ただ、1階部分の補強工事の必要性や、ベランダ・バルコニーの取り付け方などによって費用が変わってきます。

サンルームをつける

プライバシーの確保や家事の時短のために室内干しをする人が増えている現代では、サンルームをつけることも人気のリフォームです。
室内で太陽の光にあてて洗濯物を乾かすことができ、花粉の季節などにも気兼ねなく干すことができるのがメリットと言えるでしょう。

例えば、庭の空いたスペースにサンルーム(ガーデンルーム)を後付けする場合には、床面積が増えるため増築扱いとなります。
新しくサンルームを増築する際、費用は40〜180万円程度が目安となりますが、サンルームのグレードや広さによって価格は変わってきます。
また、2階にサンルームを増築する場合も高額となりやすいため注意しましょう。

バルコニーやサンルームの設置費用やポイントについては、こちらをご覧ください。

カーポートを設置する

駐車スペースを増やすカーポートの設置も、人気のリフォームです。
カーポートの設置のみであれば比較的安価で、1台用で18~60万円程度が目安です。
ただし、しっかりと風雨を防ぎたい、セキュリティを高めたいなどの目的で、より強固なガレージを設置する場合には、150万円程度かかる場合もあります。

駐車スペースを設置する方法としては、使用していない部屋を床面積を変えずにビルトインガレージへ変更する方法もあります。
このように、建物の一部をビルトインガレージへリフォームする費用目安は、60~250万円と状況によって幅がありますが、相場としては100〜200万円程度が目安と考えておくとよいでしょう。

カーポートの費用相場や塗装の種類については、こちちらをご覧ください。

増築にリフォーム補助金は使える?

増築を検討する場合、リフォーム補助金が使えるか否かも気になるところではないでしょうか。
結論から言えば、リフォーム補助金は「既存部分を改修する工事」のみが対象となる制度が多く、新しい部分を追加する増築では対象とならないケースが少なくありません。

ただし、補助金は地域による制度が多いため、お住まいの市町村によっては増築工事が対象となるケースもあります。
いずれにせよ、補助金を使う場合には指定の要件を満たす必要がありますので、詳しくは、地域のホームページなどで確認するか、リフォーム会社に見積もりを取る場合に相談してみるとよいでしょう。

増築時に活用できる3つの減税制度

住宅関連の減税のうち、「住宅ローン減税」「ローン型減税」「投資型減税」の3つの減税制度は、増築の場合も対象となります。

ただし、それぞれ特徴があり、一定の要件を満たす必要がある場合も存在するため注意しましょう。
主な要件は以下になります。

  • 住宅ローン減税:返済期間が10年以上であること
  • ローン型減税:返済期間が5年以上のローンを利用したリフォームであること

なお、投資型減税はローン利用の有無にかかわらず適用されます。

増築リフォーム時に気をつけるべき注意点

家を建てる時のポイントを説明している様子

増築リフォーム時には、気をつけるべき注意点があります。

  • 建築基準法によって想定する増築ができない場合がある
  • 事前の申請が必要な場合がある
  • 耐震性を統一しないと倒壊の恐れ

以下に詳しくご紹介します。

建築基準法によって想定する増築ができない場合がある

まず、増築リフォームをしたくてもできないケースもあることを押さえておきましょう。
土地には建築基準法などにより建ぺい率や容積率が決められているため、基本的にそれを超える形では増築ができません。
建ぺい率と容積率は以下の式で計算されます。

  • 建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100
  • 容積率(%)=延床面積÷敷地面積×100

どちらも用途地域ごとに上限が異なるほか、斜線制限など別の制限により現実的に増築が難しいケースもあります。
詳しくは、不動産会社や施工を依頼するリフォーム会社、自治体の都市計画課などに問い合わせて確認するのが近道です。

事前の申請が必要な場合がある

建築確認申請とは、建物が建築基準法や条例に適合しているかを審査するものです。
この申請が通ってからでなくては施工できないため、増築リフォームの工事前に行う必要があります。

建築確認申請が必要となるのは、床面積が10㎡を超える増築の場合です。
また、10㎡以下の増築でも、防火・準防火地域に指定されている場合は建築確認申請が必要となります。

手続きは区の建築指導課や指定確認検査機関などで行うのが一般的ですが、リフォーム会社に施工を依頼する場合は建築確認申請もあわせて代行してもらうケースがほとんどです。
ただ、費用や期間に余裕を持っておくのが必須となりますので、注意しましょう。

また、マンションの増改築では管理組合や管理事務所に事前の届け出が必要なので増築を検討する前に管理組合に相談しておく必要があります。

耐震性を統一しないと倒壊の恐れ

増築リフォームでは、建物の既存部分と増築部分の耐震性が異なると、大きな地震が起きた場合に亀裂が入ったり倒壊したりするリスクがあります。
また、既存の建物が新耐震基準を満たしていない場合、増築とあわせて耐震補強工事も行う必要が出てきます。

新築や建て替えでは最初から耐震性が統一されていますが、増築の場合にはこのようなリスクがあり、既存部分と増築部分のバランスを取ることが必要になります。
対策としては、増築リフォーム前に専門業者に耐震診断を依頼するとスムーズな進め方が見えてくるでしょう。

山根木材の増築リフォーム実例

最後に、山根木材が実際に行った増築リフォームの実例ご紹介します。
ウッドデッキの増築を行った実例と、蔵をリフォームしてアロマサロンへと生まれ変わった実例です。

実例①ウッドデッキの増築

リビングと行き来できるウッドデッキ

まずは、ウッドデッキの増築を行ったリフォームの実例です。
こちらは築38年の家を引き継いでリフォームを行っており、世代を超えて長く住むために耐震性や断熱性のリフォームを実施。あわせて、間取りも変更する全面リフォームを行っています。

新設したウッドデッキはLDKから子ども部屋までつながる形で施工しています。
LDKから子ども部屋まで広く見渡すことができ、つながりや広がりが感じられる空間となっています。

実例②蔵の改装とシャワールームの増設

蔵をリフォームしてできた蔵特有の癒し空間 

次は、蔵の改装とシャワールームの増設を行った実例です。
ご実家の物置となっていた蔵にリフォームを施し、シャワールームを増築することでアロマサロンとして生まれ変わりました。

蔵特有の立派な柱や梁を活かし、自然素材の漆喰や焼き杉を利用することで、オリジナリティのある癒し空間を実現しました。
日常では味わえない雰囲気のある空間が魅力です。

ポイントを押さえて納得のいく増築リフォームを

ここまでご紹介したように、増築リフォームはご自宅によって条件が異なり、押さえておくべきポイントも変わってきます。
そのため、豊富な施工実績を持つ会社に依頼することがスムーズに進めるための近道と言えるでしょう

山根木材では数々の増築リフォームを実施しているため、土地や建物、予算にあわせた提案が可能です。
気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

今なら「リフォームまるわかり大辞典」を無料進呈中です。お問い合わせ・資料請求は、下記お問い合せフォームからお気軽にご連絡ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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